車に欠かせない維持費の大半を占める燃料費。毎日の生活に使用する車の燃料費は決して小さなものではありません。わずかな燃費性能の差であっても長い目で見れば大きな差につながるため、燃費性能は車選びの重要チェックポイントのひとつといえるでしょう。

ここでは、日産「マーチ」の燃費性能について紹介します。

マーチの燃費の特徴

2017年7月に登場したマーチは、軽量でコンパクトなことに加え、燃焼効率を良くすることで低燃費を実現する最高出力79psを発揮する1.2L直列3気筒ガソリンエンジンを採用しています。低燃費だけではなく、低中速走行時の力強さ、キビキビした走りを実現しているのも魅力です。

また軽量で高剛性なプラットフォーム、軽量ルーフパネルや空気抵抗を抑えたボディ設計とすることで低燃費に貢献しているほか、停車時にエンジンを停止させて燃料の消費を抑えるアイドリングストップを採用しています。

マーチのカタログ燃費

マーチのパワートレインは1.2L直列3気筒ガソリンエンジン1種類で、駆動方式は2WDのみです。

マーチのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。

マーチの実燃費

現在、マーチに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」（2020年1月24日時点）によると、マーチの実燃費は以下のとおりです。

日本で従来使用されてきたJC08モードではカタログ燃費と比較して実燃費は3割程度低くなるのが平均的だとされていましたが、WLTCモードは「市街地」「郊外」「高速道路」という3つの異なる走行モードで構成された測定方法のため、実際の車の使用環境に近くJC08モードよりも実燃費との差は少ないといわれています。

それでもまったく実燃費と差がないわけではなく、カタログ燃費と実燃費の差は1～1.5割程度あるのが一般的です。その点を考えると、マーチのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度であるといえるのではないでしょうか。

マーチとライバル車のカタログ燃費を比較

マーチのライバル車としては、トヨタ「パッソ」やホンダ「フィット」が挙げられるでしょう。ここではこの2車種とマーチのカタログ燃費を比較してみます。

トヨタ「パッソ」

出典：日産「パッソ」ギャラリー

シンプルでスタンダードなデザインの標準系と構成的でスタイリッシュさを感じさせるMODAの2種類からスタイルが選べるトヨタ「パッソ」。コストパフォーマンスの良さに定評のあるモデルです。

パッソのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。パッソには4WD車の設定がありますが、マーチが2WD車のみのため、ここではパッソの2WD車の燃費を紹介します。

マーチは1.2Lガソリンエンジン、パッソは1Lガソリンエンジンということもあり単純比較はできませんが、カタログ燃費の数値だけを比較するとマーチのカタログ燃費はパッソに劣ります。

ホンダ「フィット」

出典：ホンダ「フィット」TOPページ

広い室内空間を持つコンパクトカーとして高い人気を誇るホンダ「フィット」。ライフスタイルに合わせた5種類のスタイルが設定されているため、自分に合ったフィットを選べるのが魅力です。

フィットのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。フィットにはガソリン2WD車のほかにハイブリッド車や4WD車もありますが、ここではマーチとの比較に必要なガソリン2WD車のカタログ燃費を紹介します。

マーチとフィットのカタログ燃費の比較でも、マーチはフィットの燃費に後れをとっていることがわかります。

マーチの走行性能

出典：日産「マーチ」運転のしやすさ

マーチでは、わずか4.5mの最小回転半径を維持しているので小回りが利き、狭い路地や縦列駐車、Uターンなどもスムーズに行えます。

またガラスエリアを広くすることで車幅や奥行きをつかみやすく、運転しやすいように工夫されているのもポイント。さらに全高を1,550mm以下に抑えているため、都市部の立体駐車場などが利用しやすいのも特筆すべきポイントでしょう。

燃費は車選びの重要ポイント

燃料費を左右するだけではなく、近年では一定の燃費基準を達成している車は減税措置が受けられることもあるため、車を選ぶ際には燃費性能は必ずチェックしておきましょう。マーチにはハイブリッド車の設定がなく、今となっては特別燃費の良いモデルというわけではありませんが、毎日使用する車としては問題のない燃費性能を有しているといえるのではないでしょうか。

※記事の内容は2021年3月時点の情報で執筆しています。