新車購入後、車検を受ける時期を間違うと、お金が無駄になったり、公道を走れなかったりと散々な結果になることもあります。そこで、初めて新車を購入する方が知っておきたい、車検の時期や費用の目安、有効期限の確認方法、依頼できる業者について紹介します。初回の車検にしっかり備えましょう!
この記事のPOINT
- 初回の車検は3年目!ただし、車によっては2年目の場合あり
- 車検の業者選びは、見積りを取って比較検討する
- 2回目以降の車検費用は、初回の車検費用よりも高くなる
新車の初回車検は何年目?
車検とは、車が安全に走れる基準として国が定めた保安基準に、その車が適合しているかを確認する制度です。道路運送車両法の第61条の自動車検査証の有効期間にもとづいて、一定期間ごとに車検を受けなくては公道での走行ができなくなります。
車検の有効期間が2年であり、2年に1回受けることは、一般に広く知られていますが、新車購入後の初めての車検(初回車検)は、このルールに当てはまりません。初回車検の時期はいつかを確認しましょう。
新車の初回車検は3年目
新車を購入してから最初に受ける車検のことを「初回車検」と呼びます。初回車検は普通自動車でも軽自動車でも、新車購入から「3年目」に受けることが定められています。
新車も購入者の手元に届く前に、車検と同じく保安基準の検査が行われています。新車は部品のすべてが新品なので、車の状態としては最良といえることから、車検までの有効期間が長く設定されています。しかし、2回目以降の車検は、部品の劣化や消耗が進み不具合が出やすいため、2回目以降の車検は「2年ごと」と短くなります。
車検を受けるベストなタイミングは、初回車検も2回目以降の車検も、車検証に記載された「有効期間の満了する日」の1ヵ月前です。車検は満了日の1ヵ月以上前からでも受けることができます。しかし、1ヵ月以上前に車検を受けてしまうと、車検を受けた日から有効期限が延長されることになるため、有効期間を自分で短くしてしまうことになります。短縮された期間分、前回支払った車検費用が無駄になってしまうため、注意が必要です。
新車でも初回車検が2年目になるケースとは?
初回車検は3年目ですが、下記のように2年目になる車もあります。
・軽トラックや軽バンなど、おもに仕事で使う「自家用貨物自動車」「自家用軽貨物自動車」「事業用軽貨物自動車」
・車いす用リフト搭載車やキャンピングカーなどの「自家用特殊用途自動車」「大型特殊自動車」
これらの車は使用頻度や用途から、車体の消耗や劣化が早まることが想定されるため、初回車検までの期間が短く設定されています。
車検の有効期限を確認する方法
車検の有効期限は、車検証または車検シール(車体標章)に記載されています。車検時期が近づくと、新車を購入したディーラーや販売店からハガキなどで通知が来ることもあります。ただし、通知が届かないケースもあるため、自分で確認することも重要です。
車検の有効期間が過ぎた車は、公道を走れなくなってしまいます。違反すると交通違反の違反点数の加算や刑罰が科せられることがあります。車検の有効期限は必ず確認し、期限内に車検を受けましょう。
新車の初回車検は何をするの?
車検の内容は、初回車検も、2回目以降の車検も同じです。ただし、2回目以降の車検は初回と比べ、車体の劣化や消耗が進んだ状態です。そのため、保安基準に適合させる整備箇所や交換部品が増える傾向があります。
初回車検は新車購入してから3年(36ヵ月)後に実施しますが、2回目以降の車検と同様に法定24ヵ月点検も同時に行います。
・車検に合格するための整備
車検に合格するために、保安基準を満たすための整備を行います。検査項目は各装置が正常に作動するか、重要な部品に異常がないか、メーター類に誤差がないかなどがあります。
・予防整備
予防整備とは、不具合が出るおそれがある箇所の整備や部品の交換を事前に行う整備のことを指します。車検の保安基準を満たすための整備とは別に行うもので、愛車に長く安全に乗るために必要となる整備なので、実施の有無はリクエストすることができます。
・法定24ヵ月点検
法定24ヵ月点検は、国が定める56項目の点検を行います。点検で車の不具合を発見し、未然に故障を防ぐための点検制度です。車検と同様に道路運送車両法で義務付けられている制度のため、業者に車検を依頼するとセットで実施されるケースがほとんどです。
車検はどこでどうやって受ける?
車検満了日が近づいてきたら、車検を受け付けている業者に車を持ち込むのが一般的です。自分で車検を実施するユーザー車検もありますが、専門的な車の知識や経験が必要となるため、あまりおすすめできません。それでは、業者で車検を受けるときの手順や、車検を受けられる各業者の特徴について見てみましょう。
車検を受ける手順
業者に車検を出すときは、予約してから車を持ち込みましょう。飛び込みでの車検を受け付けている業者もありますが、受付の待ち時間や車検が完了するまでの日数が長くなったり、ほかの予約状況によっては断られたりする可能性があります。
また予約の前に、ウェブや電話で見積りができる業者もありますが、車を確認せずに出された見積りは、法定費用と車検基本料のみの見積りで、車検を受けるにあたり不具合のある箇所を整備する費用が含まれていません。実際にかかる費用と大幅に異なる場合もありますので、車を確認して出された見積りを検討してから、車検を依頼する業者を決定するのがおすすめです。
新車の初回車検が受けられる場所
続いて、初回車検が受けられる場所と、その違いについて確認して、自分にあった業者を選びましょう。
・ディーラー
ディーラーは、自動車メーカーとつながりがあり、販売している車に精通しています。メーカーブランドの信頼を守るために、車検においても整備やサービスの質が高いことが魅力です。また、部品を交換する場合はメーカー品質の純正部品が使用されます。メリットが多いですが、費用が割高で、検査時間が2~3日と時間がかかる傾向があります。ただし、初回車検であれば、メーカー保証の期間内にあるケースが多く、不具合の箇所が保証対象であれば無償で修理されることがあります。
・整備工場
整備工場での車検は、幅広い車種に対応できることが魅力です。工場にもよりますが、整備やサービスの内容、費用などで柔軟な対応が期待できます。ただし整備工場ごとに整備やサービスの内容に差があるため、業者選びが重要です。検査にかかる日数は2日程度ですが、車の状態や混雑状況によっては、さらに延びる場合もあります。
・車検専門店やカー用品店、ガソリンスタンド
車検専門店は、車検に特化した整備工場です。また、カー用品店やガソリンスタンドの一部店舗でも、車検を受け付けています。この3つの業者は、ディーラーや整備工場での車検よりも、安価でスピーディーに車検を実施してくれる点が魅力です。業者によっては、24時間受け付けを行っていたり、検査時間が数時間ということもあったりします。ただし、安価でスピーディーに車検を行うため、保安基準に適合するだけの最低限の整備しか行わないケースが多いので、注意が必要です。
新車の初回車検はいくら必要?
車検を受けるときに特に気になるのが、費用についてでしょう。車検の費用は、それなりの金額になるため適正な価格を知っておきたいところです。ここでは、初回車検にかかる3つの費用「法定費用」「車検基本料」「部品交換代」の目安を紹介します。
法定費用
法定費用とは、法的に支払いが決められた費用です。国や自治体に支払う、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代があります。いずれも法律によって金額が定められているため、どの業者で車検を受けたとしても金額は同じです。
・自動車重量税
自動車重量税は、次回の車検まで2年分をまとめて支払います。普通自動車の税額は、車両重量0.5t以下の車で8,200円(2年分)で、0.5t上がるごとに8,200円ずつ増額されていきます。軽自動車の税額は6,600円(2年分)と一律です。なお、エコカー減税の対象車種は、免税や減税が受けられます。
・自賠責保険料
自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、公道を走る車に加入が義務付けられている強制保険です。自賠責保険料は、契約期間で変わりますが次回の車検の有効期限まで加入する必要があるため、最低でも24ヵ月の加入が必要です。24ヵ月契約の場合は、普通自動車で21,550円、軽自動車で21,140円です。
・印紙代
印紙代は、手続きをする際の手数料として支払います。5ナンバーの普通自動車の場合は1,700円、軽自動車の場合は1,400円かかります。ただし、工場内に検査設備のある指定工場の車検業者は、完成検査終了証を発行して運輸支局などでの手続きを簡素化できることから、少し安くなります。指定工場の場合、普通自動車は車種を問わず窓口申請で1,200円、オンラインのOSS申請に対応した業者は1,000円となります。軽自動車は1,100円です。
車検基本料
車検基本料は、点検費用、整備費用、事務手数料を合わせた金額です。法定費用とは異なり、業者によって金額が変わります。なお、業者によっては、広告や見積書に記載の車検基本料の名称が異なることがあります。
〈車検基本料の相場〉
ディーラー:約35,000〜10万円
整備工場:約20,000〜65,000円
ガソリンスタンド:約15,000〜35,000円
カー用品店:約10,000〜45,000円
車検専門店:約10,000〜30,000円
部品交換代
部品交換代は、消耗品などの部品やその工賃の代金です。初回車検では一般的に、クーラント液(ラジエーター液)やブレーキフルード(ブレーキオイル)、バッテリーなどの交換が必要となります。そのほか、車の乗り方や走行距離によっては、ブレーキパッドやタイヤ、スパークプラグも交換するケースもあります。
カーリースの定額カルモくんであれば、車検はもちろん税金などの維持費を含めて、毎月定額で新車に乗れます。車検では車の状態によって、部品交換代が予想以上に高額になるケースもありますが、定額カルモくんであれば、部品代を含めて毎月定額の利用料金です。
2回目の車検、5年目車検は費用が高額になるって本当?
新車を購入してから5年後の2回目以降の車検は、初回車検よりも費用が高くなる傾向があります。初回車検と比べて費用が上がる理由には、下記の3点があります。
・部品交換代がかさむ
新車で購入してから5年後には、多くの消耗品が交換時期になります。場合によっては車に不具合が出ていることもあるため部品交換代や修理代もかかります。
・エコカー減税が受けられなくなる
エコカー減税の対象車種は、初回車検では自動車重量税の減免が受けられますが、2回目の車検ではその減免がなくなります。そのため、エコカー減税の対象車であっても、自動車重量税の減免が受けられず車検の費用が上がります。
・メーカー保証が切れる
一般的にメーカー保証は「新車登録から3年または走行距離が60,000kmまで」と期間が定められています。メーカー保証の期間中は、消耗品以外の部品交換や修理費用が無償です。しかし、5年目の車検で修理箇所があった場合、保証が切れているため修理費用が自己負担になります。
5年目の車検を受けずに車に乗り続ける方法
5年目の車検費用は高額になることから、5年目の車検を受けずにカーリースを利用して新車に乗り換えるのもおすすめです。5年目の車検の前にカーリース乗り換えると、車検での急な出費に悩むことなく、頭金なしで新車に乗り換えられ、毎月定額の利用料で車に乗り続けられるメリットがあります。
5年目の車検の前にカーリースに乗り換えるメリットとは?
カーリースとは、利用者が選んだ車をリース会社が購入し、利用者が月々決められた使用料金だけで車に乗れるサービスです。毎月支払う使用料金に、メンテナンス費用や車検費用が含まれているリース会社もあり、急な車検の出費を抑えることも可能です。
またリース会社によっては、頭金なしで、毎月定額で利用できるカーリースもあります。車に関わる出費が毎月定額になることから、家計管理がしやすくなるのも魅力です。
カーリースなら定額カルモくんがお得!
頭金なしで車検費用も含めて毎月定額で利用できるカーリースといえば、カーリースの定額カルモくんがあります。メンテナンスプランを利用すれば、車検はもちろん消耗品の交換も毎月支払う使用料金に含まれるため、車検の度にかかる費用やメンテナンス費用などが負担に感じる方には、おすすめのカーリースです。
新車の初回車検は計画的に準備を進めよう
新車購入後の初めての車検は、わからないことが多々あるでしょう。事前に費用の確認、業者選びを進めておくことで、無駄な出費を抑えて車検をスムーズに受けることができます。車検の有効期限が切れる前に、早めの準備をしましょう。定額カルモくんなら、初めての車検でもサポートしてもらえるので、安心して利用することが可能です。
よくある質問
Q1:新車購入後の初回車検はいつですか?
A:自家用乗用車の初回車検は購入から3年目です。ただし、貨物自動車や特殊用途自動車などは2年目です。
Q2:初回車検の検査内容について教えてください。
A:初回車検も、2回目以降の車検と同じ保安基準に適合しているかの検査を行います。検査内容に違いはありません。
Q3:初回車検より2回目以降の車検の費用が高くなるのはなぜですか?
A:2回目の車検費用は新車を購入してから5年が経過しており、車に不具合が出ていることがあります。法定費用と車検の基本料金以外に、修理代がかることがあるためです。
※記事の内容は2021年2月時点の情報で制作しています。