走行性能を上げたり、見た目を良くしたりするために、車の車高を下げるローダウンというカスタマイズが定着しています。しかし、国土交通省の保安基準が示した最低地上高より車高を下げてしまうと、車検に通らないばかりか、公道での走行もできなくなります。そこで、最低地上高の確認方法と高さが足らない場合の対処法を紹介します。
また、車検はそれだけで大きな出費となりますが、車検の前に車高を調整しようとするとさらに負担が大きくなります。そのような大きな出費を避けたい方におすすめの方法もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
この記事のPOINT
- 車検に合格する最低地上高は9cm、ただし条件によって基準が違う
- 車検の際、最低地上高は車体の最も低い箇所から地面までの垂直距離を測る
- 最低地上高を調整して車検を通すよりもお得に乗り換えよう
車検に通る最低地上高は何センチ?
最低地上高とは、車体の最も低い部分から地面までの垂直距離を指しています。この最低地上高の基準は、車が安全に走行するのに重要な装置や部品を、道路の凹凸や段差で損傷しない高さを想定して設定されています。それでは具体的な高さはいくつになるのでしょうか。
車検に通る最低地上高の基準は9cm以上
最低地上高の基準は、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第163条」によって、普通自動車・軽自動車ともに9cm以上と定められています。
ただし、最低地上高が9cmあるからといって、すべての車が保安基準を満たすわけではありません。というのも、車の取り付け部品や車の大きさによって、最低地上高のチェックポイントが変わることがあるからです。
2006年以降製造車は灯火類の高さもチェックされる
2006年1月以降に生産された車の場合、地面から灯火類の装着位置までの高さが基準を満たしていなければ、最低地上高が9cm以上あっても車検に合格しません。
特に、フロントバンパーの下方の低い位置にウィンカーランプやフォグランプが装着されている車種は、車高を低くするときは注意してください。というのも車高を下げた際に、最低地上高は満たしていても、そのウィンカーランプやフォグランプなどの灯火類の位置の高さが保安基準を満していないことがあるからです。
〈2006年以降製造車の保安基準〉
- ウィンカーランプ、ブレーキランプ、テールランプの下縁の高さは地上から35cm以上
- フォグランプ、リフレクターの下縁の高さは地上から25cm以上
最低地上高はどこをどうやって測るの?
最低地上高は9cm以上とはいっても、車のどこをどうやって測るのでしょうか。最低地上高を計測するときの位置や条件については、道路運送車両の保安基準よって厳密に定められています。しっかり確認しましょう。
最低地上高の計測位置
最低地上高は、前輪と後輪の中心軸のあいだで、その車の最も低い部分を計測します。車検では検査員が目視でその位置を確認し、測定ゲージなどを使用して測ります。
計測時の条件
保安基準では、下記のとおりに最低地上高の計測の条件が定められています。
〈最低地上高の計測条件〉
- 人が乗車していない、空車状態であること
- タイヤの空気圧は、規定値であること
- 車高調整装置が装着されている自動車は、標準(中立)の位置で測定すること。ただし、車高を任意の位置に保持できる車高調整装置の場合は、車高が最低となる位置と車高が最高となる位置の中間の位置で測定すること
- 自動車は舗装された平面に置いて、巻き尺などを使って測定すること
- 測定値は、1cm未満は切り捨て、cm単位で出すこと
計測時の条件からわかるように、車を凹凸のある場所に止めたり、タイヤに空気を入れたりして、実際の車高より高く計測することはできません。
エアロパーツやアンダーカバーは基準が異なる点に注意
エアロパーツは最低地上高の保安基準が異なり、一定の条件で最低地上高が5cmあれば車検に合格することができます。ただし、最低地上高が5cm以上になるのは、樹脂製でかつ、ウィンカーやフォグランプなど灯火類が埋め込まれていない場合に限られます。
〈最低地上高5cmの基準が適用される場合〉
1.タイヤと連動して上下するブレーキ・ドラムの下端、緩衝装置のうちのロア・アーム等の下
2.自由度を有するゴム製の部品
3.マッド・ガード、エアダム・スカート、エア・カット・フラップ等であって樹脂製のもの
そのほか、アンダーカバーが装着されている部分も最低地上高が5cm以上あれば車検に合格します。
アンダーカバーとは、車のボディ下に取り付けられている樹脂製のカバーで、エンジンルームに異物が入るのを防ぐとともに、床下面の空気抵抗を軽減し燃費や静寂性を向上させる重要なパーツです。最低地上高に基準があるのは車の重要な部分を守るためなので、アンダーカバーのような保安上優れたパーツが装着されている場合、最低地上高は5㎝あればよいとされているのです。
できる限り最低地上高を低くしたいという方は、基準を満たすエアロパーツやアンダーカバーで調節するといいでしょう。
最低地上高を自身で計測するときのポイント
思った以上に車高が下がってしまったり、灯火類の高さまでは気にせずカスタマイズしてしまったりした方は、車検に出す前に最低地上高をセルフチェックしておきましょう。
ポイント1. 最低地上高の規制対象は「固定されたパーツ」のみ
最低地上高の基準が適用されるのは、自動車のボディを含む構造物、つまり固定されたパーツです。具体的には、マフラーやサスペンションメンバーとボルト、デファレンシャルギア、デフケース、オイルパンなどが対象となります。反対に、タイヤやロア・アーム、リアアクスル、スイングアームなど稼働するパーツは規制の対象にならないため、計測の対象ではありません。
ポイント2. 大きな車は最低地上高の基準が変わる
大きな車は、最低地上高の基準が変わるため注意が必要です。ホイールベースが「300cm以上の場合は最低地上高10cm以上」「350cm以上の場合は最低地上高11cm以上」、タイヤの中心から外側にはみ出たオーバーハングの長さが「73cm以上の場合は最低地上高10cm以上」「82cm以上の場合は最低地上高11cm以上」と高くなります。
セルフチェックを行うときは、自分の車の大きさに応じた最低地上高を調べておく必要があります。
ポイント3. 最も低い位置になりやすい箇所は要チェック
車高を下げた車は、マフラーのタイコの部分が車の最も低い位置になることが多いため、ぜひチェックしておきましょう。また、オイルパン*1やデフケース*2などの膨らんだ形状をしている箇所や、大きなボルトの頭が突出しているサスペンションメンバー*3は注意したい箇所です。
*1オイルパン:オイルパンとは、エンジンオイルを溜めておく部品で、エンジンの下部に装着されています。
*2デフケース:車がカーブを曲がると、内側と外側の車輪に回転数(速度)の差が生じます。この左右で回転数が異なる駆動輪に、エンジンからの出力を適切に左右に伝えるデファレンシャルギア(デフ)を、覆った部品のことをデスケースと呼びます。デフケースは左右の駆動輪の間にあります。車種によっては、このデフケースが最も低い位置になる場合があります。
*3サスペンションメンバー:スペンションメンバーは足回り部品とボディを繋ぐ部品です。ボディの下の前後に装着されています
最低地上高が保安基準に満たない場合の対処法
もし、車高が下がり過ぎてしまい、最低地上高が保安基準に満たない場合はどうすればいいのでしょうか。この場合は、保安基準を満たせるように調整や部品の交換をして車高を上げることで対処できます。また、車検をやめてお得に車を乗り換えるという方法もあるのでご紹介します。
車高を調節する
車高を下げている部品の調整や交換をして、最低地上高が保安基準を満たすように車高を上げましょう。保安基準を満たさなければ公道を走ることも、車検に合格することもできません。
サスペンションを交換して車高を上げる場合は、カー用品店や整備工場に依頼するのが一般的です。交換費用は車種やパーツの値段により変わりますが、多くの場合20,000~60,000円ほどかかります。車高調(車高調整式サスペンション)のような調整可能なパーツで車高を下げている場合は、調整のみで済むこともあります。
ただし、車高を変化させる場合、ホイールバランスの調整やアライメントの調整も必要です。これらの調整費用とサスペンションそのものの費用も含めると、10~20万円ほどかかるケースもあります。
車を乗り換える
車検で保安基準を満たすために、車高を上げる整備費用を含めた車検代が予想以上に高額になってしまったという方もいるでしょう。車検の費用や手間を考えると買い替えてしまったほうがいい場合もありますが、車の買替えにもまとまった費用が必要になります。そこでおすすめなのが今話題になっている車のサブスクです。
車のサブスクは、毎月定額の料金のみで気軽に車を利用できることから、近年利用者が増えています。車の乗換えに頭金や初期費用が必要なく、車検を受けるよりも少ない負担で新車への乗換えが叶うので、無理をして車検に通したり、新車を購入したりするよりも断然おすすめです。
車検をやめて乗り換えるなら車の新しい乗り方がおすすめ!
車のサブスクという新しい乗り方なら、初期費用0円、最安10,000円台からの月額料金のみで新車に乗り始められるため、車検にかかるはずだった大きな出費を節約できます。その中でも特におすすめなのが「おトクにマイカー 定額カルモくん」です。車の乗換えに定額カルモくんをおすすめする理由を解説しましょう。
ローンでも手が届かなかった憧れの車に月額料金で乗れる
定額カルモくんでは、国産メーカーの全車種・全グレードから好きな車を選べます。ボディカラーやオプションも自由に変更できるので、あなたの乗りたい車がきっと見つかるでしょう。
さらに、定額カルモくんの料金は業界最安水準なので、購入ではあきらめてしまっていた車にもお得に乗ることができます。取扱車種一覧に乗っていない特別仕様車も選べる場合があるので、気軽に相談してみましょう。
憧れの車に月々いくらで乗れるか確認したい方は、全車種と料金の一覧を見ることができます。さらに、気になる車種のオプションなど自分好みのプランをシミュレーションできるので、ぜひチェックしてみてください。
定額カルモくんなら、車をもらえるからカスタマイズを自由に楽しめる
定額カルモくんで7年以上の契約を選ぶと、契約満了時に車がもらえるプランに加入できます。車を返却しなくていいので、一般的な車のサブスクのようなカスタマイズ制限がありません。車高を低くするなどオリジナルのカスタマイズも思う存分楽しめます。
ただし、公道を走る以上は国の定める保安基準に適合していなければなりません。カスタマイズは車検に通る範囲で楽しみましょう。
〈ほかにもある定額カルモくんの魅力〉
- 車検費用も定額にできるから車検の度に大きな出費を心配しなくていい
- 最短3週間で新車が納車される「即納新車」や、最短3週間で高年式中古車が納車される「マッハ納車」のサービスがあるから、車検切れ前の乗換えにも間に合う
- 買取業者の紹介があり、車検に通りそうにない車も買い取ってもらえるから乗換えがスムーズ
- 面倒な手続きもオンラインで完結
- 不明点はいつでもマイカーコンシェルジュに無料で相談できる
最低地上高などの保安基準はカスタム前にチェックしておこう
車高を下げすぎると、車検に通る範囲に戻すために多額の費用がかかることがあります。車のカスタマイズを行う際は、保安基準に詳しい業者に相談しながら進めましょう。
もしも今の車で車検を受けずに乗り換えるなら、「定額カルモくん」を利用してお得に乗り換えるのがおすすめです。定額カルモくんは顧客満足度が98.9%*と非常に高く、「車検切れに間に合った」「手続きが簡潔だった」「丁寧な対応だった」「月々安く新車に乗れてうれしい」などの口コミも多数あります。
よくある質問
Q1:車検に合格する最低地上高の基準は?
A:最低地上高の保安基準は原則9cmですが、車の大きさやエアロパーツの材質によって異なります。また、灯火類の位置の高さにも注意が必要です。なお、最低地上高とは、車体の最も低い部分から地面までの垂直距離を指します。前輪と後輪の中心軸のあいだで、その車の最も低い部分が計測されます。
Q2:車検前に最低地上高を自分で計測する際のポイントは?
A:最低地上高の規制対象は固定されたパーツのみです。車高を下げた車はマフラーのタイコの部分が車の最も低い位置になることが多いため、ぜひチェックしておきましょう。また、大きな車は最低地上高の基準が変わるため注意が必要です。
Q3:車検に通すよりもお得に新車に乗り換える方法は?
A:乗換えにまとまった費用がいらない、車のサブスクという乗り方があります。中でも定額カルモくんは選べる車種が豊富で、7年以上の契約にオプションをつけるとカスタマイズも自由にできるのでおすすめです。定額カルモくんの月額料金は業界最安水準なので、購入では手の届かなかった車にも乗り換えられます。
※この記事は2021年11月時点の情報で制作しています