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タフギアとして人気を誇った日産エクストレイルは3代目にしてクロスオーバーSUVに変身を遂げた。3列シート仕様や、追加されたハイブリッド、そして高速道路での自動運転をサポートする「プロパイロット」など見所の多いエクストレイルを徹底レビューしよう。
タフギアからクロスオーバーSUVに
2017年12月に登場したマツダCX-8のヒットによって俄然注目が高まったのが3列シートをもつSUV。CX-8が登場する以前からミドルクラスSUVでは日産エクストレイルや三菱アウトランダーのガソリン車に7人乗りのモデルが設定されていましたが、ここにきてポストミニバンの最右翼と言える存在になってきました。今回はそんな3列シートSUVのなかで2017年の新車販売台数でベスト20にランクインするほどの人気モデル、日産エクストレイルを紹介しましょう。
3代目となる現行型エクストレイルは、2013年12月に発表されました。初代と2代目モデルはタフギアという呼び名に相応しい直線基調の武骨な外観デザインでした。しかし3代目は兄弟車デュアリスとモデルが統合されたこともあり、オンロード仕様のクロスオーバーSUVへと大きく舵を切りました。外観デザインはシャープなラインとボディの面構成で新しいSUVとしての存在感を表現。そしてグリルからエンジンフードには日産のアイコンであるVモーションシェイプを採用しました。個性的なブーメラン型のLEDヘッドランプシグネチャーとリアランプシグネチャーによって遠くから見ても一目でエクストレイルとわかる存在感を演出しています。
タフギア風味は残しつつエレガントになったインテリア
羽ばたく鳥をモチーフとした、インストルメントパネルからドアトリムにつながる伸びやかな水平基調のラインが印象的なインテリアは、快適に移動できる広々とした室内空間を表現しています。
ハイブリッド車は5人乗りだけですが、ガソリン車には7人乗りも用意されています。5人乗りのリアシートのニースペースはクラストップクラスの広さが自慢です。一方、7人乗り3列シート仕様のセカンドシートはスライド&リクライニング機能や4:2:4の分割可倒式を採用し、乗車人数、積載する荷物の量によって多彩なシートアレンジが可能。シートフロアは、汚れたり、濡れたりしても簡単にきれいにできる防水仕様となっているのは「タフギア」エクストレイルの伝統を引き継いでいます。
そして最大550L(ハイブリッド車は400L)というクラストップレベルのラゲージスペースも防水仕様。バックドアにはインテリジェントキーをポケットに入れておけば、手や物をセンサーの検知範囲にかざすだけで開くハンズフリー機能も採用しています。
追加されたハイブリッドは好燃費が自慢
エクストレイルは当初、2L直列4気筒ガソリンエンジンだけでしたが、2015年4月にハイブリッドを追加。日産独自のハイブリッドシステム「インテリジェントデュアルクラッチコントロール」は、駆動と発電を一つのモーターで行う高効率なハイブリッドシステムです。2つのクラッチを搭載し、その一つでモーターとエンジンを完全に切り離すことで、高速域でのモーター走行や高効率のエネルギー回生を可能としました。その結果、JC08モード燃費は20.6km/Lを実現しました(2017年6月のマイナーチェンジで20.8km/Lに向上)。
本格的な4WD、先進の電子制御技術が満載
ガソリン車、ハイブリッド車ともに組み合わされているトランスミッションはCVTで、駆動方式はFFと4WDが用意されています。エクストレイルの4WDシステムは、「オールモード4×4i」と呼ぶ本格的な電子制御4WDです。走行状況に応じて、前後のトルク配分を100:0から約50:50に素早く切り替え、どんな路面状況でも高い走行安定性を誇ります。また、エンジンとブレーキを制御し、凹凸のある路面などでの乗り心地と安定感を向上させる「アクティブライドコントロール」や、コーナーやブレーキ時にエンジンブレーキを利用することで、ドライバーの操作負荷を減らしてくれる「アクティブエンジンブレーキ」、そしてドライバーのハンドル操作やブレーキ操作に基づき4輪それぞれのブレーキを制御することで、安心感の高いコーナリングを実現する「コーナリングスタビリティアシスト」など先進の電子制御技術を全車に搭載しています。
先進の「プロパイロット」で安全性能をさらに向上
安全装備では登場当初から、衝突を回避するエマージェンシーブレーキや車線逸脱警報などを装備し、高い安全性を誇っていました。そして2017年6月のマイナーチェンジ時に、高速道路走行時におけるアクセル、ブレーキ、ハンドル操作のすべてを自動的に制御し、ドライバーをサポートする高速道路 同一車線自動運転技術「プロパイロット」を採用。同時にハイブリッド車に空力を向上させるアイテムやアクセルオフ時の回生量を増加させる制御を採用することで、2WD車は20.8km/Lまで燃費を向上させています。
エクストレイルの場合、3列シート車はガソリン車しか選ぶことはできませんが、5人乗りの2列シート車のガソリン車とハイブリッド車の同じグレードでの価格差は約30万円です。ガソリン車でも燃費性能は良好なので、この価格差をオプション設定となっているプロパイロットに回したほうが購入後の満足度は高くなるのは確実でしょう。
■日産エクストレイル価格表(2018年8月現在)
グレード | 駆動方式 | JC08モード燃費(km/L) | 車両本体価格 |
---|---|---|---|
20 S | FF | 16.4 | 219万7800円 |
20 X | 254万8800円 | ||
20 X(3列シート) | 262万1160円 | ||
20 Xi | 280万3680円 | ||
20 Sハイブリッド | 20.8 | 258万9840円 | |
20 Xハイブリッド | 289万2240円 | ||
20 Xi ハイブリッド | 307万1520円 | ||
20 S | 4WD | 16 | 240万4080円 |
20 X | 15.6 | 275万5080円 | |
20 X(3列シート) | 282万7440円 | ||
20 Xi | 300万9960円 | ||
20 Sハイブリッド | 20 | 279万6120円 | |
20 Xハイブリッド | 309万8520円 | ||
20 Xi ハイブリッド | 327万7800円 |
※記事の内容は2018年8月時点の情報で執筆しています。