どんなに安全運転を心掛けていても、万が一の事故の危険性を完全に排除することはできません。そのため、車の安全性能は車選び際にこだわりたいポイントのひとつといえます。近年の新型車は衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載する車種がほとんどですが、充実度には車種によって大きな差があるため、必ず事前にチェックするようにしましょう。
ここでは、スズキ「エスクード」の安全性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- 「スズキ セーフティ サポート」を標準装備
- 6つのエアバッグを搭載
- 「サポカーSベーシック+」の認定を受けている
エスクードの安全性能の特徴
スズキでは、操作のしやすさに配慮して設置されたスイッチ類、視認性の高いメーターやディスプレイ、運転席からの良好な視界を確保するための大きな窓やピラー・ドアミラーの配置の最適化など、基本安全にこだわった車づくりをしています。
エスクードにはさらに、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を標準装備。2015年10月の現行型の販売開始時から先進安全技術は採用されていましたが、2018年12月の一部仕様変更によってさらに内容を充実させました。
2022年4月のマイナーチェンジ時には、さらに標識認識機能を搭載し、安全性能をアップデートしています。
エスクードに搭載される「スズキ セーフティ サポート」に含まれる先進安全技術
ここからは、エスクードにはどのような先進安全技術が採用されているのかを見ていきましょう。
デュアルセンサーブレーキサポート
危険を予測して音と表示で注意喚起
センサーが車両前方の歩行者や車を検知し、ぶつかる危険があると判断した場合は音や表示でドライバーに危険を知らせます。
衝突のおそれが高まると自動でブレーキを作動
警告を発した状態でブレーキを踏むと、システムがブレーキ踏力をアシストして制動力をアップ。それでも衝突が避けられない場合には、強いブレーキを作動させて衝突の回避や被害軽減に貢献します。
車両に対しては約5~100km/h未満、歩行者に対しては約5~60km/h未満で作動し、検知対象は前方車両と歩行者です。
誤発進抑制機能
前方約4m以内に壁などの障害物を検知している状態でアクセルペダルを強く踏み込みすぎた場合、エンジン出力を自動制御することで急発進や急加速を抑制し、ペダル踏み間違い時の衝突事故の回避や被害軽減をサポートする機能です。
約10km/h以下で作動します。
車線逸脱警報機能/車線逸脱抑制機能
車線逸脱警報機能
走行中にシステムが車線を検知して車両の進路を予測します。実際の車両の挙動が予測値と異なり、車線からはみ出す危険があるとシステムが判断すると、音などによってドライバーに車線逸脱の危険があることを知らせます。
車線逸脱抑制機能
車線から車がはみ出す危険が大きいとシステムが判断した場合には、車線中央方向へ一時的にステアリング操作を支援し、ドライバーの車線逸脱回避操作をサポートします。
ふらつき警報機能
車線逸脱警報と同じしくみを利用し、車線検知中に車が蛇行するなど、システムの予測値と異なる挙動を検知した場合には「ふらつき」と判断してドライバーに注意喚起します。
ふらつき警報機能ではステアリング操作の支援は入らず、警報のみです。
アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)
システムが先行車との距離を認識し、設定した車速内で先行車との適切な車間距離を維持しながら自動的に加減速を行って追従走行することでドライバーの運転負荷を軽減する機能です。
エスクードのアダプティブクルーズコントロールは全車速追従機能付きのため、渋滞時にも対応しており、先行車が停止すると自車も停止し、再発進後は追従走行を再開します。
ブラインドスポットモニター(車線変更サポート付き)
走行中にドライバーから見えにくい隣車線後方から接近する車両を検知して、接近車両がいる側のドアミラーインジケーターを点灯させてドライバーに接近車両の存在を知らせます。
その状態で接近車両のいるほうへウィンカーを作動させると、インジケーターを点滅させてドライバーに注意喚起し、安全な車線変更をサポートしてくれる機能です。
リヤクロストラフィックアラート
駐車場での後退時に、後方左右から接近する車両を検知してドライバーに音と表示で知らせ、後退時の安全確認をサポートします。
先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどでブレーキペダルを踏んで停止している際に、約5m以上先行車が離れても自車が発進しない場合には、音やディスプレイの表示によってドライバーに先行車の発進を知らせ、出遅れを防ぐ機能です。
標識認識機能
走行中に単眼カメラが道路標識を認識し、標識の種類に応じたタイミングでメーターに表示することで、標識の見逃しを防止して安全運転に貢献する機能です。
最高速度とはみ出し通行禁止、車両進入禁止、補助標識「終わり」の認識が可能です。
6つのエアバッグ
現行型のエスクードには運転席・助手席のエアバッグのほか、前席の乗員の胸部への衝撃を軽減するフロントシートサイドエアバッグ、側面衝突時の衝撃から乗員を保護するカーテンエアバッグの6つのエアバッグを標準装備しており、衝突安全性にも配慮されています。
エスクードは「サポカーSベーシック+」の認定を受けている
経済産業省や国土交通省は、先進安全技術を搭載した車に「セーフティ・サポートカー」、通称「サポカー」という名をつけ、普及啓発を図っています。「サポカー」は先進安全技術の充実度によって4つに分類されており、最も上位の「サポカーSワイド」の認定が誰でも安心して運転できる安全性を備えた車のひとつの基準であるといえるでしょう。
「サポカーSワイド」の認定には歩行者検知機能のある衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトの搭載が必要です。エスクードはこのうち先進ライトを採用していないため、「サポカーSワイド」よりワンランク下の「サポカーSベーシック+」の認定にとどまっています。
全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロールなども備え、充実した先進安全技術を搭載しているだけに、先進ライトの標準装備が待たれます。
よくある質問
Q1:エスクードには先進安全技術は全車に標準装備されているの?
A:はい、エスクードにはスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されています。
Q2:エスクードに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:エスクードには、車両と歩行者を検知する「デュアルセンサーブレーキサポート」や、ペダル踏み間違い時の飛び出し防止をサポートする「誤発進抑制機能」、車線からのはみ出しを抑制する「車線逸脱抑制機能」、ふらつきを検知して注意喚起する「ふらつき警報機能」や隣車線後方からの接近車両を検知して安全な車線変更をサポートする「ブラインドスポットモニター」などが搭載されています。
Q3:エスクードはどの「サポカー」に該当するの?
A:「サポカー」の中で最も上位の分類である「サポカーSワイド」の認定には、歩行者検知機能のある衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトの搭載が必要です。エスクードには先進ライトがないため、「サポカーSワイド」よりワンランク下の「サポカーSベーシック+」の認定になります。
※この記事は2022年10月時点の情報で制作しています