ファミリーで車を使う機会が多い人は、快適に過ごすために広い車を選びたくなるはず。しかも天井が高くて開放感のあるモデルなら快適度は一層高まります。ではみんなが快適に過ごせるスペースを持った車にはどんなものがあるのか。二つの軸で国産乗用車全モデルの室内空間を比較。広さにこだわりたい人が選ぶべきモデルを探しました。
まずは、室内長×室内幅×室内高=「容積(見かけ上)」で比較!
国産乗用車の場合、カタログやWEBサイトのスペック表(主要諸元)を見ると“室内長”“室内幅”“室内高”が表記されています。車の中は、例えば運転席まわりだとステアリングやシフトノブがあるし、車種によっては窓下のベルトラインより上が傾斜していたりするので、同じような形に見えても体感的な広さはかなり異なります。
また、車の形はきれいな立方体ではありませんが、今回はまず一つの軸として主要諸元に表記される“室内長”“室内幅”“室内高”をそれぞれかけた“見かけ上の容積”を比較してみました。
同じモデルでも2列シートと3列シートが存在するものがありますが、その場合、今回は3列シートの室内長をもとに容積を算出しました。
室内が広い車は乗員がゆったり移動できるのはもちろん、シートを格納すればたくさんの荷物を積むこともできます。一台でさまざまな使い方ができる便利なモデルと言えるでしょう。
長さも幅も高さも!容積の大きな車ランキングTOP10
1位「トヨタハイエースワゴン」圧倒的な広さを誇るトランスポーター
●288.6〜399.4万円 ●全長5380mm、全幅1880 mm、全高2105mm(ワゴン/スーパーロング)
●室内長3525mm×室内幅1695mm×室内高1565mm=みかけの容積:約9.35㎥
ワゴンのほか、荷物を積むことに徹したバン、マイクロバスのコミューターと、さまざまなタイプが用意されるハイエース。ワゴンにはロングとスーパーロングが存在しますが、今回はハイルーフ仕様のスーパーロングを参考にしました。
ハイエースワゴンは4列シートの10人乗りで、シート配置も複数用意。使い方に合わせて選べるモデルです。スーパーロングは4列目席の後ろにさらに広大なラゲッジスペースが用意されています。
ワゴンは助手席側のみスライドドアが設定されますが、開口部が広いので乗り降りに不便を感じることはないでしょう。乗車人数、そして圧倒的な室内空間にこだわるなら迷わずこのモデル。
なお、ハイエースのライバルとなる日産のNV350キャラバンはカタログに室内寸法が書かれていなかったので今回は対象から外しています。
2位「トヨタグランエース」アルファードより大きなラグジュアリーミニバン
●620.0〜650.0万円 ●全長5300mm、全幅1970 mm、全高1990mm
●室内長3365mm×室内幅1735mm×室内高1290mm=みかけの容積:約7.53㎥
新興国向けのハイエースをベースに乗員が快適に過ごせる大きなシートを搭載したビッグコミューター。グレードは6人乗りのプレミアムと4列シート/8人乗りのGが用意されます。今回はGの室内サイズを掲載しています。
同じ高級ミニバンのアルファードより大きなサイズは日本だとかなり大きく感じますが、送迎の機会が多かったり、複数のファミリーでワイワイ出掛けたいと考える人には一般的なミニバン以上に使い勝手のいいモデルになるはずです。
サイズに見合う高級感を楽しみたいならトップグレードのプレミアムを。2列目と3列目がロングスライド機構を備えたエグゼクティブパワーシートになります。文字通りファーストクラス並の優雅な雰囲気を味わえますよ。
3位「トヨタアルファード/ヴェルファイア」広くて豪華なミニバンの代名詞
●386.4〜759.9万円 ●全長4950mm、全幅1850mm、全高1950mm
●室内長3210mm×室内幅1590mm×室内高1400mm=みかけの容積:約7.15㎥
多くの人が憧れる、日本のミニバン界の頂点に君臨するアルファード/ヴェルファイア。ハイエースやグランエースなど商用車というか送迎車系の2台を除けば、やはり広さの点でも頂点に君臨します。室内の長さはもちろん、幅もあるので、大人数で乗ってもゆったり座れるし、シートのスライド量が大きいから乗車人数に合わせて快適空間を作りやすくなっています。
ボディサイドはガラスが切り立った箱形形状。しかもスライドドアのガラスエリアが広いので、2列目席に3人で座ったとしても両端の人が圧迫感を覚えることはないでしょう。シートをフルフラットにして車内でくつろぐ時も広いのでゆったりした気分で過ごせます。
上級グレードには見た目からして高級な本革シートや木目調の加飾でゴージャスな雰囲気。シートアレンジも豊富で荷室の高さもあるので、荷物をたくさん積みたい人にもぴったりです。キャンプ道具をたくさん積んで快適な基地を作りたい人は、大型のSUVではなくアルファードを選ぶ人が多くなっています。
4位「日産セレナ」使い勝手をとことん考えた5ナンバーミドルクラスミニバン
●257.62〜371.69万円 ●全長4685mm、全幅1695mm、全高1865mm
●室内長3240mm×室内幅1545mm×室内高1400mm=みかけの容積:約7.01㎥
室内の広さはもちろん、サイズ感や維持費、そして価格などさまざまな面を考えると、もっとも便利に使えるのが5ナンバーミドルクラスミニバンでしょう。日産セレナは2018年4月〜2019年3月、そして2019年4月〜2020年3月の2年連続でミニバン販売台数No.1になったモデルです。
セレナはミドルクラスミニバンの中でも後部座席の使いやすさと居住性にこだわったモデル。室内長はクラストップで、くつろぐときはもちろん、長い荷物を積みたい時も便利。
スライドドアの大きなガラス面が大きく、3列目も広々。2列目席のシートベルトはピラーではなく座席の肩口についていて、さらに左右にスライドする機能もついているので、2列目に人が座った状態で3列目への乗降が可能となっています。
エンジンが発電に徹してモーターの力で走行するe-POWER車は2列目が2人がけの7人乗り、ガソリン車は2列目が3人がけの8人乗りに。ガソリン車の2列目中央席は1列目〜2列目間をスライドするスマートマルチセンターシートに。これを折りたたむとアームレストのように使えたり、前後のウォークスルーが楽になったりするとても便利な機能です。
高級感を高めたハイウェイスターのほか、スポーティなオーテック仕様が用意されるなど、選択肢の幅が広いのも魅力!
5位「ホンダステップワゴン」使い勝手をとことん考えた5ナンバーミドルクラスミニバン
●271.48〜409.42万円 ●全長4690mm、全幅1695mm、全高1840mm
●室内長3220mm×室内幅1500mm×室内高1425mm=みかけの容積:約6.88㎥
2Lクラスのミドルクラスミニバンやアルファードサイズのミニバンの場合、3列目席を格納するときは折り畳んだシートを左右に跳ね上げる構造が一般的。しかしホンダは独自の低床レイアウトにより3列目席を跳ね上げではなく床下にしまう構造を実現しています。これにより荷物を積むときに跳ね上げたシートが邪魔にならないのが特徴。
居住空間も広く、室内長はクラストップのセレナよりわずか2cm短いだけ。全高が低いにもかかわらず室内高はセレナより高くなっています。このあたり低床ミニバンの元祖の面目躍如!
乗車人数は基本的に2-2-3の7人乗りで、高級感を高めたスパーダではオプションで2列目席を3人がけにすることも可能。
バックドアは上に跳ね上げるだけでなく自宅の玄関のように半分を横開きにすることもできるわくわくゲートを採用。荷物の出し入れが楽なだけでなく、バックドアから3列目に乗り込むこともできるなど、広さを活かした便利機能がもりだくさん!
6位「トヨタヴォクシー/ノア/エスクァイア」スクエアボディで左右がゆったり
●281.38〜313.83万円 ●全長4710mm、全幅1735mm、全高1825mm(ヴォクシー)
●室内長2930mm×室内幅1540m×室内高1400mm=みかけの容積:約6.32㎥
トヨタの2Lミドルクラスミニバンであるヴォクシー/ノア/エスクァイア。2014年に発売された3代目のデザインテーマは「EMOTIONAL BOX」。外から見ても室内の広さがわかる箱感を強調しています。
室内空間は室内幅がセレナやステップワゴンより広くなっているのが特徴。数値的にはわずかですが、実際に座った時の余裕はなかなかのもの。また、2列目席に810mmのロングスライド機構を持たせたことで、3列目まで使わないときにVIP感覚で寛げるようになっています。
セレナと同じように2列目席に左右スライド機能が備わるとともに、シートベルトをシート形に設置したことで、2列目に人が座った状態でも3列目へのアクセスが容易に。
広さを表す“みかけの容積”はセレナやステップワゴンより小さいですが、ゆったり感を味わいたい人にはもっともしっくりくるモデルと言えるでしょう。
7位「日産エルグランド」全高は低いけれど中身は十分広い!
●369.49〜789.03万円 ●全長4970mm、全幅1850mm、全高1815mm
●室内長3025mm×室内幅1580m×室内高1300mm=みかけの容積:約6.21㎥
アルファード/ヴェルファイアのライバルモデルであるエルグランド。3代目となる現行型は2010年にビューしたロングセラーモデルとなっています。
現行型エルグランドは、低床パッケージを採用することで先代と同等の居住空間を確保しながらも全高を下げたスタイルに。これによりビッグサイズのミニバンでありながらコーナリングを始め、スポーティな走りを楽しめるようにしています。ただ、全高を下げたことで室内高は少し低めに。そのためランキングは7位となりました。
ユーザーからは大きさに見合う迫力が欲しいという声以外にも、大きくして積載性を高めて欲しいという声もあったため、2014年のマイナーチェンジでラゲッジ部分を深く掘ってゴルフバッグを立てて積めるようにしました。
7人乗りの2列目席には背もたれの中折れ機能を搭載。背もたれを倒し気味にした時も少し体を起こして座れるので、とても快適に移動できます。上級グレードは2列目のキャプテンシートや助手席にオットマンがつくなど、心理的なゆとりはさすがです。
8位「ホンダオデッセイ」スポーティなミニバン。でも室内は広々!
●349.5〜458.0万円 ●全長4855mm、全幅1820mm、全高1695mm
●室内長2920mm×室内幅1560m×室内高1325mm=みかけの容積:約6.04㎥
現行型オデッセイは、かつて販売されていたヒンジ式ドアのオデッセイとスライドドアのエリシオンを統合したモデルで、トヨタと日産のLサイズミニバンより一回り小さくなっています。
ひとまわり小さいと言ってもシートは十分に広く、ゆったり座れるのが特徴。また、ステップワゴンと同様に3列目を床下格納式にしたことで、限られた居住空間を最大限広く使えるようにしています。もちろん3列目にもリクライニング機構がついているので、リラックスして座れます。
3列目を畳んで2列目席を思い切り後ろに下げられたり、手をかざすだけでスライドドアの開閉ができるようにするなど、後席の快適性はプレミアムモデルにふさわしいものとなっています。
9位「三菱デリカD:5」SUVなミニバン。でも室内は広々!
●391.38〜437.14万円 ●全長4800mm、全幅1795mm、全高1875mm
●室内長2980mm×室内幅1505m×室内高1310mm=みかけの容積:約5.88㎥
クロカン四駆並のオフロード性能が与えられたミニバンという唯一無二の存在であるデリカシリーズ。現行型のD:5は室内の快適性にもとことんこだわったモデルです。
ボディはほ乳類の肋骨のようにボディフレームの結合部の断面を確保することによって生まれた環状型の“リブボーンフレーム”という構造を採用。そのため、ボディ全体を囲む骨組み部分は室内に張り出していますが、上手にそれをかわす形でシートが設置されているので狭さは感じません。
ベースグレードのM以外は2列目が3人がけのベンチシートになる8人乗りのほか、2人がけのキャプテンシートが備わる7人乗りが用意されます。ゆったり乗りたい人には7人乗りがおすすめ。アウトドアにいって凸凹した道を走る時のホールド性も高くなります。
スライドドアや3列目部分のガラスが大きく、フロントガラスもインパネ上部が低めなので見晴らしがいいのが特徴。サイズ以上の開放感を味わうことができますよ。
10位「ホンダフリード」コンパクトでも室内は広い!
●199.76〜327.8万円 ●全長4265mm、全幅1695mm、全高1710mm
●室内長3045mm×室内幅1455m×室内高1285mm=みかけの容積:約5.70㎥
フリードはホンダのコンパクトミニバン。全幅は5ナンバーサイズだし、全長も全高も決して大きくありません。なのに容積ランキングで10位にランクインするのには秘密があります。
ホンダには昔からマン・マキシマム/メカ・ミニマム(M・M思想)というものがあり、可能な限りエンジンルームなどを小さくしてボディが小さくても居住スペースを広く取ってきました。フリードにもその思想がしっかり生きているのです。
また、ホンダのスモールミニバンは前後タイヤの距離(ホイールベース)を長くして居住スペースを広げるのが伝統。そのため、昔から車中泊愛好家に選ばれてきているのです。
フリードの2列目キャプテンシート仕様は2列目にロングスライド機構が備わっているので、大柄の人が足を組んでゆったり座ることも可能。さらに全高が低くてもフロアも低くなっているので乗り降りも楽にできます。
国産車容積ランキング(20位まで)
順位 | メーカー名 | 車種 | 室内長 mm | 室内幅 mm | 室内高 mm | 乗車人数 | 容積(m3) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | トヨタ | ハイエースワゴン スーパーロング | 3525 | 1695 | 1565 | 10 | 9.350679375 |
2 | トヨタ | グランエース | 3365 | 1735 | 1290 | 8 | 7.53137475 |
3 | トヨタ | アルファード | 3210 | 1590 | 1400 | 7 | 7.14546 |
4 | 日産 | セレナ | 3240 | 1545 | 1400 | 7 | 7.00812 |
5 | ホンダ | ステップワゴン | 3220 | 1500 | 1425 | 7 | 6.88275 |
6 | トヨタ | ヴォクシー | 2930 | 1540 | 1400 | 7 | 6.31708 |
7 | 日産 | エルグランド | 3025 | 1580 | 1300 | 7 | 6.21335 |
8 | ホンダ | オデッセイ | 2920 | 1560 | 1325 | 7 | 6.03564 |
9 | 三菱 | デリカD5 | 2980 | 1505 | 1310 | 7 | 5.875219 |
10 | ホンダ | フリード | 3045 | 1455 | 1285 | 6 | 5.693160375 |
11 | レクサス | LX | 2760 | 1650 | 1170 | 8 | 5.32818 |
12 | トヨタ | ランドクルーザー | 2690 | 1640 | 1200 | 8 | 5.29392 |
13 | マツダ | CX-8 | 2690 | 1540 | 1250 | 6 | 5.17825 |
14 | レクサス | RX450hL | 2630 | 1590 | 1200 | 7 | 5.01804 |
15 | トヨタ | プリウスα | 2690 | 1520 | 1220 | 7 | 4.988336 |
16 | 日産 | エクストレイル | 2555 | 1535 | 1270 | 7 | 4.98084475 |
17 | スズキ | ソリオ | 2500 | 1420 | 1365 | 5 | 4.84575 |
18 | トヨタ | シエンタ | 2535 | 1470 | 1280 | 7 | 4.769856 |
19 | ホンダ | CR-V | 2520 | 1520 | 1230 | 7 | 4.711392 |
20 | トヨタ | ルーミー | 2180 | 1480 | 1355 | 5 | 4.371772 |
室内の床面積で比べてみたら容積とほぼ同じ結果に
ここまで、車の広さを室内長×室内幅×室内高という室内容積(張り出しなどは無視しています)で比較してきましたが、実は編集部からもうひとつリクエストがありました。
「床面積でも比較してみてよ。容積だとミニバンが有利だけれど、床面積だと結果が違ってくると思うから」
こう言われた時、「いや、ほとんど変わらないよ……」という直感が働きました。でも強いものには逆らえないので、室内長×室内幅で計算した床面積ランキングを紹介します(こちらも張り出し等は一切無視しています)。
国産車床面積ランキング
順位 | メーカー名 | 車種 | 室内長 mm | 室内幅 mm | 室内高 mm | 乗車人数 | 床面積(m2) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | トヨタ | ハイエースワゴン スーパーロング | 3525 | 1695 | 1565 | 10 | 5.974875 |
2 | トヨタ | グランエース | 3365 | 1735 | 1290 | 8 | 5.838275 |
3 | トヨタ | アルファード | 3210 | 1590 | 1400 | 7 | 5.1039 |
4 | 日産 | セレナ | 3240 | 1545 | 1400 | 7 | 5.0058 |
5 | ホンダ | ステップワゴン | 3220 | 1500 | 1425 | 7 | 4.83 |
6 | 日産 | エルグランド | 3025 | 1580 | 1300 | 7 | 4.7795 |
7 | ホンダ | オデッセイ | 2920 | 1560 | 1325 | 7 | 4.5552 |
8 | レクサス | LX | 2760 | 1650 | 1170 | 8 | 4.554 |
9 | トヨタ | ヴォクシー | 2930 | 1540 | 1400 | 7 | 4.5122 |
10 | 三菱 | デリカD5 | 2980 | 1505 | 1310 | 7 | 4.4849 |
上の表は編集部からのリクエストである『床面積ベスト10』になります。私の想像通り、ベスト5は容積と同じラインナップ。6位以下はフリードの代わりに容積ランキングで11位だった大型SUVのレクサスLXが入り、並びが少し変わった程度です。
なぜこの結果が予想できたかというと、ハイト系のミニバンはモデルにより室内高に大きな差があるわけではないので、結局その数値を抜いても変化はほとんどないだろうと考えたのです。
一人当たりのスペースで比較してみると
「ほら言わんこっちゃない。担当さーん、この結果使えないですよ」
そんな連絡を入れようとしたとき、こんな考えが頭をよぎりました。
「今は室内全体の広さを比べてみたけれど、一人当たりのスペースを比較してみたら結果が変わってくるんじゃない?」
というわけで、まずは一人当たりの容積を比べてみました。
一人当たり容積だと軽自動車スーパーハイトワゴンが大躍進!
国産車一人当たりの容積ランキング
順位 | メーカー名 | 車種 | 室内長 mm | 室内幅 mm | 室内高 mm | 乗車人数 | 一人当たり容積(m3) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ダイハツ | ウェイク | 2215 | 1345 | 1455 | 4 | 1.083674906 |
2 | スズキ | エブリイワゴン ハイルーフ | 2240 | 1355 | 1420 | 4 | 1.077496 |
3 | ホンダ | N-BOX | 2240 | 1350 | 1400 | 4 | 1.0584 |
4 | スズキ | ワゴンR | 2450 | 1355 | 1265 | 4 | 1.049870938 |
5 | 日産 | ルークス | 2200 | 1335 | 1400 | 4 | 1.02795 |
6 | 三菱 | eKスペース | 2200 | 1335 | 1400 | 4 | 1.02795 |
7 | スズキ | スペーシア | 2155 | 1345 | 1410 | 4 | 1.021712438 |
8 | トヨタ | アルファード | 3210 | 1590 | 1400 | 7 | 1.02078 |
9 | ダイハツ | タント | 2180 | 1350 | 1370 | 4 | 1.0079775 |
10 | 日産 | セレナ | 3240 | 1545 | 1400 | 7 | 1.00116 |
車は前席と後席、2列目席と3列目席では座るスペースに差が出ます。上の表は室内の広さを乗車人数(3列シートタイプで乗車人数が複数設定されているものは少ない人数で算出しています)で割ったもの。そのため必ずしも座った席の広さと一致しないことはご了承ください。
単純な室内の広さではベスト10がすべてミニバンでしたが、一人当たりのスペースで計算すると今度は軽自動車が圧倒的に多くなります。理由としてはまず現代の軽自動車がパッケージングを研究し尽くし、限られたスペースの中で最大限の居住空間が与えられていることにあります。中でも室内長はエンジンルームを可能な限り小さくしてタイヤを四隅に配置することで最大限のスペースを確保。今やオーソドックスなハッチバックより軽自動車のほうが室内長が長いケースは珍しくありません。
その上で、スライドドアの軽ハイトワゴンは室内高も高いので、容積はかなり大きくなります。さらに軽自動車は4人乗り。全体が広いのに割る人数が小さいので一人当たりのスペースは広くなるのですね。
ここで、ベスト10の中から注目したい車種をいくつかピックアップして紹介します。
1位「ダイハツウェイク」スーパーハイトワゴンの中でも高い超スーパーハイトワゴン
●137.5〜187.55万円 ●全長3395mm、全幅1475mm、全高1835mm
●室内長2215mm×室内幅1345mm×室内高1455m/4名=一人当たり容積:約1.08㎥
スライドドアを採用し全高を高くした軽スーパーハイトワゴンが人気です。ウェイクは同じダイハツの軽スーパーハイトワゴン“タント”より全高が80mm、室内高が85mm高くなった、超スーパーハイトワゴンになります。
室内高が高くなったことで広々感が増しただけでなく、フロントガラスが大きくなって運転席からの視野が広がっているのが特徴。物理的な空間が増えたから背の高い荷物を積むことも可能に。そのため、アウトドアシーンでも活躍できるモデルとなりました。
助手席を前に倒して収納スペースを広げたり、ラゲッジを2段にして荷物を整理ながら積むことも可能です。
2位「スズキエブリイワゴン(ハイルーフ)」便利に使える商用車ベースのスーパーハイトワゴン
●150.7〜187.0万円 ●全長3395mm、全幅1475mm、全高1910mm
●室内長2240mm×室内幅1355mm×室内高1420mm/4名=一人当たり容積:約1.08㎥
軽ワンボックスのエブリイを乗用仕様にしたのがエブリイワゴン。エンジンをフロントシート下に収め、たくさんの荷物を積めるように工夫された車内にシートを設置しているので、その広さは折り紙付き! 標準ルーフとハイルーフが設定されているのも特徴で、広さにこだわるなら迷わずハイルーフを選びたいところ。
早い段階でスライドドアを電動にしたり、ドアを開けた時にボディ下からせり出してくるステップを設定するなど、ミニバンのような使い勝手を追求した軽自動車で、CMのキャッチコピーも“軽ミニバン”という言葉が使われていました。
4名乗車でもリアシートの後ろに広大な荷室スペースが特徴。小さな車で思い切り遊びたい人におすすめです!
3位「ホンダN-BOX」さすがの低床パッケージで数値以上の広さを体感!
●141.13〜212.96万円 ●全長3395mm、全幅1475mm、全高1790mm
●室内長2240mm×室内幅1350mm×室内高1400mm/4名=一人当たり容積:約1.06㎥
日本一売れている軽自動車は、室内の広さも自慢。ホンダご自慢のセンタータンクレイアウトによる低床・低重心パッケージにより、ライバルよりも床の高さを低くして室内空間が広げられています。
広いだけでなく、シートも座面や背もたれの厚みがあるものを採用することで、移動による疲労を軽減する工夫が取り入れられています。おもしろいのは、フロントシートに2つのタイプが用意されていること。ベンチシート仕様は座面が広いのでゆったり座れるとともに、左右のウォークスルーも可能に。
もうひとつのスーパースライド仕様は助手席が前後に最大57cmもスライドします。これにより助手席に座りながらリアのチャイルドシートに座る赤ちゃんのお世話ができたり、助手席を前にスライドしておくことでスライドドアから運転席に楽にアクセスできたりします。
N-BOXは走りにも定評があるので、大人数で遊びに行くだけでなく通勤や買い物時の運転を楽しみたい人にもおすすめ。スタイルにもこだわるならカスタムを選びましょう!
4位「スズキワゴンR」軽トールワゴン最大の室内長でスーパーハイトワゴンを凌ぐ!
●116.38〜177.656万円 ●全長3395mm、全幅1475mm、全高1650mm
●室内長2450mm×室内幅1355mm×室内高1265mm/4名=一人当たり容積:約1.05㎥
スペースが広い軽自動車というと真っ先に思い浮かぶのはスライドドアを採用して全高を高くした軽スーパーハイトワゴン。でも一人当たり容積ランキングの4位には、なんと軽トールワゴンのワゴンRが入りました。
その理由は、他車を圧倒する室内長にあります。ほかの軽自動車は室内長が長いものでも2200mm台なのに対し、ワゴンRは2450mm! 特に前席のステアリングから前の空間が広いので、ロングドライブでも閉塞感がなく開放的な気分で運転できるのが特徴。リアシートも前後スライド&リクライニングできるので、足を組みながらゆったりした姿勢で移動することだって可能です。
楽に乗り降りできる高さにシートを設置したり、リアドアに設置された傘立てをはじめ、室内のいたるところに“かゆいところに手が届く”ような収納を配置したりと、パッケージングにとことんこだわったワゴンR。「広い軽自動車が欲しいけれど背が高すぎるのはちょっと…」という人にぴったりの一台です。
一人当たり床面積だと、なんとスポーツカーがランクイン!
国産車一人当たりの床面積ランキング
順位 | メーカー名 | 車種 | 室内長 mm | 室内幅 mm | 室内高 mm | 乗車人数 | 一人当たり床面積 (m2) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | スズキ | ワゴンR | 2450 | 1355 | 1265 | 4 | 0.8299375 |
2 | スズキ | エブリイワゴン ハイルーフ | 2240 | 1355 | 1420 | 4 | 0.7588 |
3 | ホンダ | N-BOX | 2240 | 1350 | 1400 | 4 | 0.756 |
4 | ダイハツ | ウェイク | 2215 | 1345 | 1455 | 4 | 0.74479375 |
5 | 日産 | フェアレディZ | 990 | 1495 | 1090 | 2 | 0.740025 |
6 | ホンダ | NSX | 970 | 1525 | 1045 | 2 | 0.739625 |
7 | ホンダ | フリード | 3045 | 1455 | 1285 | 6 | 0.7384125 |
8 | スズキ | ハスラー | 2215 | 1330 | 1270 | 4 | 0.7364875 |
9 | ダイハツ | タント | 2180 | 1350 | 1370 | 4 | 0.73575 |
10 | 日産 | ルークス | 2200 | 1335 | 1400 | 4 | 0.73425 |
先ほど床面積で比較しても室内容積上位に入ったミニバン勢と変化はないと書きました。でも一人当たりの床面積で見るとどうなるのか。試しに数値を算出したら意外な車がランクインしてきました。中には広さとは無縁に感じるものも。なぜそれらがランクインしたかを含め、おもしろいモデルを何台か紹介します。
なお室内長や室内幅は床部で計測していないモデルも多くなりますが、今回はすべて床面積として計算しています。その点、ご了承ください。
5位「日産フェアレディZ」助手席は意外とラグジュアリーな2シータースポーツ
●397.98〜651.97万円 ●全長4260mm、全幅1845mm、全高1315mm
●室内長990mm×室内幅1495mm×室内高1090mm、定員2名 一人当たり床面積:約0.74平方メートル
なんと、2シータースポーツのフェアレディZ が5位にランクイン。スポーツカーは全高が低いし室内空間もタイト。なのにランクインした理由は、この計算だと室内高が影響しないことと、2名乗車なので、ミニバンや軽自動車より少ない数字でスペースを割っていることがランクインの理由です。
FRスポーツの場合、室内のセンターに後輪を動かすシャフトの張り出しが現れます。今回の数値にはそれも加味していませんが、一方でZは室内幅が広いので、バケットタイプでも比較的大きめで高級感のあるシートが備わっているので意外とゆったり座れます。
特に助手席は足元空間も広め。エスコートする女性に窮屈な思いをさせないですむ、ラグジュアリー感あふれる大人のスポーツモデルとも言えるでしょう。
6位「ホンダNSX」ミッドシップレイアウトの和製スーパーカー
●2420.0万円 ●全長4490mm、全幅1940mm、全高1215mm
●室内長970mm×室内幅1525mm×室内高1045mm、定員2名 一人当たり床面積:約0.74平方メートル
6位にも意外な車がランクイン。日本が世界に誇る和製スーパーモデルのNSXです。今回の集計方法だと全幅及び室内幅が広めになる2シーターモデルには有利なことがランクインの理由ですね。
NSXはエンジンが運転席後方にあるミッドシップレイアウトを採用。そのため、助手席足元は思いのほか広めになります。シートは座面と背もたれ中央で体幹をしっかりホールドするスポーツシートを採用。体をしっかり支えてくれるので、スポーツドライビングではないロングドライブでも疲労度は少なめ。また、乗り降りがしやすい構造になっているのも特徴です。
シート後ろのミッドに積まれた3L V6エンジンにはモーターアシストが備わり、さらに前輪を2つのモーターが動かしトルクを自在に制御するSPORT HYBRID SH-AWDを搭載。システム最高出力は427kW(581ps)、システム最大トルクは646N・m(65.9kgf-m)という驚愕の数値に。しかし実際に乗ってみると運転しやすいジェントルな走りに驚きます。もちろんアクセルを踏み込めば強烈な加速を味わえます。
8位「スズキハスラー」広くて便利な遊べる軽クロスオーバー
●136.51〜179.08万円 ●全長3395mm、全幅1475mm、全高1680mm
●室内長2215mm×室内幅1330mm×室内高1270mm、定員4名 一人当たり床面積:約0.74平方メートル
遊べる軽として人気が高いハスラーが8位にランクイン。今時の軽自動車はフロアがかなりフラットな形状になっているので、シートに座った時に足が楽に置けるようになっています。後部座席は前席下に足が入れやすい形状で、さらに前席との距離が広くとられているので足を組んだりするのも楽。乗ると広さにびっくりします。実はライバルのタフトはリアの床がフラットではありません。リアシートがスライドすることなども含めてハスラーの方が作り込まれている印象です。
SUVテイストのエクステリアデザインのためフロントガラスは他のモデルに比べて切り立ったデザインを採用。でも圧迫感を感じないのは、ワイパーなどが視界に入りにくい構造になっているため。ダッシュボードもフラットで視界の中で邪魔になりません。
リアシート背もたれを前に倒してフロントシートも寝かせば2人で車中泊を楽しむことだって可能。また、ハスラーは車を基地にしてアウトドアを楽しめるオプション品も多数用意されています。車内だけでなく車の外の空間まで利用して、思い切り遊んでみませんか。
カーリースなら広い車に低い金額で乗れるかも(カルモくんからのお知らせ)
さて、ここでカルモくんからのお知らせです。ここまで紹介してきた広い車の中には、500万円を超える車もありました。しかしそんな高級な車でもカーリースを利用することで、思ったよりも低い月々の支払いで乗ることも可能になるかもしれません。
カーリースは、リース会社が所有する車を定額制で利用できる新しい車の利用方法です。リース料には各種税金や手数料などが含まれているので、頭金も初期費用も必要なく、定額料金だけで車に乗ることができます。
数あるリース会社の中でも、月額10,000円台から新車に乗れるカーリースの「定額カルモくん」なら、次のようなメリットでよりお得にカーライフを楽しめます。
〈定額カルモくんのメリット〉
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- 契約期間は1年から業界最長の11年(2020年3月、定額カルモくん調べ)のあいだで、1年単位で好きに選べる
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「おトクにマイカー 定額カルモくん」を利用すれば、乗り始めの費用や維持費を抑えながら、お気に入りの車に乗ることも可能になります。
とはいえ、必ず実車でチェックを!
今回のランキングは容積、床面積ともに車の広さを正確に表したものとは異なります。なぜなら車の室内は複雑な形状をしているため、単純な掛け算では容積や面積を出せないから。でも自動車メーカーは限られたスペースを広く使えるためのさまざまな工夫をしています。広さにこだわって車選びをするなら、候補を絞った後に必ず実車を比較してみましょう。
また、一人当たり容積と一人当たり床面積は定員フル乗車を想定した計算になります。例えばミニバンの後部座席に3人ではなく2人で座ったら軽自動車よりもスペースは広くなります。その意味でも大きな車は当然、広さの面で有利になると言えるでしょう。
※記事の内容は2021年1月時点の情報で制作しています。