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ミニバンは近年非常に高い人気を集めています。その中でもエスクァイアのような2リットル5ナンバーのミニバンは競合する車種も多く、熾烈な戦いを繰り広げています。
ほかのミニバンとは一線を画す上質感が持ち味のエスクァイアの燃費性能はどうなっているのでしょうか。ライバル車との比較や実燃費も交えて徹底的に紹介します。
エスクァイアはどんな車?
エスクァイアは2014年10月に登場したミニバンで、同じ2014年の1月にデビューした3代目ノア、3代目ヴォクシーの兄弟車にあたるモデルです。ノアやヴォクシーの持つ広い室内空間はそのままにワンランク上の高級感を持たせることをコンセプトに開発されました。
バンパー下部まで伸びている印象的な縦基調のフロントグリル、メッキ加飾が施されたドアハンドルやバックドアなど煌びやかで上質感を感じさせるエクステリアが持ち味です。
エスクァイアのカタログ燃費
エスクァイアには2.0Lのガソリン車と1.8Lガソリンエンジン+モーターのハイブリッド車がラインナップされています。トランスミッションはいずれもCVTのみ、駆動方式はハイブリッド車が2WDのみ、ガソリン車は2WDと4WDの両方がそろいます。
エスクァイアのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
駆動方式 | 乗車定員 | 燃費 | |
---|---|---|---|
ハイブリッド車 | 2WD | 7人乗り | 19.8km/L |
ガソリン車 | 2WD | 7人乗り | 13.6km/L |
8人乗り | 13.6km/L | ||
4WD | 7人乗り | 12.6km/L | |
8人乗り | 12.6km/L |
エスクァイアの実燃費
現在、エスクァイアに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、エスクァイアの実燃費は以下のとおりです。
駆動方式 | 燃費 | |
---|---|---|
ハイブリッド車 | 2WD | 16.5km/L |
ガソリン車 | 2WD | 10.9km/L |
4WD | 10.9km/L |
カタログ燃費と実燃費に差が出ることは車にそれほど詳しくない方にも比較的よく知られているかと思いますが、どのくらいの差までが許容範囲なのかご存じでしょうか。
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしてはJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境にもよりますが1割~1.5割程度の差が出ることが多いようです。それを踏まえるとエスクァイアのカタログ燃費と実燃費の差は平均の範囲内といえるのではないでしょうか。
ライバル車と燃費を比較してみよう
エスクァイアと同じ2リッター5ナンバー車としてライバル関係にあるのは、兄弟車のノアやヴォクシーを除くと日産「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」などでしょう。ここではこの2車種と比較してみます。
日産「セレナ」
セレナは初代が1991年にデビューと、エスクァイアよりもかなり前から活躍していたモデルです。現行モデルは2016年に登場した5代目で、アクセルやブレーキ、ステアリングを総合制御して高速道路での運転を支援する技術「プロパイロット」を初搭載したことでも注目を集めました。
セレナのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。
e-POWER車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
e-POWER X | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER XV | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER G | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER ハイウェイスター | 2WD | 26.0km/L |
e-POWER ハイウェイスターV | 2WD | 23.4km/L |
e-POWER ハイウェイスターG | 2WD | 23.4km/L |
スマートシンプルハイブリッド車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
X | 2WD | 17.2km/L |
4WD | 15.8km/L | |
XV | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.0km/L | |
G | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.0km/L | |
ハイウェイスター | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.8km/L | |
ハイウェイスターV | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.0km/L |
エスクァイアとセレナは燃費の計測方法が異なりますが、エスクァイアが採用しているWLTCモードは日本で従来使用されてきたJC08モードよりも1.5~3割程度カタログスペックは悪くなる傾向があります。
その点を考慮に入れると、エスクァイアのカタログ燃費はセレナのe-POWER車とさほど変わらないといえるのではないでしょうか。
ホンダ「ステップワゴン」
出典:ホンダ「ステップワゴン」スタイリング デザイン・カラー
ステップワゴンはホンダが独自開発したハイブリッドシステムの「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載しています。このハイブリッドシステムは、従来のハイブリッドシステムよりも幅広い領域をモーター走行することで低燃費を実現するとともに優れた加速性能も両立させています。
ステップワゴンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
ハイブリッド車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
e:HEV SPADA G・Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
e:HEV SPADA G・EX Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
e:HEV SPADA G・Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
e:HEV SPADA G・EX Honda SENSING | 2WD | 20.0km/L |
ハイブリッド車の燃費は若干差があるものの、エスクァイアとステップワゴンの燃費性能は同程度といえるでしょう。
エスクァイアの乗り心地は?
車を実際に使用していく上で無視できないのが車の乗り心地です。大人数を乗せることが想定されているミニバンだからこそこだわりたい部分でもあります。エスクァイアの乗り心地を確認してみましょう。
低床フラットフロアに対応したサスペンションを採用
エスクァイアで採用されている広々とした室内空間を実現する低床フラットフロアに対応したチューニングが施されたサスペンションを導入することで、旋回時のロールなどの動きを抑制し揺れの少ない安定したフラットな乗り心地を確保しています。
高級感のあるエクステリアにふさわしい静粛性
ドアミラー形状などに工夫を凝らして風切音の低減を実現するとともに、ダッシュサイレンサーに部分接着フィルム、スライドドア下にシールを追加して遮音性をアップ。ワンランク上の高級感を持つエスクァイアにふさわしい静粛性を実現しています。
バランスの良さが魅力のエスクァイア
エスクァイアはノアやヴォクシーの使い勝手の良さや燃費性能はそのままに、その2モデルにはなかった高級感を備えたことで存在感を発揮しています。
低燃費と快適な走行性能、そして高級車としてのルックスを兼ね備えたバランスの良さがエスクァイアの魅力であるといえるのではないでしょうか。
※記事の内容は2020年9月時点の情報で執筆しています。