年々環境基準が厳しくなっていることに加え、近年では一定の燃費基準を達成している車は減税措置が受けられることもあり、各メーカーは燃費性能の向上に力を入れています。それでも車種によって燃費性能には大きな差があるため、車を選ぶ際には燃費性能は必ずチェックしておきましょう。
ここでは、ホンダ「アコード」の燃費性能について紹介します。
よくある質問
Q1:アコードのカタログ燃費はどのくらい?
A:アコードのパワートレインは2L直列4気筒ガソリンエンジン+2モーターのハイブリッド1種類で、駆動方式は2WDのみです。カタログ燃費は22.8km/Lとなっています。
Q2:アコードの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:アコードの実燃費は22.4km/Lとなっており、カタログ燃費との差はほとんどありません。アコードが採用しているWLTCモードは日本で従来使用されてきたJC08モードに比べてより実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法とされていますが、それでもカタログ燃費と実燃費のあいだには1~1.5割程度の差が出るのが一般的であることを考えると、非常に優秀な数値といえるでしょう。
Q3:アコードとライバル車のカタログ燃費を比較すると?
A:アコードはトヨタ「カムリ」の燃費には及びませんが、マツダ「マツダ6」の燃費は上回っています。
Q4:アコードの走行性能・乗り心地は?
A:アコードのために開発された軽量高剛性化、低重心を追求した新世代のプラットフォームを採用し、優れた走行安定性を実現しています。また、不快なロードノイズを低減する中空構造の「ノイズリデューシングアルミホイール」を採用し、静粛性も高めている点にも注目です。
この記事のPOINT
- アコードのWLTCモードカタログ燃費は22.8km/L、実燃費は22.4km/L
- アコードはライバル車であるトヨタ「カムリ」の燃費には及ばないが、マツダ「マツダ6」の燃費は上回る
- アコードのために新開発された次世代のプラットフォームの採用により高い走行安定性を実現
アコードの燃費の特徴
2020年2月に登場した10代目となる現行型のアコードは、先代モデルに引き続きハイブリッド専用車種として登場しました。世界最高レベルの熱効率を達成した2L直列4気筒ガソリンエンジンに2つのモーターを組み合わせた「e:HEV」と呼ばれるハイブリッドシステムを採用しています。
「e:HEV」は、エンジンはおもに発電に使用し、頻繁にモーターで走行することによって燃費を向上させるとともに、エンジンでの走行のほうが効率の良い高速走行時にはエンジン走行に切り替えるなど、さまざまなドライブモードを状況に応じて最適に使い分けることで燃費を追求するとともにホンダ車ならではの走りの楽しさを実現させていることが特徴です。
アコードのカタログ燃費
アコードのパワートレインは2L直列4気筒ガソリンエンジン+2モーターハイブリッドのみで、ガソリン車の設定はありません。駆動方式は2WDのみです。
アコードのWLTCモードカタログ燃費は、22.8km/Lとなっています。
アコードの実燃費
カタログ燃費と実燃費のあいだには差があることがほとんどのため、燃費性能を確認する際には実燃費も併せて確認することをおすすめします。
現在、アコードに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、アコードの実燃費は22.4km/Lです。
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしては日本で従来使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境にもよりますが1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。その点を考慮に入れるとアコードのカタログ燃費と実燃費の差はほとんどなく、かなり優秀といえるのではないでしょうか。
アコードとライバル車のカタログ燃費を比較
アコードのライバル車としては、トヨタ「カムリ」やマツダ「マツダ6」などが挙げられるでしょう。ここではこの2車種とアコードのカタログ燃費を比較してみます。
トヨタ「カムリ」
グローバル市場、特に北米市場において高い人気を誇る「カムリ」は、トヨタ車ならではの燃費性能の良さに加え、スポーティーさとエレガントさを兼ね備えたスタイルが魅力のハイブリッドセダンです。
カムリのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
X | 2WD | 27.1km/L |
4WD | 21.6km/L | |
G/G“ レザーパッケージ ” | 2WD | 24.3km/L |
4WD | 21.6km/L | |
WS/WS“ レザーパッケージ ” | 2WD | 24.3km/L |
4WD | 21.6km/L |
アコードとカムリの燃費を比較すると、カムリの燃費にメリットがあることがわかります。
マツダ「マツダ6」
マツダ「マツダ6」は、欧州車のような流麗で美しいボディデザイン、マツダのフラッグシップモデルにふさわしい上質で洗練された室内空間が魅力です。
マツダ6のWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
ガソリン車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
20S/20S PROACTIVE | 2WD | 15.0km/L |
25S L Package | 2WD | 14.2km/L |
25T S Package | 2WD | 12.4km/L |
ディーゼル車
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
XD | 2WD | 17.8 ~ 19.6km/L |
4WD | 17.0 ~ 18.8km/L | |
XD PROACTIVE | 2WD | 17.8 ~ 19.6km/L |
4WD | 17.0 ~ 18.8km/L | |
XD L Package | 2WD | 17.8 ~ 19.6km/L |
4WD | 17.0 ~ 18.8km/L |
アコードとマツダ6の比較では、アコードの燃費がより優れていることがわかります。
アコードの走行性能・乗り心地
現行型のアコードでは、従来モデルよりも軽量高剛性化させ、さらに低重心を追求したアコードのための新世代プラットフォームを開発・採用したことで余分な挙動変化のない、高い走行安定性を実現しています。
また、中空構造の消音機能によってロードノイズを低減する「ノイズリデューシングアルミホイール」を採用し、静粛性を高めているのも特筆すべきポイントでしょう。
モータージャーナリスト・岡崎五朗さんの試乗記でアコードの走行性能を詳しくチェック!
ハイブリッド車ならではの優れた燃費性能を持つアコード
アコードのような比較的ボディサイズの大きなモデルは重量もあるため、燃費は高くなりがちですが、積極的にモーター走行を行うハイブリッドシステムを搭載しているアコードは22.8km/Lという低燃費を誇ります。実燃費との差もほとんどなく、燃費性能の優れたモデルといえるでしょう。
※記事の内容は2020年11月時点の情報で執筆しています。