近年では、衝突被害軽減ブレ―キやペダル踏み間違い急発進抑制装置は多くの車種が搭載しています。しかし、年々新しい運転支援機能などが登場していることもあり、車の安全性は車種によって大きく異なるのが現状です。そのため、車選びの際に安全性能は必ずチェックすべきポイントといえるでしょう。
ここでは、スズキ「ジムニーシエラ」の安全性能について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- 「スズキ セーフティ サポート」を標準装備している
- オプションで追加できる先進安全技術はない
- 全車が「サポカーSワイド」に該当する安全性を有している
ジムニーシエラの安全性能の特徴
2018年7月に登場した現行型のジムニーシエラは、20年ぶりのフルモデルチェンジということもあり安全性能が先代モデルよりも大きく進化しました。
ドアミラー位置やピラー断面、ピラートリム形状の最適化などによって視認性を向上させているほか、視認性の高いメーターやディスプレイ、操作性を考慮したスイッチ類の配置など、安全運転ができる環境を整えています。
また、スズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を採用したのも現行型のひとつのトピックといえるでしょう。登場時は上級グレードの「JC」のみが標準装備となっておりベースグレードの「JL」ではオプション設定でしたが、2022年7月の一部仕様変更の際に全車標準装備となりました。
ジムニーシエラに搭載される先進安全技術
ここからは、ジムニーシエラに搭載される先進安全技術について見ていきましょう。なお、ジムニーシエラは全車に同じ先進安全技術を採用しているため、グレードによる安全性能の差はありません。
デュアルセンサーブレーキサポート
単眼カメラとレーザーレーダーの2種類のセンサーで前方の車両や歩行者を検知し、ぶつかる危険があるとシステムが判断した場合、音や表示によってドライバーに危険が迫っていることを知らせます。
その状態でドライバーがブレーキを踏んだ場合はブレーキ踏力をアシストして制動力を高めます。それでも衝突が避けられない場合は強力なブレーキを作動させ、衝突の回避もしくは衝突被害の軽減をサポートする機能です。
検知対象が車両の場合は約5~100km/h、歩行者の場合は約5~60km/hの速度域で作動します。
誤発進抑制機能(4AT車のみ)
壁などの障害物を認識している状態で、誤って必要以上に強くアクセルペダルを踏み込んだ場合はエンジンの出力を最長で5秒間抑制し、飛び出しによる事故防止に貢献する機能です。4AT車のみに搭載される機能で、前方約4m以内の障害物の検知が可能です。なお、ジムニーシエラの誤発進抑制機能は前方のみで、後方には対応していません。
標識認識機能
単眼カメラが道路標識を認識し、標識の種類に応じて適切なタイミングでメーター内に表示させ、標識に従った安全運転をサポートする機能です。
ジムニーシエラでは、最高速度とはみ出し通行禁止、車両進入禁止の3種類の標識に加え、補助標識の「終わり」を認識します。
車線逸脱警報機能
左右の区画線を認識し、システムが進路を予測した上で車両が車線から逸脱する危険があると判断すると音と表示で注意喚起する機能です。
約60~100km/hの速度域で作動します。
ふらつき警報機能
左右の区画線を認識し、自車の走行パターンを計測します。その上で実際の車両の挙動が計測パターンと異なり、蛇行していると判断した場合は警告を発してドライバーに知らせます。
作動速度は「車線逸脱警報機能」と変わりありません。
先行車発進お知らせ機能
ブレーキペダルを踏んで停車している際に、先行車が発進し約5m以上離れても発進しない場合は音や表示でドライバーに先行車の発進を知らせ、信号待ちや渋滞時の出遅れ防止をサポートしてくれる機能です。
ハイビームアシスト
ヘッドランプ点灯時に先行車や対向車、周囲の明るさを認識し、必要に応じてシステムがハイビームとロービームを自動で切り替える機能です。約30km/hで走行中に作動します。
ジムニーシエラの「スズキ セーフティ サポート」に搭載される先進安全技術は以上であり、全車が「サポカーSワイド」に該当する安全性を有しています。なお、このほかにオプションで追加できる機能はありません。
ジムニーシエラは全車が「サポカーSワイド」に該当
今の最新のコンパクトカーは高速道路でペダルとステアリングの操作をシステムがサポートする機能や、高度な駐車支援機能、死角となる位置をモニターで確認できる機能などを搭載するようになりつつあります。
ジムニーシエラはそういった最新鋭の運転支援機能やステアリング操作の支援を伴うような先進安全技術は採用されていませんが、国土交通省や経済産業省が普及を推進する「サポカー」の最上位の分類である「サポカーSワイド」に該当する安全性は確保しています。「サポカーSワイド」の認定は今の時代に求められる安全性能を持つか否かのひとつの基準といえるので、高度な運転支援機能を求めないのであれば十分な安全性を持つモデルといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:ジムニーシエラには先進安全技術が搭載されているの?
A:はい。2018年7月に登場した現行型のジムニーシエラはスズキの予防安全技術「スズキ セーフティサポート」を採用しています。登場時は上級グレードの「JC」のみに搭載されベースグレードの「JL」はオプション設定となっていましたが、2022年7月の一部仕様変更のタイミングで全車に標準装備されました。
Q2:ジムニーシエラにはどのような先進安全技術が採用されているの?
A:前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険があれば警告やブレーキ制御を行う「デュアルセンサーブレーキサポート」やペダル操作ミス時の急発進防止をサポートする「誤発進抑制機能(4AT車のみ)」、自動でハイビームとロービームを切り替える「ハイビームアシスト」、道路標識を認識して表示することで標識に従った安全運転ができるようにサポートする「標識認識機能」などが搭載されています。
Q3:ジムニーシエラにはオプションで追加できる先進安全技術はある?
A:いいえ、ジムニーシエラには先進安全技術のオプションは用意されていません。
Q4:ジムニーシエラはどの「サポカー」に該当するの?
A:ジムニーシエラは全車が「サポカー」の中で最上位の分類である「サポカーSワイド」に該当する安全性を有しています。
※この記事は2022年10月時点の情報で制作しています