近年の新型車であれば期待したい装備のひとつとして、運転支援機能や駐車をサポートしてくれる機能が挙げられます。こうした先進安全技術は車種によって充実度に大きな差があるため、車選びの際にはどのような安全性能を搭載しているのかをしっかりと確認する必要があります。
ここでは、トヨタのステーションワゴン「カローラツーリング」の安全性能について、詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- カローラツーリングは予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を全車に標準装備している
- 衝突被害軽減ブレーキである「プリクラッシュセーフティ」は交差点での衝突回避・衝突被害軽減もサポート
- 「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」は「X」ではオプション設定で標準装備ではない
カローラツーリングの安全性能の特徴
2019年9月に登場したカローラツーリングでは、全車に単眼カメラとミリ波レーダーを搭載し高い認識性能と信頼性を両立させたトヨタの最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備しています。
また、カローラツーリングでは「Toyota Safety Sense」のほかにも駐車場などでの低速時に車両や障害物を検知する機能や、後方からの車両の接近を知らせる機能なども採用されています。加えて運転席と助手席のエアバッグのほかに運転席のニーエアバッグや運転席・助手席のサイドエアバッグ、前後席のカーテンシールドエアバッグが全車に標準装備されており、衝突安全性も向上させています。
カローラツーリングの「Toyota Safety Sense」の内容
ここでは、カローラツーリングの「Toyota Safety Sense」にはどのような機能が含まれているのかを見ていきましょう。
プリクラッシュセーフティ
前方の車両や歩行者などを検知して、衝突の危険があると警報を発します。ドライバーがブレーキを踏んだ場合はシステムがブレーキアシストを行い、制動力をアップ。ブレーキ操作がない場合はシステムが強力なブレーキを作動させて衝突の回避・被害軽減をサポートする機能です。
カローラツーリングでは昼夜の歩行者と自転車運転者、昼間の自動二輪車検知も可能なレベルの高いステムを採用しています。対車両・自動二輪車においては自車の速度が約5km/h以上、対歩行者・自転車運転者については約5~80km/hの速度域で作動します。
なお、2022年10月の一部改良では、交差点右折時の対向直進車や右左折時に対向方向から横断してくる歩行者・自転車運転者の検知機能や、交差点での出会い頭の車両・自動二輪車検知機能、ドライバーの回避操舵をきっかけにステアリング操作を支援し緊急時の車線逸脱回避や車両の安定性の確保に貢献する「緊急時操舵支援機能」などを追加しています。
レーントレーシングアシスト+レーンディパーチャーアラート
走行中にシステムが車線を検知して、車線からはみ出す危険があると判断すると警告を発すると同時にステアリング操作を支援して車線内走行を維持するようサポートします。
また、高速道路で車線中央付近を走行するようにステアリング操作をアシスト。渋滞などで車線が見えにくい場合には先行車を追従してステアリング操作をアシストし、車線中央の走行を維持するようサポートしてくれます。
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
設定した車間距離を維持しながら先行車に追従走行することでドライバーの運転負荷を減らし、安全運転に貢献する機能です。ハイブリッド車、「W×B」と「G」のガソリン車は先行車が停止すると自車も停止して停止状態を維持する「停止保持機能」が搭載されています。「X」ガソリン車は停止保持機能が搭載されていないため、停止後はシステムが解除されます。
また、カローラツーリングではレーダークルーズコントロール使用時に車線変更をする際、スムーズな追い越しや車線変更ができるように予備加速や予備減速を実施する機能も採用されました。
オートマチックハイビーム
状況に応じてシステムが自動でハイビームとロービームを切り替える機能です。ヘッドライトの切替え忘れを防ぐとともにハイビームの使用頻度を高めて、歩行者や障害物のより早い発見に貢献します。
ロードサインアシスト
走行中に道路標識を認識し、ディスプレイに表示することでドライバーの標識見落としを防ぎ、安全運転をサポートする機能です。カローラツーリングでははみ出し通行禁止、車両進入禁止、最高速度、一時停止、転回禁止の5種類の標識の認識が可能です。
さらに、赤信号を認識している状態で交差点に進入する可能性がある場合は注意喚起する「赤信号の告知機能」も搭載されています。
ドライバー異常時対応システム(「X」ガソリン車を除き標準装備)
レーントレーシングアシストが作動している際に無操作状態が継続し、音や表示で注意喚起しても無操作状態が継続する場合はシステムが異常と判断。ホーンやハザードで周囲に異常を知らせつつ、緩やかに減速して停車することで事故を防止します。
停車後は自動でドアロックを解除するとともに「ヘルプネット®」に自動接続して救命要請し、ドライバーの早期救護に貢献します。
プロアクティブドライビングアシスト
歩行者の飛び出しなどの走行中に発生するリスクをシステムが先読みし、減速支援や操舵支援を行ってリスクに近づきすぎないようにすることで安全運転をサポートする機能です。
歩行者や自転車運転者、駐車車両に対する減速・操舵支援のほか、先行車の割り込みや前方のカーブに対する減速・操舵支援も行います。
発進遅れ告知機能
先行車発進時の出遅れや、交差点で信号が赤から青に変わった際の出遅れを表示や音でドライバーに知らせる機能です。
カローラツーリングの「Toyota Safety Sense」のほかの先進安全装備
カローラツーリングには、「Toyota Safety Sense」以外にもさまざまな先進安全装備を採用しています。
バックガイドモニター(「G」「W×B」に標準装備、「X」にメーカーオプション)
モニターが後方の視界をディスプレイオーディオに映し出し、バックでの車庫入れをサポートする機能です。「駐車ガイド線」やステアリング操作に連動する「予測進路線」などを画面に表示する機能もあります。
パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)(「G」「W×B」に標準装備、「X」にメーカーオプション)
クリアランスソナーが前後方向にある壁などの静止物を検知している場合、発進時にエンジンやハイブリッドシステムの出力を抑制します。さらに静止物の距離が近付くなど衝突の危険があるとシステムが判断するとブレーキを作動させ、ペダル踏み間違いや踏み込みすぎなどによる急発進防止をサポートする機能です。
さらに、駐車場から後退する際に後方の左右からの接近車両を検知してぶつかる危険があればブレーキ制御を行う「パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)」が全車にオプションで追加可能です。
このほか、ドライバーの死角になりやすい隣車線後方から接近する車両を検知して、車線変更時の後方確認をアシストする「ブラインドスポットモニター」、ブラインドスポットモニターと同じシステムを利用して後方から接近する自転車などを検知し、降車した乗員と接触する可能性がある場合は注意喚起する「安心降車アシスト」がオプション設定されています。
カローラツーリングは全車が「サポカーSワイド」適合ではない
カローラツーリングはトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備されてはいますが、「サポカーSワイド」の認定に欠かせないペダル踏み間違え急発進抑制装置に該当する「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」がパッケージに含まれておらず、「X」には標準装備されていません。
そのため「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)」装着車は「サポカー」の中でも最も上位の区分である「サポカーSワイド」に適合しますが、非装着車は「サポカー」となるので、カローラツーリングのグレードを選ぶ際はその点に注意し、場合によってはオプションの追加も視野に入れておくことをおすすめします。
よくある質問
Q1:カローラツーリングには先進安全技術は全車標準装備されているの?
A:はい、カローラツーリングにはトヨタの予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」が全車に標準装備されています。
Q2:カローラツーリングに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:交差点での衝突の回避や衝突被害軽減にも対応した「プリクラッシュセーフティ」や、車線が見えなくても先行車を追従走行して車線中央の走行を維持するようステアリング操作を支援する「レーントレーシングアシスト」、先行車に追従走行してドライバーの負担を減らす「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」などが搭載されています。
Q3:カローラツーリングはどの「サポカー」に該当するの?
A:カローラツーリングの「パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)]装着車は「サポカー」の中でも最も上位の分類である「サポカーSワイド」に認定されていますが、非装着車は「サポカー」になります。
※この記事は2023年6月時点の情報で制作しています