ホンダ「S660」はMRレイアウトを採用し、軽自動車でありながら走る楽しさを存分に味わえる走行性能を持った2シーター・オープンスポーツカーです。走りの良さはもちろん、オープンカーならではの開放感も魅力ですが、オープンカーはルーフオープン時には車内が外からよく見える状態になるため、内装のスタイリッシュさやエクステリアとの一体感、小物がすっきりと収納できるポケッテリアなどにもこだわりたいところではないでしょうか。
ここでは、S660の内装について、詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- S660はスポーツカーならではのタイトなドライビング空間を確保している
- 「Modulo X」は専用のボルドーレッド×ブラックのインテリアを採用
- S660にはリアにトランクルームはなく、フロントフード内にユーティリティボックスがある
S660の室内空間の特徴
ホンダらしい「走る喜び」の実現を目指して開発されたS660は、低重心と理想的な前後重量配分を実現するミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)レイアウトや専用開発された軽量で高剛性なボディを採用し、優れた旋回性能や走行性能を実現しています。
専用ボディはコンパクトで包まれ感のある、スポーツカーならではのタイトなドライビング空間を確保。また、ドライバーの着座位置やヒップポイント、ペダル類の位置を最適化し、車との一体感を得られるドライビングポジションを徹底して追求しています。
また、全車に取り外しが簡単で、巻き取ってフロントフード内のユーティリティボックスに収納できる「ロールトップ」を採用。ルーフオープン時には開放感のある爽快なドライブが楽しめます。
さらに、ももや腰周辺に風を送り込めるミッドモード付きのフルオート・エアコンディショナーや、オープン時でも低音から高音までクリアな音質を実現するように配置されたスピーカーなど、スポーツ走行時だけでなくオープン走行時でも快適に過ごすための工夫が随所に見られます。
S660の内装の特徴
ここからは、S660の内装について見ていきましょう。
シンプルな「β」
S660の内装はスポーツカーらしくブラックのモノトーンで、機能性を重視した仕上がりとなっています。ベーシックグレードの「β」では加飾類もほとんど使用されていません。メーターバイザーリングやステアリングガーニッシュにつやのあるピアノブラックがあしらわれる程度です。
シート表皮には、メッシュとファブリックを使用しています。
本革などの上質素材があしらわれる上級グレード「α」
「α」では、パーキングブレーキノブやインナードアハンドル、エアコンアウトレットノブなどにクロームメッキがあしらわれ、上質感を演出しています。
ステアリングホイールには海外のスポーツカーでも採用例が多い人工素材アルカンターラ®と本革を使用し、手に吸い付くような上質な手触りを実現しています。さらに、ステアリングガーニッシュにはカーボン調×高輝度シルバー塗装の加飾が施され、華やかさもプラス。
シートには本革とラックススェード®を使用し、中央部分にアクセントラインをあしらうことで質感の高さとスポーティーさを両立させています。
ボルドーレッド×ブラックの専用インテリアが魅力的な「Modulo X」
量産過程でカスタマイズパーツを装着するコンプリートカー「Modulo X」では、ボルドーレッドとブラックを組み合わせた専用のインテリアカラーを採用し、アグレッシブさだけではなく大人の上質なスポーツカーであることを感じさせるつややかさやラグジュアリーさを演出します。
「Modulo X」はロールトップがボルドーレッドなので、エクステリアとの一体感は抜群です。
また、インパネには専用のボルドーレッドのソフトパッドを採用し、直接手にふれる部分の質感にもこだわっています。
シート素材は「α」と同じ本革とラックススェード®ですが、カラーリングがボルドーレッド×ブラックとなることに加え、ヘッドレストに「Modulo X」ロゴが入ります。
S660のポケッテリア
S660は「走りを楽しむための車」として開発されているので、室内空間にあまりゆとりはありません。居住空間の広さが求められる人気の軽スーパーハイトワゴンなどは座席周りの収納も豊富に用意されていますが、その対極ともいえる立ち位置にあるS660にはどのようなポケッテリアが備わっているのでしょうか。
フロントコンソールトレー
センターコンソールの前方には深さのあるトレーがあります。スマートフォンやハンカチなど、身の回りの品を収納しておくメインスペースとなるでしょう。
グローブボックス(キーロック機構付き)
シビアな2シータースポーツカーではグローブボックスがない車種もありますが、S660ではグローブボックスは標準装備です。車検証や自賠責保険証などの保管場所に困ることはありません。
オープンカーであることに配慮し、キーロック機構がついているので安心です。
コンソールポケット
パーキングブレーキレバーの横、運転席側に小さなポケットがあります。ガムやキャンディなどの小さな物の保管場所として活用できるでしょう。
リアコンソールトレー
リアコンソールトレーはフロントコンソールトレーほどの深さはありません。駐車券などのチケットをいったん置いておくスペースとして役立つのではないでしょうか。
ドリンクホルダー(リアコンソール)
ドリンクホルダーは、リアコンソールの1個のみ用意されています。なお、S660では一般的な車に装備されているドアポケットやボトルホルダーはありません。
コンビニフック
ドリンクホルダーの上、リアの中央部にコンビニフックがあります。ハンドバッグなどの小さな荷物であればかけておけるでしょう。
シートバックポケット
シートバックポケットは、助手席のシートバックのみに備わっています。
S660のポケッテリアは今時の軽自動車と比較すれば少ないですが、限られたスペースをうまく使用して、最低限の収納スペースは確保しているといえるでしょう。
S660に荷室はあるのか?
S660のライバル車であるダイハツの軽2シーター・オープンスポーツカー「コペン」はFFレイアウトであり、ルーフクローズ時にはゴルフバッグが入るトランクルームを備えていますが、S660はMRレイアウトであり、エンジンルームが後ろにあるためトランクルームはありません。
エンジンルームが後ろにある場合、フロントフード内に荷物を入れるスペースがあるのが一般的で、S660でも小さな旅行バッグが収納できる程度のユーティリティボックスが装備されています。
ただし、このスペースはロールトップを収納することが前提になっているため、オープン時には荷物入れとしては使用できません。
S660は一般的な軽自動車とは異なるため、使い勝手をよく確認しよう
S660は軽自動車規格のスポーツカーであり、ポケッテリアは少なく、荷室もほぼないに等しいといえます。室内の広さや快適さ、利便性の高さは一般的な軽自動車とは大きく異なりますが、その分走りの良さやオープンカーならではの開放感というほかの軽自動車にはない魅力がS660にはあります。
車選びの際には車種の特徴を把握し、妥協できる点と譲れない点のバランスを考えることも必要なのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:S660の室内空間の特徴は?
A:S660はMRレイアウトを採用する軽2シーター・オープンスポーツカーであり、「走る楽しさ」を追求して開発されたモデルです。スポーツカーらしく包み込まれるようなタイトなドライビング空間を確保していることに加え、ドライバーの着座位置やヒップポイント、ペダル類の位置を最適化し、車との一体感を得られるドライビングポジションを実現しています。
Q2:S660の内装はどんな感じ?
A:ブラックをベースに、シンプルで機能性、操縦性を重視した内装になっています。上級グレードの「α」では本革やクロームメッキ加飾などがあしらわれ、より上質な室内空間を演出。コンプリートカーの「Modulo X」では、専用のボルドーレッド×ブラックのスタイリッシュなカラーリングが大人のスポーツカーならではの洗練されたラグジュアリーさを室内にもたらしています。
Q3:S660の収納は?
A:S660はMRレイアウトでエンジンルームが後方にあるため、リアのトランクルームはありません。フロントフード内に小さな旅行バッグが収納できる程度のユーティリティボックスがありますが、ユーティリティボックスはロールトップの収納場所と想定されており、オープン時には荷物入れとしては使用できません。
※この記事は2022年3月時点の情報で制作しています