走りの良いコンパクトカーとして定評のあるスズキスイフト。さらに走りを磨いたスイフトスポーツもラインナップされています。ノーマルエンジン、マイルドハイブリッド、フルハイブリッド、スイフトスポーツ専用のターボエンジンと多彩なパワーソースを用意するのも特徴です。今回はそんなスズキスイフトを徹底レビューします。
走りを重視し続けてきたコンパクトカー
ホンダフィットのヒットにより、コンパクトカーは室内空間の広さを重視したユーティリティ系が主流となっています。しかし、2020年に登場したトヨタヤリスはルーミーというユーティリティ系のハイトワゴンがあるので、走りを重視したクルマへと路線変更を行いました。同じようにコンパクトカー市場の中で以前から走りを追求し続けているモデルがあります。それがスズキスイフトです。ちなみにスズキにもハイトワゴンのコンパクトカー、ソリオというモデルがあります。
スイフトは欧州で鍛えたしなやかな乗り味を実現した走りの良いコンパクトカーとして評価が高く、さらに走りに磨きを掛けたホットハッチのスイフトスポーツは手頃な価格で手に入るスポーツモデルとして若者から支持されています。今回の徹底レビューはそんな走りのコンパクトカー、スズキスイフトです。
内外装ともスポーティーな仕立て
現行型のスズキスイフトは2016年12月から販売が開始されました。現行型スイフトは軽量化と高剛性を両立させた新プラットフォーム「ハーテクト」を採用し、走りの良さを予感させる躍動感のあるスタイリングが特徴です。
内装も走りを意識したインパネなど、スペース効率重視のコンパクトカーとは一線を画したスポーティーな仕立てが特徴ですが、グローバルコンパクトカー市場に投入されている車だけに、大人4人とある程度の荷物は収納できる室内空間も併せ持っています。
2種類のハイブリッドなど多彩なエンジン
デビュー当初は、熱効率を向上させて低燃費を追求した1.2L直列4気筒自然吸気エンジンと、モーター機能付き発電機+リチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッド、そして1L直列3気筒ターボの3つのエンジンが設定されていました。トランスミッションはCVTを中心に1.2Lエンジンに5速MT、1Lターボエンジンは6ATが組み合わされていました。
2017年7月に1.2Lガソリンエンジンと駆動用モーター、そして軽量コンパクトで伝達効率に優れたオートギアシフトを組み合わせたスズキ独自のハイブリッドシステム搭載車が追加されています。
スイフトスポーツには6速MTの用意も
さらに同年9月には国内市場でスイフト初の3ナンバーボディを採用したスポーツモデルのスイフトスポーツがラインナップに加わりました。スイフトスポーツは230Nmという最大トルクをワイドバンドで発生する1.4L直4ターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTもしくは6速ATが組み合わされます。駆動方式は2WD(FF)だけですが、軽量化されたボディとの相乗効果により、クラストップの走行性能を発揮します。
安全装備では、当初から単眼カメラと赤外線レーザーレーダーという2つの異なるデバイスを採用した衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート」を「セーフティパッケージ」として設定、高速道路などで先行車との距離を一定に保つアダプティブクルーズコントロールも用意されていました。
マイナーチェンジで外観やグレード構成を刷新
そして2020年5月にスイフト/スイフトスポーツはマイナーチェンジを行い、安全装備を充実させました。グレード構成でスイフトスポーツは変更なしですが、標準車のスイフトは1Lターボエンジンが廃止され、1.2Lガソリンエンジン搭載車を2グレード、マイルドハイブリッドを2グレード、そしてハイブリッドを1グレードと合計5グレードに集約しました。
外観デザインでは、立体感を強めた新デザインのフロントメッキグリルやアルミホイールを採用。さらにRS、ハイブリッドRS、ハイブリッドSZには専用のエアロパーツを採用し、精悍さが強調されました。また、全グレードに2トーンルーフ仕様を設定し、スイフト10色、スイフトスポーツ9色のボディカラーを用意しています。
安全装備だけでなく運転支援機能もトップレベルに
しかし、今回の改良のメインは安全装備の充実です。衝突被害軽減ブレーキに「後退時ブレーキサポート」機能を追加、後方誤発進抑制機能であるリアパーキングセンサーも搭載しました。アダプティブクルーズコントロールも全車速追従機能付にアップデートされ、車線逸脱抑制機能、標識認識機能も採用しています。さらに時速約15km以上で走行中、隣接車線の後方から接近する車両を検知しドライバーに知らせるブラインドスポットモニター[車線変更サポート付]を採用。点灯した側にウインカーを操作すると、インジケーターの点滅と警報音で注意を促します。駐車場などで自車が低速で後退しているとき、自車の後方左右から接近する車両を検知し、メーター内の表示と警報音で注意を促すリヤクロストラフィックアラートも採用するなど、運転支援システムが非常に充実し、クラストップレベルの安全性を実現しています。
燃費性能も最新のWLTCモードでスイフトは19.6〜23.0km/L。スイフトスポーツでも16.6〜17.6km/Lと合格点を与えられるレベルです。
軽自動車と変わらないリーズナブルな価格
スイフト/スイフトスポーツの車両本体価格はスイフトが153万5,600〜208万7,800円。スイフトスポーツが201万7,400〜208万8,900円と軽自動車と変わらない水準となっています。
高い走行性能と安全性そして優れた燃費性能と三拍子揃ったコンパクトカーがスイフト/スイフトスポーツなのです。中でもRSと呼ばれるグレードは欧州で鍛え上げられた専用のサスペンションやタイヤを装着したこだわりのグレード。このRS、またはマイルドハイブリッドRSがスイフトの中でもベストバイのグレードといえます。
■スズキ スイフト価格表
グレード | 駆動方式 | WLTCモード燃費(km/L) | 車両本体価格 |
---|---|---|---|
XG | 2WD・5MT | 21.8 | 1,535,600円 |
2WD・CVT | 20 | 1,540,000円 | |
4WD | 18.8 | 1,697,300円 | |
ハイブリッドMG | 2WD | 21 | 1,633,500円 |
4WD | 19.6 | 1,790,800円 | |
RS | 2WD・5MT | 21.8 | 1,782,000円 |
2WD・CVT | 20 | 1,786,400円 | |
4WD | 18.8 | 1,943,700円 | |
ハイブリッドRS | 2WD | 21 | 1,879,900円 |
4WD | 19.6 | 2,037,200円 | |
ハイブリッドSZ | 2WD | 23 | 2,087,800円 |
スポーツ | 2WD・6MT | 17.6 | 2,017,400円 |
2WD・6AT | 16.6 | 2,088,900円 |
※記事の内容は2020年9月時点の情報で制作しています。