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トヨタC-HRは2016年の12月にデビュー。世界的に人気を集めるSUV市場に満を持してトヨタが投入したコンパクトSUVです。
C-HRは2015年12月に登場した現行型のプリウスで採用された新しいトヨタのクルマ作りの理念、「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)よって開発されたTNGAプラットフォームを使用しているモデルです。TNGAプラットフォームの採用はC-HRがプリウスに続いて2車種目となります。
ダイヤモンドをモチーフにした個性的なエクステリア、プリウス譲りの好燃費によって大人気を博し、2017年SUV新車販売台数第1位を獲得しています。
デビュー直後から一躍トヨタの人気車種に躍り出たC-HRの燃費、そして走行性能や乗り心地についても見ていきましょう。
C-HRの燃費性能を徹底調査
燃費性能に定評のあるトヨタ車の中でも、プリウスはひときわ燃費性能に優れた車種ですが、同じプラットフォームを持つC-HRの燃費はどのようになっているのでしょうか。
C-HRのカタログ燃費
まずはカタログ燃費をチェックしてみましょう。
C-HRでは1.2L直噴ガソリンターボエンジンと1.8 Lガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類のパワートレインを用意しています。
ハイブリッド車は2WD車のみ、ターボ車は2WDと4WD車の2種類が用意されています。
ハイブリッド車のカタログ燃費(JC08モード)は30.2㎞/L、 ターボ車では2WD車が16.4㎞/L、4WD車で15.4㎞/Lとなっています。
ハイブリッド車では30㎞/L越えと、かなりいい数値になっていますね。ターボ車に関しては平均的な数値、というところでしょう。
C-HRの実燃費
では次にC-HRの実燃費をチェックしてみます。e燃費のデータを参考にしてみましょう。
ハイブリッド車の実燃費が20.92㎞/L、 ターボ車は2WD車が17.78㎞/L、4WD車が12.65㎞/Lという数値になっています。
ハイブリッド車ではカタログ燃費と実燃費の差が開きましたが、ガソリンターボ車においてはあまり差がないですね。2WD車のターボ車においては実燃費の方がカタログ燃費を上回っています。
カタログ燃費と差があるものの、ハイブリッド車において実燃費は20㎞/Lを超える数値になっています。SUV車でこの数値であればライバル車を寄せ付けない十分な燃費性能といっていいでしょう。ターボエンジンの2WD車の好燃費は、ダウンサイジングターボとはいえ少々驚きの数値です。
プリウスのみならずC-HRにおいても、トヨタハイブリッドの貫禄を見せつけた結果になりました。
C-HRの走行性能、乗り心地はどんな仕上がりに?
C-HRに採用されたTNGAプラットフォームは、燃費性能だけではなく走行性能にも大きな影響を与えています。
C-HRのレビュー記事で評論家の萩原さんは、このプラットフォームが採用されたことについて「 優れた安全性や燃費性能に加えて、従来のトヨタ車の弱点と言われてきた『走りのしっかり感』を獲得することにも成功しています」と書いています。
精悍なエクステリアの印象に似合った走りが期待できるようですね。
C-HRのコンセプトは「我が意の走り」。トヨタはそれを実現するためレスポンス(操作に瞬時に反応する)、リニアリティ(操作量に応じてその通りに反応する)、コンシステンシー(路面状況や車速に関わらず車両の応答に統一感がある)の3点を重視して開発したといいます。
このC-HRの開発においては、高級スポーツカーのテストコースとしてよく知られているドイツのニュルブルクリンク北コースをはじめとする世界中のコース、そして欧州の一般道でも走行テストを繰り返し行いました。その距離はなんと10万㎞にも及ぶとか。
萩原さんによればこの走行テストによって「運動性能にSUVならではの味付け」が行われているとのこと。SUVらしい、しっかりとした走りを実現しているようです。
萩原さんが書いているような従来のトヨタ車の走りにおける弱点部分がC-HRでは改善されていることも、C-HRが人気を博した一因でもあるのでしょう
フロント、リア共にサスペンションも新開発され、その結果、あらゆる道路環境で優れた乗り心地と操縦安定性を持つクルマになっているようです。
また、ターボエンジンの4WD車について萩原さんは「発進時や滑りやすい路面を走行する際には最適なトルクを後輪に配分するので、路面状況の変化に関わらず安定した走行性能を発揮してくれます。」とコメントしています。
C-HRはアウトドアなどのレジャーユースを主に考えている方にはターボ車、日常的な街乗りが面になるにはハイブリッド車と、幅広い層にアピールするラインナップとしたことで人気が爆発したのかもしれませんね。
燃費は抜群、走行性能も申し分ないC-HR
C-HRはカタログ燃費においてはもちろん、実燃費もかなりいい数値となっています。
従来のトヨタの弱点でもあった走行性能でも満足のいく仕上がりに。燃費性能、乗り心地、そして走行性能の良さに加えて個性的でスタイリッシュなエクステリアとくれば、向かうところ敵なし、といったところですね。
※記事の内容は2018年11月時点の情報で執筆しています。