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各自動車メーカーが低燃費競争を繰り広げていることから、近年の新型車は一昔前の車と比較すると飛躍的に燃費性能や環境性能が向上しています。しかし、それでも車種によって燃費には差があるため、燃費性能は車選びの際に注意して確認しておきたいポイントのひとつであるといえるでしょう。
ここでは、トヨタ「アリオン」の燃費について紹介します。
この記事のPOINT
- 駆動方式別カタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 WLTC モードカタログ燃費 実燃費 2WD 14.4 ~ 17.8km/L 14.48 ~ 16.8km/L 4WD 14.2km/L 13.4km/L - アリオンのカタログ燃費はライバル車の日産「シルフィ」の燃費を上回る
- 高剛性ボディと新設計サスペンションで高い静粛性を確保
アリオンの燃費の特徴
現行型のアリオンは2007年6月に登場し、すでに10年を超えるロングセラーモデルとなっています。その間、数回のマイナーチェンジを繰り返し、細かくエンジンやトランスミッション、オルタネーターなどに改良を加え時代に合った燃費性能を追求してきました。
さらに2014年のマイナーチェンジでは、一部グレードに一時停止時にエンジンを自動で停止して燃料の消費を抑え、実燃費向上に貢献するアイドリングストップ機構を搭載しており、息の長いモデルながら現在の燃費競争に対抗できる燃費性能を有したモデルとなっています。
アリオンのカタログ燃費
アリオンには1.5L直列4気筒、1.8L直列4気筒、2.0L直列4気筒の3種類のエンジンの設定があり、トランスミッションはいずれのエンジンにもCVTが組み合わされています。駆動方式は1.8Lエンジンにのみ4WDが設定され、1.5L、2.0Lエンジンでは2WDのみとなっています。
アリオンのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
A15/A15“G パッケージ” /A15“G-plus パッケージ” | 2WD | 17.8km/L |
A18/A18“G パッケージ” /A18“G-plus パッケージ” | 2WD | 15.0km/L |
4WD | 14.2km/L | |
A20/ A20“G-plus パッケージ” | 2WD | 14.4km/L |
アリオンの実燃費
現在、アリオンに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、アリオンの実燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
A15/A15“G パッケージ” /A15“G-plus パッケージ” | 2WD | 14.5km/L |
A18/A18“G パッケージ” /A18“G-plus パッケージ” | 2WD | 16.8km/L |
4WD | 13.4km/L | |
A20/ A20“G-plus パッケージ” | 2WD | ※ データなし |
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしては、日本でこれまで使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。その点を考慮すると、1.5Lエンジンの2WD車ではカタログ燃費と実燃費の差が大きいといえますが、1.8Lエンジン車では2WD車は実燃費の数値がカタログ燃費を超えており、4WD車も差は小さい状態になっています。
アリオンとライバル車のカタログ燃費を比較
アリオンのライバル車としては日産「シルフィ」やマツダ「MAZDA3」などが挙げられます。ここでは、この2車種とアリオンのカタログ燃費を比較してみましょう。
日産「シルフィ」
アリオンの筆頭ライバルといえるのがこの日産「シルフィ」でしょう。コンパクトなボディながらセダンらしい気品と優雅さを備え、後部座席のゆとりある居住空間が特徴のモデルです。
シルフィのJC08モードカタログ燃費は、全グレード共通で15.6km/Lとなっています。
シルフィの燃費はJC08モードで計測されておりアリオンとは計測方法が異なるので一概には比較できませんが、アリオンが採用しているWLTCモードはJC08モードよりも1.5~3割程度、カタログスペックが悪くなる傾向があります。
その点に配慮すると、アリオンの燃費はシルフィよりも優れているといえるのではないでしょうか。
マツダ「MAZDA3」
マツダならではの「人馬一体の走り」が体感できる走行性能の高さと優れた燃費性能を両立させたマツダ「MAZDA3」。端正でスタイリッシュなエクステリアも魅力的です。
MAZDA3のWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
エンジン | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
1.5L ガソリン(全グレード) | 2WD | 16.6km/L |
4WD | 15.8km/L | |
2.0L ガソリン(全グレード) | 2WD | 15.8km/L |
4WD | 15.2km/L | |
2.0L エンジン + マイルドハイブリッド(全グレード) | 2WD | 17.2km/L |
4WD | 16.2km/L | |
1.8L ディーゼルターボ(全グレード) | 2WD | 20.0km/L |
4WD | 19.0km/L |
1.5Lエンジンの2WD車においてはアリオンの燃費がMAZDA3にまさっていますが、そのほかではMAZDA3のほうが燃費性能に優れていることがわかります。
アリオンの乗り心地
アリオンでは高剛性ボディと新たに設計されたサスペンションを採用し、車内で快適に過ごせる静粛性を確保しました。
また、高速道路や自動車専用道路において一定速度を保って走行することでドライバーの疲労を軽減する「クルーズコントロール」など、安定した快適な乗り心地をサポートする機能も搭載されています。
アリオンは取り回しがしやすく燃費のいいセダンを探している方におすすめ
SUVが車のスタイルの主流となっている現在、取り回しのしやすいサイズのセダンはそれほど多くありません。5ナンバーサイズのアリオンは貴重な存在といえるでしょう。
セダンには愛着があるけれども大型のセダンは扱いにくいという方や、燃費のいいセダンを探している方にはぴったりの1台となるのではないでしょうか。
※記事の内容は2020年6月時点の情報で執筆しています。