軽自動車の大きな魅力のひとつとして、経済性の高さが挙げられるでしょう。税制面で普通車よりも負担が軽いほか、排気量に規制がありボディサイズも小さいので燃費も良い傾向にあります。しかし、同じ軽自動車でも車種によって燃費性能には大きな差があるため、車選びの際には燃費性能をチェックしておくことが大切です。
ここでは、ダイハツ「アトレーワゴン」の燃費性能について紹介します。
よくある質問
Q1:アトレーワゴンのカタログ燃費はどのくらい?
A:アトレーワゴンに採用されているパワートレインは660cc直列3気筒ターボエンジン+4ATの1種類のみで、駆動方式は全グレードに2WDと4WDの設定があります。アトレーワゴンのWLTCモードカタログ燃費は2WD車が14.2km/L、4WD車が13.4km/Lです。
Q2:アトレーワゴンの実燃費は?
A:アトレーワゴンの実燃費は2WD車が18.6km/L、4WD車が15.0km/Lです。アトレーワゴンは実燃費がカタログ燃費を上回っています。
Q3:アトレーワゴンとライバル車のカタログ燃費を比較すると?
A:アトレーワゴンのライバル車としては、ホンダ「N-VAN」やスズキ「エブリイワゴン」が挙げられます。この2車種とアトレーワゴンの燃費を比較すると、N-VANとエブリイワゴンの2WD車の燃費には後れを取っていますが、エブリイワゴン4WD車の燃費は上回っています。
Q4:アトレーワゴンの走行性能は?
A:アトレーワゴンは車の重心がほぼ中央に来るフロントミッドシップレイアウトを採用していることに加え、突き上げ感を抑えて乗用に適したサスペンションを使用しているため、乗車人数や荷物の多さにかかわらず安定した走りを実現しています。
アトレーワゴンの燃費の特徴
2005年に登場した現行型のアトレーワゴンは、パワーや環境性能、燃費性能、信頼性など全方向でのトップレベルの実現を目指したダイハツのTOPAZ NEOエンジンを搭載しています。
また停止前の減速時、車速約9km/h以下になるとエンジンを自動で停止させ、燃料の消費を抑制する停車前アイドリングストップシステム「エコアイドル」や、燃費の良い運転の実施をサポートする「エコドライブアシスト照明」など、実燃費向上に関する技術も搭載されているのが特徴といえるでしょう。
アトレーワゴンのカタログ燃費
アトレーワゴンのパワートレインは、660cc直列3気筒ターボエンジンの1種類で、組み合わされるトランスミッションは4AT、駆動方式は2WDと4WDを用意しています。
アトレーワゴンのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
カスタムターボRS“SA Ⅲ” | 2WD | 14.2 |
4WD | 13.4 | |
カスタムターボRS“リミテッドSA Ⅲ” | 2WD | 14.2 |
4WD | 13.4 |
アトレーワゴンの実燃費
自社調べで、全国の現行型のアトレーワゴンのオーナーに調査したところ、アトレーワゴンの実燃費は以下のようになりました。
起動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|
2WD | 18.6 |
4WD | 15.0 |
WLTCモードは、従来日本で使用されてきたJC08 モードよりも実燃費との差が小さい燃費の計測方法とされています。
JC08 モード燃費は平坦な道を一定の条件下で走行し計測されますが、WLTCモード燃費は「市街地」「郊外」「高速道路」と実際の使用環境に近い状況で計測されます。そのため、JC08 モードカタログ燃費と実燃費の差が3割程度とされているのに対し、WLTCモードカタログ燃費と実燃費の差は1~1.5割程度が平均的であるとされています。
もちろん走行環境や運転の仕方、荷物の積載状況によっても実燃費は左右されますが、アトレーワゴンの実燃費はカタログ燃費よりも良い傾向にあるといえそうです。
アトレーワゴンとライバル車のカタログ燃費を比較
アトレーワゴンのライバル車としては、ホンダ「N-VAN」やスズキ「エブリイワゴン」が挙げられます。ここでは、この2車種とアトレーワゴンのカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「N-VAN」
ホンダ「N-VAN」は助手席側のBピラーをなくし、さらに低床設計を採用することによって大開口を確保。荷室へのアクセスがしやすく、商用車である利点をうまく活かしたことによって、使い勝手の良さを向上させたモデルです。
N-VANのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | トランスミッション | 燃費(km/L) |
---|---|---|---|
G | 2WD | 6MT | 19.8 |
CVT | 19.2 | ||
4WD | 6MT | 18.0 | |
CVT | 17.4 | ||
L | 2WD | 6MT | 19.8 |
CVT | 19.2 | ||
4WD | 6MT | 18.0 | |
CVT | 17.4 | ||
+STYLE FUN | 2WD | 6MT | 19.8 |
CVT | 19.2 | ||
4WD | 6MT | 18.0 | |
CVT | 17.4 | ||
+STYLE FUN・ターボ | 2WD | CVT | 18.8 |
4WD | CVT | 17.0 |
いずれの駆動方式・トランスミッションにおいてもN-VANの燃費がアトレーワゴンの燃費よりも良い数値となっていることがわかります。
スズキ「エブリイワゴン」
スズキ「エブリイワゴン」は室内長2,240mm、室内幅1,355mm、室内高(ハイルーフ車)1,420mmの軽キャブワゴンNo.1(2021年3月、スズキ調べ)の室内サイズを誇り、大人4人がゆったり座れてなお荷物がたくさん積み込めるのが魅力です。
エブリイワゴンのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
JPターボ | 2WD | 13.4 |
4WD | 13.0 | |
PZターボ | 2WD | 13.4 |
4WD | 13.0 | |
PZターボスペシャル | 2WD | 13.4 |
4WD | 13.0 |
アトレーワゴンとの比較では、2WD車はエブリイワゴンの燃費がアトレーワゴンを上回っていますが、4WD車においてはアトレーワゴンの燃費がエブリイワゴンよりも優れた数値になっています。
アトレーワゴンの走行性能・乗り心地
アトレーワゴンでは、重心がほぼ車両の中央になるフロントミッドシップレイアウトの採用や突き上げ感を抑える乗用に適したセッティングのサスペンションの採用により、荷物の量や乗車人数にかかわらず安定した走りを実現しました。
加えて液状制振材を採用、遮音材の最適配置によってエンジン透過音やロードノイズを低減し、高いレベルでの静粛性を確保しています。
カタログ燃費と実燃費の差が少ないアトレーワゴン
現行型のアトレーワゴンは2005年に登場したモデルということもあり、今となっては燃費性能が極めて優れている、というわけではありませんが、日常的に使用する車として問題ないレベルの燃費は実現しています。カタログ燃費と実燃費の差が少ないのも評価できるポイントといえるでしょう。
燃料費を負担に感じることなくカーライフを安心して楽しむために、車選びの際には燃費性能を確認しておくことをおすすめします。
※記事の内容は2021年5月時点の情報で執筆しています。