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走行性能や安全性能、デザイン性など、車選びの際に何を重視するのかは人それぞれです。経済性も車選びのひとつの要素になるでしょう。車を維持していく上でかかるコストが気になるのであれば、燃料費を左右する燃費性能のチェックは欠かせません。
ここでは、トヨタ「ポルテ」の燃費性能について紹介します。
この記事のPOINT
- 駆動方式別カタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 WLTCモードカタログ燃費 実燃費 2WD 19.0km/L 16.4km/L 4WD 14.8km/L 11.6km/L - ポルテは2WD車と4WD車の燃費の差が大きい
- 最小回転半径5.0mを実現し、取り回しやすさが魅力
ポルテの燃費の特徴
2012年7月に登場した現行型の2代目ポルテは、コンパクトなボディサイズでありながらゆとりのある室内空間を確保していることに加え、助手席側にスライドドアを採用するなどの使い勝手の良さが評価されています。
2015年7月の一部改良では、世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」を生み出したトヨタならではのハイブリッド技術を活かし、2WD車にハイブリッド並みの優れた熱効率を実現した高熱効率・低燃費エンジン「2NR-FKE」を搭載しました。
加えてオプション設定であったアイドリングストップ機構を標準装備し、燃費を向上させています。しかし、4WD車には現在に至るまで「2NR-FKE」型エンジンは搭載されず、アイドリングストップ機構も採用されていないので、2WD車と4WD車の間に大きな燃費の差が開いている、というのが現状です。
ポルテのカタログ燃費
ポルテのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
X | 2WD | 19.0km/L |
4WD | 14.8km/L | |
Y | 2WD | 19.0km/L |
4WD | 14.8km/L | |
F | 2WD | 19.0km/L |
4WD | 14.8km/L | |
G | 2WD | 19.0km/L |
4WD | 14.8km/L |
ポルテの実燃費
現在、ポルテに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、ポルテの実燃費は以下のとおりです。
駆動方式 | 燃費 |
---|---|
2WD車(全グレード) | 16.4km/L |
4WD車(全グレード) | 11.6km/L |
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしてはこれまで日本で使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではありません。運転の仕方や走行環境にもよりますが1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。そのため、ポルテのカタログ燃費と実燃費の差は2WD車では平均程度ですが、4WD車は平均よりも差が大きいといえるでしょう。
ポルテとライバル車のカタログ燃費を比較!
ここでは、ポルテと同様にスライドドアを備えるコンパクトカー、トヨタ「タンク」とスズキ「ソリオ」のカタログ燃費とポルテのカタログ燃費を比較してみましょう。
トヨタ「タンク」
5人が乗車してもゆったりとくつろげる広い室内空間や積載性の高さが魅力のトヨタ「タンク」。分割可倒式のリアシートを採用しているため、ミニバンのように多彩なシートアレンジが可能なのも魅力です。
タンクのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
X | 2WD | 24.5km/L |
4WD | 22.0km/L | |
X”S“ | 2WD | 24.5km/L |
4WD | 22.0km/L | |
G | 2WD | 24.5km/L |
4WD | 22.0km/L | |
G-T | 2WD | 21.8km/L |
カスタムG | 2WD | 24.5km/L |
4WD | 22.0km/L | |
カスタムG-T | 2WD | 21.8km/L |
燃費の計測方法がポルテはWLTCモード、タンクではJC08モードと異なっているため単純比較はできませんが、WLTCモードはJC08モード燃費と比較すると1.5~3割程度カタログスペックとしては悪くなるといわれています。
その点に配慮すると、2WD車はほぼ同じ燃費性能、4WD車ではタンクの燃費がポルテを上回っているといえるでしょう。
スズキ「ソリオ」
リアに両側スライドドアを採用したスズキ「ソリオ」はその使い勝手の良さが評価され、大ヒットとなったモデルです。高速道路で先行車に追従走行してドライバーの負担を軽減するアダプティブクルーズコントロールなどの先進装備を搭載しているのも人気の理由のひとつだといえるでしょう。
ソリオのJC08モード燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
G | 2WD | 24.8km/L |
4WD | 22.0km/L | |
HYBRID MX | 2WD | 27.8km/L |
4WD | 23.8km/L | |
HYBRID MZ | 2WD | 27.8km/L |
4WD | 23.8km/L | |
HYBRID SX | 2WD | 32.0km/L |
HYBRID SZ | 2WD | 32.0km/L |
燃費の計測方法で生じる差を考慮しても、ソリオの燃費がポルテを上回っています。
ポルテの走行性能
ポルテの最小回転半径は5.0m。そのため狭い路地や細い道でも取り回しやすく、縦列駐車やUターンなどもスムーズに行えるのが魅力です。
また、4WD車には車両の状態に合わせて最適な駆動力を配分し、通常走行時はもちろんコーナリングの安定走行をサポートしてくれるアクティブトルクコントロール4WDを採用し、安心して快適なドライブが楽しめるように工夫されています。
アップデートが期待されるポルテ
2WD車は2015年の一部改良時にパワートレインがアップデートされていますが、4WD車においては2012年の現行型の登場以降パワートレインに手が加えられておらず、今となっては若干燃費性能が物足りないといわざるをえません。
ハイブリッド車をラインナップしているコンパクトカーも多い時代です。燃費性能には定評のあるトヨタらしく、ポルテにも時代に合った燃費性能を備えることを期待したいところだといえるでしょう。
※記事の内容は2020年6月時点の情報で執筆しています。