車選びの際に注意すべきチェックポイントはさまざまありますが、その中でも燃費は忘れずに確認したい重要な部分です。燃費が高くなりがちな大型ミニバンであればなおさらしっかりとチェックしておきましょう。
ここでは、日産「エルグランド」の燃費について紹介します。
この記事のPOINT
- 駆動方式別WLTCモードカタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 カタログ燃費(km/L) 実燃費(km/L) 2WD 8.7~10.0 7.1~8.6 4WD 8.4~9.7 7.8~9.3 - ライバル車のトヨタ「アルファード」やホンダ「オデッセイ」の燃費には後れを取っている
- 低重心プラットフォームの採用による安定した走りを実現
エルグランドの特徴
1997年に登場したエルグランドは、高級ミニバンというジャンルの先駆けとなったモデルで、存在感のあるエクステリアデザインとインテリアの豪華さ、そして広い室内空間が大人気を博しました。「キング・オブ・ミニバン」と呼ばれ、日産の最高級ミニバンとして君臨し続けています。
現行モデルは2010年にデビューした3代目モデルです。2018年の12月には自動ブレーキやブレーキとアクセルの踏み間違い事故の防止をサポートする踏み間違い衝突防止アシスト機能などの先進安全技術を追加。さらに2020年10月のマイナーチェンジではエクステリアを大きく刷新。
現在的でスタイリッシュなデザインになったことに加え、さらに安全性能を向上させ、商品力を維持しています。
エルグランドのカタログ燃費
エルグランドのパワートレインは2.5L直列4気筒ガソリンエンジンと3.5LV6ガソリンエンジンの2種類で、ハイブリッドはラインナップされていません。いずれのパワートレインにも2WDと4WDの2種類の駆動方式があります。
エルグランドのWLTCモード燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
250Highway STAR S/ 250Highway STAR S Urban CHROME/ 250Highway STAR Premium/ 250Highway STAR Premium Urban CHROME | 2WD | 10.0 |
4WD | 9.7 | |
350Highway STAR/ 350Highway STAR Urban CHROME/ 350Highway STAR Premium/ 350Highway STAR Premium Urban CHROME | 2WD | 8.7 |
4WD | 8.4 |
エルグランドの実燃費
エルグランドに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e 燃費」によると、エルグランドの実燃費(2021年5月25日時点)は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
250Highway STAR S/ 250Highway STAR S Urban CHROME/ 250Highway STAR Premium/ 250Highway STAR Premium Urban CHROME | 2WD | 8.6 |
4WD | 9.3 | |
350Highway STAR/ 350Highway STAR Urban CHROME/ 350Highway STAR Premium/ 350Highway STAR Premium Urban CHROME | 2WD | 7.1 |
4WD | 7.8 |
WLTCモードは、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。
カタログスペックとしてはこれまで日本で使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境によって1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。そのため、エルグランドのカタログ燃費と実燃費の差は概ね平均値の範囲内ですが、3.5L車の2WDはわずかながら平均値より差が大きいといえるでしょう。
エルグランドとライバル車のカタログ燃費を比較
燃費の良さをチェックするには同クラスのライバル車と比較するのもひとつの方法です。ここではトヨタ「アルファード」とホンダ「オデッセイ」と比較してみましょう。
トヨタ「アルファード」
「アルファード」はトヨタの最上級ミニバンで、エルグランドのライバル車の筆頭ともいえるモデルです。現行型は「大空間高級サルーン」をコンセプトに開発され、ラグジュアリーさを前面に出しているのが特徴。幅広い層に高い人気を誇っています。
アルファードのWLTCモードカタログ燃費は、ハイブリッド(4WDのみ)車は全グレード14.8km/L。ガソリン車は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
S/S“Cパッケージ” | 2WD | 10.6 |
4WD | 10.6 | |
SC | 2WD | 9.9 |
4WD | 9.6 | |
X | 2WD | 10.8 |
4WD | 11.0 | |
GF | 2WD | 10.2 |
4WD | 9.9 | |
Executive Lounge | 2WD | 10.2 |
4WD | 9.9 | |
Executive Lounge S | 2WD | 9.9 |
4WD | 9.6 |
ハイブリッド車はもちろんのことですが、ガソリン車においてもエルグランドはアルファードに後れを取っているという結果になりました。
ホンダ「オデッセイ」
ホンダ車に期待される走行性能と3列目シートまでゆったりと過ごせる快適で広い室内空間を両立させたホンダ「オデッセイ」は、ホンダ自慢の安全運転支援パッケージ「Honda SENSING」を全グレードに標準装備し、高い安全性を誇るモデルです。
オデッセイのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
ABSOLUTE | 2WD | 12.8 |
4WD | 12.2 | |
ABSOLUTE・EX | 2WD | 12.4 |
4WD | 11.6 | |
e:HEV ABSOLUTE | 2WD | 20.0~20.2 |
e:HEV ABSOLUTE・EX | 2WD | 19.8 |
車両重量の差もありますが、オデッセイとの比較においてもエルグランドは燃費性能では劣るといわざるをえない状況といえるでしょう。
エルグランドの走行性能・乗り心地
走行性能や乗り心地もしっかりとチェックしておきましょう。実際に使用していく上で無視できないポイントです。
エルグランドは最高級ミニバン専用にチューニングを施した低重心プラットフォームを採用し、さらに最適化させた薄型大容量燃料タンクを搭載することによって車高が高いミニバンであってもふらつきにくく、安定性のある走りを実現しました。
モータージャーナリスト・萩原文博さんの試乗記でエルグランドの走行性能を詳しくチェック!
フルモデルチェンジが待たれるエルグランド
エルグランドの現行モデルは2010年に登場と、かなり月日が経っているので燃費性能が少し物足りない印象は否めないでしょう。ライバル車と比較しても少しきびしい状態なので、時代に合わせてもう少し燃費性能が向上してほしいところです。
ハイブリッドモデルのラインナップが必須ともいえる時代性を考えると、今後のフルモデルチェンジでエルグランドにもハイブリッドモデルが導入されることが期待されます。
高級ミニバンの先駆けとして名を馳せているエルグランド。その誕生からは20年以上が経っていますが、日産の最上級ミニバンとしての真価が問われる時期に来ているといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:エルグランドのカタログ燃費はどのくらい?
A:エルグランドは2.5L直列4気筒ガソリンエンジンと3.5LV6ガソリンエンジンの2種類のパワートレインで、ハイブリッドの設定はありません。エルグランドのWLTCモードカタログ燃費は2.5L直列4気筒ガソリンエンジン2WD車が10.0km/L、4WD車が9.7km/L、3.5LV6ガソリンエンジン2WD車が8.7km/L、4WD車が8.4km/Lです。
Q2:エルグランドとライバル車のカタログ燃費を比較すると?
A:エルグランドのライバル車としてはトヨタ「アルファード」やホンダ「オデッセイ」が挙げられます。この2車種とエルグランドのカタログ燃費を比較すると、エルグランドの燃費の数値は両車種に後れを取っていることがわかります。
Q3:エルグランドの実燃費とカタログ燃費の差は?
A:エルグランドの実燃費は2.5L直列4気筒ガソリンエンジン2WD車が8.6km/L、4WD車が9.3km/L、3.5LV6ガソリンエンジン2WD車が7.1km/L、4WD車が7.8km/Lです。WLTCモードカタログ燃費は実燃費との間に1~1.5割程度の差があるのが一般的であることを考えると、エルグランドの実燃費とカタログ燃費の差は概ね平均程度、3.5L車の2WDはわずかながら平均値より差が大きいといえるでしょう。
※記事の内容は2021年5月時点の情報で執筆しています。