ジャパンモビリティショー2025が、東京・お台場にある東京ビッグサイトにて、10月31日~11月9日まで開催されました。ルーツとなる第1回東京モーターショーが開催されたのが1954年、2021年の第47回は新型コロナ感染症拡大により中止となりましたが、2023年の第48回からジャパンモビリティショー(以下JMS)に改称し、自動車や自動車のサプライヤーだけでなく、スタートアップ企業などを含めた幅広い分野の展示を行いました。来場者数は101万人を数えるなど大きな盛り上がりを見せたJMS2025。注目のクルマとモビリティを萩原文博さんが紹介します。
自動車だけでなく次世代モビリティも多く出品


改称されて2回目となるジャパンモビリティショー(JMS)は、その名の通り自動車だけでなく、次世代モビリティと呼ばれる乗り物も数多く展示され、実際に試乗できるものもありました。ジャパンモビリティショー2025で自動車(商用車・二輪車)を展示していたブースは、南ホール1・2、西ホール1、そして東ホール4~6です。ホール毎に注目の高いコンセプトカーや発売予定のクルマを紹介していきましょう。
ジャパンプライドの超プレミアム見参!(センチュリー)

今回のショーの目玉となったセンチュリーのコンセプトモデル
プレスデイのセンチュリーブースの熱狂(写真:編集部)
南ホール1・2は、トヨタ、レクサス、センチュリー、ダイハツのブースがあります。JMS直前にセンチュリーをロールスロイスやベントレーのような超プレミアムブランドとして展開すると発表があったばかりです。そのセンチュリーブランドのブースにはオレンジ色の2ドアクーペが飾られています。ホイールとボディの位置からSUVと思いますが、インパクトは抜群です。日本の技術力を結集して造るクルマとは一体どのような仕上がりなのか非常に興味が沸きます。
LSが6輪に!?(レクサス)

LSの名を冠した6輪ミニバン

流麗なスタイルが目をひくレクサススポーツコンセプト
レクサスブースには3モデルと空飛ぶクルマの「JOBY」を展示。6輪のミニバンというコンセプトの「レクサスLSコンセプト」そして「レクサススポーツコンセプト」は他のどのブランドには似ていないデザインと画期的なアイデアによりエッジの立ったモデルとなっています。
これがカローラか!(トヨタ)

来年で還暦を迎えるカローラ、大胆なこれが次期モデルなのか?

次期ハイエースのコンセプトモデルも登場

2代目FJは待望のコンパクトランクルに
トヨタブースで注目は「これがカローラか!」と思わず叫んでしまいそうなほどスポーティな「カローラコンセプト」、そして現行モデルのライフが約20年と長くなっているハイエースのコンセプトモデルを展示。2026年夏頃発売予定のラダーフレームを採用したコンパクトSUV「ランドクルーザーFJ」も出展され、人だかりができていました。
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次期コペンはFRで!軽初のHEVも(ダイハツ)

FRらしい伸びやかなサイドビューが魅力的なK-OPEN
リアもコペンの伝統を受け継いでいる(写真:編集部)
インテリアはまだモックアップだが次期コペンのFR化への熱意が伝わってくる(写真:編集部)
ダイハツは、“わたしにダイハツメイ。小さいからこそできること。小さいことからひとつずつ”をテーマに、次期型コペンを想像させるコンセプトカー「K-OPEN」を展示。軽のオープンカーをみんなに広めた初代「コペン」がもたらしたオープンエアーの気持ち良さを進化させるため、駆動方式はFR(後輪駆動)を採用しているそうです。

噂のフルハイブリッドをついに搭載
ミラクルオープンドアが次期タントを連想させる(写真:編集部)
そして、軽自動車初となるフルハイブリッド(HEV)のコンセプトカー「K-VISION」を出展。ロッキー/ライズのシリーズハイブリッドシステムをベースに小型化し、モーターならではの出足の良さや優れた燃費、非常時に役立つ外部給電機能といった魅力を軽自動車サイズで実現させています。そのほかにも「ミゼットX」や「YAYOIBAKO-K」といったスモールカーのコンセプトカーが並んでいます。
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エルグランド、パトロールで反撃開始!(日産)

西ホール1には、日産、三菱、そしてBMWという3つのメーカーのブースがありました。日産自動車は2026年度に販売を予定している新型エルグランドを参考出品しています。

Lクラスミニバンの元祖がついにフルチェンジ!
第3世代のe-POWERをはじめ、先進技術を搭載し、エルグランドのDNAである「運転の愉しさ」を電動化によってレベルアップさせています。またエルグランドのフルモデルチェンジは実に16年振りで、アルファード/ヴェルファイアとの差を縮められるか注目です。

捲土重来、打倒ランクルなるか
そして2026年に販売開始予定のフラッグシップSUV「パトロール」も展示。新開発の3.5L V6ツインターボエンジンや信頼性と耐久性に優れたシャシーによる卓越した走行性能は、フラッグシップSUVに相応しいレベルに仕上げていることでしょう。

フロントデザインを一新したアリアも展示
さらに2026年春までにマイナーチェンジを予定している日産アリアを参考出品。新型リーフ同様の先進性と上質感を感じるフロントデザインに一新、Googleを搭載したインフォテインメントシステムの採用や、EVのバッテリー電力を取り出すことができるV2L(Vehicle to Load)機能を追加するなど利便性を向上させています。また日産の歴史を象徴するモデルのひとつであるスカイラインは、400Rをベースにサスペンションなどをチューニングした400台限定販売の特別仕様車「400R Limited」が展示されていました。
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デリカD:5は最後の大改良?(三菱)

さらなる進化を遂げたデリカD:5
「FOREVER ADVENTURE」がコンセプトの三菱ブースには、販売開始したばかりのデリカミニをはじめ、大幅改良を行うオールラウンドミニバン「デリカD:5」のプロトタイプを出展。デリカD:5は「Enhanced all-round MPV」をコンセプトに、新たに三菱後自慢の四輪制御技術「S-AWC(Super-All Wheel Control)」を採用。また、路面状況に応じて最適な走行性能を発揮するドライブモードを強化することで、操縦安定性や走破性を向上させています。
3列6人乗りということは次期アウトランダー? 牽引するのはキッチンやシャワーブースを備えたトレーラー
コンセプトカーとしては電動クロスオーバーSUVの「ELEVANCE Concept」を出展。滑らかでシームレスなスタイリングにクアッドモーター4WD式の「S-AWC」を組み合わせることで、都市部から自然の中まで様々なシーンで快適で安心感のある走りを実現します。また、カーボンニュートラル燃料対応エンジンのPHEVシステムを搭載するなど環境にも配慮した内容となっていました。
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ブルドック再び!Super -ONE プロトタイプ(ホンダ)

ブルドックと呼ばれた往年のシティターボⅡを彷彿させる
東ホール4~6は、国産車メーカーはホンダ、マツダ、スズキ、スバル。輸入車メーカーは、メルセデス・ベンツ、ヒョンデ、BYDとモビリティショーらしい雰囲気が漂っているホールです。

ホンダもついに宇宙へ
ホンダは、クルマやオートバイに加えて、ジェット機やボート、そしてロケットを展示するなどモビリティショーを意識した展示です。クルマで注目なのは、次世代BEV 0(ゼロ)シリーズですが、軽自動車のN-ONEをモチーフとした「Super -ONE プロトタイプ」に、かつてブルドッグの愛称で人気となったシティターボIIにイメージを重ねた人も多いでしょう。

ハイブリッドのCR-Vもお披露目
また日本市場では水素を燃料としたFCEVしか展開されていなかったミドルサイズSUVのCR-Vですが、タイで生産しているハイブリッド車をまもなく導入する予定です。クリーンなイメージのFCEVとは異なりタフさを強調した外観デザインが特徴です。
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次期ワゴンRベースか?軽のBEVを発表(スズキ)

ついにスズキが軽EVを発表、次期ワゴンRもヒンジドアなのか?
スズキは、軽乗用BEVのコンセプトモデル「Vision e-Sky」を出展。「ユニーク・スマート・ポジティブ」をテーマに、前向きで明るい気持ちになれるデザインを表現しています。サイズ的に次期ワゴンRも連想させますが、軽自動車を「生活の足」として愛用されるお客様の毎日に寄り添うEVとして、2026年度内の量産化を目指しています。
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2ローターターボエンジンを搭載したPHEVシステムの美しい一台(マツダ)

マツダらしい美しいボディラインに2ローターターボエンジン!
マツダは、最高出力510psを発生する2ローターターボエンジンのPHEVシステムを搭載した「マツダビジョンクロスクーペ」と、愛らしいスタイルの「マツダビジョンクロスコンパクト」を世界初公開しました。
心洗われるキュートなコンセプトカー、次期マツダ2なのか?
マツダビジョンクロスクーペは、モーターのみで160km、エンジン併用で800kmの航続距離を実現するだけでなく、マツダ独自のCO2回収技術「マツダモバイルカーボンキャプチャー」を組み合わせることで走るほどに大気中のCO2を削減できるという画期的なシステムを採用しています。

CO2回収装置

3代目CX-5はガソリンオンリーに
そしてまもなくフルモデルチェンジを行う3代目の新型CX-5も展示。ディーゼルエンジンが廃止予定ということもあり、現行型と新型どちらを選べば良いか悩むところです。
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STIか、ワイルダーネスか!(スバル)

BEVのPerformance-E STI concept(写真:編集部)
スバルは、すでにスポーティブランドとして確立しているSTIをパフォーマンスシーンと位置づけ、また北米で展開している「ワイルダーネス」をアドベンチャーシーンを表現するブランドとして日本市場に導入する予定です。

タフネスさを強調したフォレスターワイルダーネス
そのアドベンチャーシーンを代表するクルマとして、「フォレスターワイルダーネスプロトタイプ」と新型BEVの「トレイルシーカープロトタイプ」をピックアップしました。フォレスターワイルダーネスプロトタイプは、専用のフロント&リヤバンパーや、拡大したホイールアーチクラッディング、専用LEDフォグランプなどを装備し、力強く表現したデザインと、過酷な環境でも安心して走れる、強化された走破性により、個性をさらに際立たせています。

BEVのトレイルシーカー
一方、日本で初公開されたトレイルシーカープロトタイプは、先進性とアクティブ&ラギッドを両立した頼もしいデザインや、スバルらしい大容量の荷室と積載性にもこだわった、使い倒せる新世代の実用SUVでした。
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自動車メーカー以外のクルマも

IT企業「SCSK」の提案

シャープの「LDK+」
自動車メーカー以外では、西ホール1にあるIT企業「SCSK」が手掛けるモビリティによって社会全体を動かす仕組みを共に創る「SCSK-car」を、台湾の鴻海が親会社のシャープは「LDK+」というBEVをそれぞれ出展しています。これまでは移動するための乗り物だったクルマが、停車中に何ができるかなど走行中以外でも活躍するモビリティの提案を行っています。
EV以外の選択肢にも未来が

中国からの黒船なのか、どことなく新型ルークスに似ているBYDの軽自動車BEV
ジャパンモビリティショー2025ではBYDが軽自動車のBEVに参入することを発表。2026年には販売開始される予定ということで話題を集めました。一方で国産メーカーはハイブリッドや水素など、EV以外の次世代パワーユニットが展示されていたことに時代の変化の速さを感じました。来場者数も100万人を超えるなど社会的にも存在感を示したモーターショー、いやモビリティショーだったと言えるでしょう。
(特記以外の写真:萩原文博)
※記事の内容は2025年11月時点の情報で制作しています。
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