車検は、車の安全性を確保するために義務づけられた検査登録制度です。しかし、車検の時期が近づくと出費がかさみ、憂鬱な気分になる方も多いのでは?そこで、車検代をできるだけ安く抑えるコツや、車検業者の選び方について、詳しくご紹介します。
車検にかかる費用の内訳は?
車検では、まとまったお金が必要となりますが、その費用を安く抑えるためには、まずその内訳をしっかりと把握しておきましょう。車検を安くするコツは、抑えられるところはできるだけ抑えるということです。一般的に車検の費用は、「法定費用」「基本費用」「部品交換費用」の大きく3つに分けられます。それぞれどのような内訳なのか、詳しく見ていきましょう。
法定費用
法定費用とは、法律で定められた費用です。車検の際に必ずかかる費用で、自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料があります。
自動車重量税は、車両の重量によって課税される税金です。車両重量と車検の期間によって課税額は異なり、エコカー減税の適用となります。
自賠責保険料は、自動車損害賠償責任保険料のことで、車検の有効期間は必ず加入しなければいけないものです。普通車では21,550円(24ヵ月契約)、軽自動車の場合には21,140円(24ヵ月契約)が必要となります。自賠責保険料は、離島や沖縄を除き、全国一律に定められています。
検査手数料は、車検を受ける際に必ずかかる手数料で、「印紙代」などといわれることもあります。継続検査の場合で、普通乗用車(3ナンバー車)は1,800円、小型乗用車(5ナンバー車)は1,700円、軽自動車の場合は1,400円と決まっています。
このように法定費用は金額が細かく定められているため、節約することはできません。
基本費用
次に基本費用ですが、これには点検費用と事務手数料があります。この2つの費用は必須ですが、車検を依頼する業者によっては金額に大きな差が出ます。そのため、車検費用を安く抑えたい場合は、注意すべきポイントです。どのように費用の差が出るのか、車検業者の種類や特徴については後述します。
部品交換費用
部品交換費用はその名前のとおり、車検によって修理が必要となったり、部品の劣化によって交換なくてはいけなかったりする際にかかる費用です。修理箇所や部品によって、出費の額は異なります。しかし、修理や交換をしなければ安全に走ることができないため、必要経費と考えられますが、安くするコツもあります。これも後述します。
車検の費用を安くするコツ
車検費用の内訳を詳しく見てきましたが、その中で安く抑えるコツは、金額が決まっている法定費用ではなく、車検業者によって違う基本費用をいかに下げられるか工夫することです。基本費用には点検費用と事務手数料がありますが、さらにどのような内容なのか、細かく確認していきましょう。
車検の項目を見直す
車検における定期検査の項目は、12ヵ月点検(1年ごと)で26項目、24ヵ月点検(2年ごと)で56項目が設けられています(自家用乗用車・軽自動車の場合)。しかし、見積りなどに最低限の点検以外の項目が入っていて、費用が発生する場合もあります。点検項目をしっかりとチェックして、車検を受ける前にどの項目が必要かを洗い出しておくといいでしょう。
車検費用の見積りを比較する
車検を安くするコツとして、費用が比較的安い業者に頼むのもひとつの方法です。どこへ車検に出すか決めかねる場合には、複数の業者から見積りをとって比較するといいでしょう。見積額の高い業者は、点検費用でそれほど重要でない部分の点検が入っていたり、事務手数料を取っていたりするので、よく見比べて選びましょう。
ユーザー車検をする
さらに、車検にかかる費用をできる限り抑えたい場合は、ユーザー車検も選択肢として挙げられます。ユーザー車検は、車検業者に依頼せず、自身で車検を行うため、点検費用がかかりません。ただし、準備や手続き、実際の点検など何もかも自分でやらなくてはいけないため、時間と手間がかかります。また、車検の点検項目の理解とともに、車の専門知識が必要となります。
車検業者の特徴と選び方
車検を安くするコツは、車検業者によって違う基本費用(点検費用と事務手数料)をいかに抑えるかということです。その最も重要なポイントとなる車検業者のそれぞれの特徴と選び方について、見ていきましょう。(各業者の基本費用相場は「2020年7月定額カルモくん調べ」の金額です)
ディーラー
車検を依頼する場合、ディーラーへ持っていくのが当たり前になっているかもしれません。ディーラー車検の特徴は、万全の整備を行ってくれることや、交換が必要な部品に関して純正品で対応することなどが挙げられます。
ほかの車検業者よりも品質やサービスの面で充実している分、点検費用や事務手数料は高めだといえるでしょう。基本費用の相場としては、約3.5〜10万円といわれています。なお、キャンペーンなどを実施していることも多く、将来的に下取りに出す際に優遇してくれることもあるので、車検に限らず、利用を検討してみるといいでしょう。
中古車販売店・カー用品店
近年は、中古車販売店やカー用品店でも車検が受けられるようになってきています。全国展開していて、よく訪れる中古車販売店やカー用品店があれば、車検も依頼できるか確認してみましょう。ただし、気軽に利用できるという反面、ディーラー車検に比べて検査設備が充実していなかったり、整備士の能力にばらつきがあったりという懸念もあります。
なお、基本費用の相場は、ディーラー車検に比べると数万円安い、約10,000〜45,000円とされています。ディーラー車検では部品交換に純正パーツが使われるので、その分高くなりますが、中古車販売店やカー用品店ではより安い部品にしてもらえるため、安く抑えることができます。車検費用を安くしたいのであれば、ぜひ検討してみてください。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも車検を受けることができます。ガソリンスタンドは、24時間営業の店舗があることや、普段よく利用している店舗で、気軽に車検を依頼できるというメリットがあります。ただし、車検のできる整備工場を併設しているガソリンスタンドは少ないため、実際の車検は連携している整備工場などに委託することになります。そのため、多少時間がかかったり、ディーラー車検に比べ品質にムラが出たりすることもあります。
また、ガソリンスタンドは、車検のあいだに代車の貸出しがない可能性があります。事前に代車の有無や、一時的に車がなくても大丈夫か、よく確認しておきましょう。なお、基本費用の相場は約15,000〜35,000円と安い傾向にあり、いつも使っているガソリンスタンドなら割引きしてもらえることもあるかもしれません。
整備工場
民間の自動車整備工場では、幅広い車種の車検に対応しています。質の高い技術力を持つベテランの整備士がいることから、しっかり点検してほしい場合におすすめです。ただし、担当する整備士によって個人差もあるため、事前にどの整備工場がしっかり点検をしてくれるかなど、口コミや評判をリサーチしておくと安心です。
なお、基本費用の相場は約20,000〜65,000円と、ディーラー車検よりは安いものの、中古車販売店・カー用品店やガソリンスタンドよりも高くなります。技術のある整備士が車検に当たるので、妥当な相場といえるでしょう。
車検費用をさらに安くするポイントと注意点
車検費用を安くするためのポイントはまだあります。車検業者を選ぶ際、あるいは利用する際に、以下のような点に注意してみてください。
早期割引予約などを利用する
車検業者の中には、早期予約で○%割引などといったサービス期間を設けている場合があります。車検の依頼を早めに予約することで割引きをしてもらえるため、これも車検費用を安くすることになるでしょう。
ただし、早い時期に予約して車検に出してしまうと、その後の車検の有効期限が短くなるため、費用の面で実は損をしていたということになってしまいます。車検満了日の1ヵ月以内で早めの時期に予約すると、損をすることもなく割引きを受けられるため、より費用を抑えられるでしょう。
基本料金以外に抑えられる費用は?
車検費用を節約できるのは基本費用と解説しましたが、実はそれ以外にも抑えられる費用があります。おもにディーラー車検の場合で、「予備整備」という費目が見積りに書かれているかもしれません。これは、特に故障しているわけではない部分でも、念のために部品交換や修理をする整備のことで、車検の基本料金に含まれていないため、料金が上乗せとなっている費用です。
車検の費用をどうしても安く抑えたい場合は、この予備整備は不要だということを事前に伝えたり、見積りを確認した時点で必要がないと希望したりして、カットすることもできます。
意外な費用を見積りでしっかり確認!
ディーラー以外に車検を依頼する際にも、見積りは取るようにしましょう。内訳をしっかり確認することで、今回は不要だと思う項目を省いて、費用を安くすることができます。車検に出す際の引き取りや、代車のレンタル料金などが後から追加されるケースもあります。これらも見積りの際に、しっかりと確認しておきましょう。
また、部品交換が必要となる場合は、カー用品店などで安く購入することもできます。そろそろ部品交換が必要だなとわかっていれば、カー用品店へ車検に出すということを検討してもいいでしょう。
付帯サービスや割引きには要注意
車検業者のなかには、安い車検費用や大幅な割引きを表示しておいて、実は車検とは関係ないサービスで利益を確保しているところもあるので、注意が必要です。車検代が安いと思って依頼したものの、いろいろな作業や付帯サービスで料金が上乗せとなり、結果的に高額になってしまうおそれもあります。車検代を安くうたっている車検業者を見つけた場合は、本当にお得なのかを注意して確認しましょう。
車検費用を払いたくないならカーリースがおすすめ!
マイカーを所有していると絶対必要となる車検費用ですが、やはり大きな出費となるのが悩みの種です。そこで、もし車検費用を払いたくないと思ったら、カーリースに切り替えるという方法もあります。
カーリースは、リース会社から車を借りて利用するサブスクリプションサービスです。月々の定額料金を支払えば、頭金も初期費用などもほとんどなく、すぐに利用できます。車検にかかる費用も月額料金に含められるプランもあり、車検のたびに大きな出費に悩むことなく車を持つことができます。
例えば、人気のカーリース「おトクにマイカー 定額カルモくん」なら、定額料金の中に自動車重量税や自賠責保険料、ディーラーの点検代が含まれています。また、メンテナンスプランに加入すれば、車検整備代や消耗品の交換代などの必要なメンテナンス費用も定額料金に含めることができます。
車検費用を安く抑えてカーライフを楽しもう!
車検費用を安くするコツは、車検費用の内訳を知り、見積りをよく確認することです。そして、車検業者を賢く選んで、必要のない費用を省略していきましょう。
また、そもそも車検自体が面倒くさいと思うなら、いっそ月々定額制のカーリースに切り替えるのもおすすめです。車検費用に悩むことなく、安心・安全なカーライフが送れることでしょう。
よくある質問
Q1:車検の費用を安くするコツはあるの?
A:あります。車検の費用は、「法定費用」「基本費用」「部品交換費用」の大きく3つに分けられます。法定費用は法律で定められた費用なので節約することはできません。基本費用には、点検費用と事務手数料がありますが、車検業者によっては金額に大きな差が出るため、見積りの安い業者を選びましょう。また、部品交換費用は、ディーラー車検は純正パーツを使用するため、高くつきます。中古車販売店やカー用品に車検を依頼すれば、もっと安く抑えられるでしょう。
Q2:車検費用は車検業者によって違う?
A:車検を依頼できる業者には、ディーラー、中古車販売店・カー用品店、ガソリンスタンド、整備工場などがあります。それぞれに特徴があり、見積りの費用も違ってきます。ディーラーは品質やサービスが充実している分、費用は高めになります。中古車販売店・カー用品店は、ディーラー車検に比べて安く抑えることができます。ガソリンスタンドも車検費用は安い傾向にあり、いつも使っているガソリンスタンドなら割引きしてもらえる可能性もあります。整備工場はベテランの整備士がしっかり点検をしてくれますが、ディーラー車検よりは安く、中古車販売店・カー用品店やガソリンスタンドよりも高くなる傾向です。
Q3:車検費用を払わず車に乗るにはどうしたらいい?
A:マイカーを所有していると車検費用が必要ですが、もし車検費用を払いたくないと思ったらカーリースを利用する方法もあります。カーリースは、月額定額でリース会社から車を借りて利用するサブスクリプションサービス。車検にかかる費用も月額料金に含められるプランもあり、車検のたびに大きな出費に悩むことなく車を持つことができます。
※記事の内容は2020年7月時点の情報で制作しています。