燃費性能は車種によって大きく異なります。燃費の良し悪しはガソリン代に直結するほか、近年では一定の基準を満たしている場合は、車に関する税金が軽減されることもあるため、車選びの際に必ず確認しておきたいポイントといえるでしょう。
ここではカタログ燃費や実燃費はもちろん、ライバル車との燃費の比較を通して三菱「ミラージュ」の燃費性能について解説します。
この記事のPOINT
- 駆動方式別カタログ燃費・実燃費はこちら
駆動方式 WLTCモードカタログ燃費(km/L) 実燃費(km/L) 2WD 20.0 17.0 - カタログ燃費と実燃費の差は平均の範囲内
- ライバル車である日産「マーチ」の燃費は上回るが、トヨタ「パッソ」には後れを取っている
ミラージュの燃費の特徴
現行型のミラージュは2012年8月に登場したモデルで、「低燃費」「扱いやすさ」をコンセプトとしたコンパクトカーです。
登場から比較的長い期間が過ぎたモデルではありますが、2015年12月に行われたマイナーチェンジでは、アイドリングストップ機構である「オートストップ&ゴー」に減速時からエンジンを停止させてよりガソリンの消費を抑えるコーストストップ機能を採用しました。
加えて減速時のエネルギーを利用して発電し、その電力をバッテリーに充電してアイドリングストップ中や走行中に利用することでエンジン負担を軽減して実燃費向上に貢献する「減速エネルギー回生システム」を搭載し、コンセプトにふさわしい低燃費を実現しています。
ミラージュのカタログ燃費
ミラージュに採用されているパワートレインは1.2L直列3気筒エンジン+CVTの1種類だけで、駆動方式も2WDのみです。グレードは3種類設定されていますが、グレードによる燃費の差はありません。
ミラージュのWLTCモードカタログ燃費は、20.0km/Lです。
ミラージュの実燃費
車選びのポイントとなる燃費は、カタログ燃費だけでなく実燃費も確認しておくことが大切。
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードで燃費を計測するため、カタログスペックとしてはこれまで日本で使用されてきたJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境に近い方法で計測されてはいますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境でも変わり、1~1.5割程度の差が出ることが多いようです。
ミラージュに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、ミラージュの実燃費(2021年6月22日現在)は17.0km/Lです。
路面の状態や運転の仕方によって実燃費は変わりますが、ミラージュのカタログ燃費と実燃費の差は平均程度といえるでしょう。
ミラージュとライバル車のカタログ燃費を比較
ミラージュのライバル車として挙げられるコンパクトカーといえば、日産「マーチ」やトヨタ「パッソ」などでしょう。ここではこの2車種の2WD車とミラージュのカタログ燃費を比較してみます。
日産「マーチ」
ポップでかわいらしいボディカラーをそろえ、洋服を選ぶように自分に似合う一台が選べる日産「マーチ」。優れた燃費性能や運転のしやすさに定評があります。
マーチの2WD車のWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
S/S プラムインテリア | 2WD | 17.6 |
X Vセレクション/ X Vセレクション パーソナライゼーション | 2WD | 18.6 |
G/G パーソナライゼーション | 2WD | 18.6 |
ミラージュとの比較では、ミラージュの燃費の数値がマーチを上回っています。
トヨタ「パッソ」
出典:トヨタ「パッソ」走行性能
シンプルで親しみやすさを感じさせる標準モデルと、上質感とスタイリッシュさが持ち味の「MODA」の2つのスタイルを用意しているトヨタ「パッソ」は、コンパクトカートップクラスの燃費性能と優れた走行性能を誇るモデルです。
パッソのWLTCモードカタログ燃費は、以下のとおりです。なお、パッソには2WD車に加えて4WD車の設定もありますが、ミラージュが2WDのみのため、ここでは2WD車の燃費で比較します。
グレード | 駆動方式 | 燃費(km/L) |
---|---|---|
X/X“L package” | 2WD | 21.0 |
MODA/MODA“G package“ | 2WD | 21.0 |
ミラージュは、燃費性能ではパッソに後れを取っているといえるでしょう。
ミラージュの走行性能
出典:三菱「ミラージュ」top
ミラージュの走行性能に関する部分も確認しておきましょう。
サスペンションの最適化による走りの質感の向上
現行型のミラージュはリヤサスペンションのバネ定数と前後ショックアブソーバーの減衰力の最適化や、取り付け部の高剛性化によって操縦安定性を高め、走りの質感を向上させています。
また、変速比幅の少ない副変速機付きCVTを採用し、滑らかな発進を実現するとともに中間加速時のレスポンスも向上させ、きびきびとした走りを実現しています。
コンパクトカーに求められる低燃費を実現しているミラージュ
現行型のミラージュは登場から年月が経っていることもあり、最新型のモデルのような優れた燃費性能、というわけではありませんが、日常的に使用するコンパクトカーに求められる燃費性能は有しているといえるでしょう。カタログ燃費と実燃費の差が大きくない点も評価できます。
納得のいく燃費性能の車を手に入れるためには、カタログ燃費だけで燃費性能を判断せず、ライバル車と比べてみたり、実燃費をチェックしたりすることが大切だといえるでしょう。
よくある質問
Q1:ミラージュのカタログ燃費はどのくらい?
A:ミラージュのパワートレインは1.2L直列3気筒エンジンとCVTの組み合わせの1種類、駆動方式は2WDのみです。ミラージュのWLTCモードカタログ燃費は20.0km/Lで、グレードによる燃費の差はありません。
Q2:ミラージュの実燃費はカタログ燃費とどのくらいの差があるの?
A:ミラージュの実燃費は17.0km/L。WLTCモード燃費は日本で従来使用されてきたJC08モード燃費よりも実燃費に近い数値が出る燃費の計測方法とされていますが、それでもカタログ燃費と実燃費とのあいだには1~1.5割程度の差があるのが一般的です。その点を考えると、ミラージュのカタログ燃費と実燃費の差は平均値の範囲内であるといえるでしょう。
Q3:ミラージュの走行性能は?
A:ミラージュはサスペンション取り付け部を高剛性化したり、バネ定数と前後ショックアブソーバーの減衰力を最適化したりすることによって、操縦安定性と走りの質感を向上させています。加えて副変速機付きCVTを採用し、アイドリングストップ後のエンジン再始動のショックを減らし、滑らかな発進やきびきびとした走りを実現しています。
※記事の内容は2021年6月時点の情報で執筆しています。