近年の車の先進安全技術の進化は、目を見張るものがあります。衝突被害軽減ブレーキは今や車だけではなく夜間の歩行者や自転車も検知するようになりました。さらにはステアリング制御を伴う運転支援機能など、さまざまな機能が登場しています。
ここでは、「Honda SENSING」をはじめ、N BOXの安全性能について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- N BOXは「Honda SENSING」を全車に標準装備
- 2021年12月の一部改良で「アダプティブクルーズコントロール」に渋滞追従機能を追加
- N BOXは全車が「サポカーSワイド」に該当する
N BOXの安全性能の特徴
N BOXには、単眼カメラとミリ波レーダーなどを融合した高度な検知システムを使用して常に周囲の状況を検知し、ドライバーをサポートするホンダ自慢の先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」が全車に標準装備されています。
登場時には一部グレードで「Honda SENSING」の非装着車の選択肢も用意されていましたが、2020年12月のマイナーチェンジのタイミングで非装着車の設定はなくなりました。また、このマイナーチェンジでは車両後部のソナーセンサーを4個に増やし、後退しての駐車時などのサポートを行う「パーキングセンサーシステム」が追加されたことも特筆すべきポイントでしょう。
さらに2021年12月の一部改良では、「アダプティブクルーズコントロール(ACC)」に渋滞追従機能が追加されるなど、随時アップデートし高い安全性を維持しています。
なお、N BOXは全車に「サポカー」の中でも最高評価の「サポカーSワイド」に該当する先進安全技術が搭載されています。
N BOXに搭載される「Honda SENSING」の内容
ここからは、N BOXに搭載されている「Honda SENSING」にはどんな先進安全技術が含まれているのかを見ていきましょう。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)
衝突軽減ブレーキ(CMBS)によって、車両や歩行者、人が乗って移動する自転車を検知し、衝突の危険があると判断した場合は警告を発します。回避行動が取られなかった場合、段階を踏んで自動でブレーキを操作し、衝突回避、被害軽減を支援するシステムです。
約5km/h以上の速度で走行している際に、速度差が5km/h以上ある車両や歩行者、自転車に対して作動します。
車両や昼夜の歩行者に加え、昼間に人が乗って移動する自転車や夜間の歩行者の検知が可能です。
誤発進抑制機能(前方・後方)
停車時、もしくは10km/h以下の低速走行時に、前方もしくは後方の障害物や先行車を検知して、警告を発すると同時にエンジン出力を抑制して急発進を防ぐようにサポートする機能です。
歩行者事故低減ステアリング
約10~40km/hで走行中、システムが道路の路側帯の歩行者を検知します。自車が歩行者側の車線を逸脱し衝突する危険があると判断した場合は警告するとともにステアリング操作を支援し、ドライバーの回避操作をサポートします。
路外逸脱抑制機能
約60km/h以上で走行中に車線を検知し、車線からはみ出しそうになった場合には警告を発することに加えステアリング操作を支援して、車線逸脱を防ぐよう導く機能です。
渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)
高速道路などの自動車専用道路でシステムが加減速をサポートし、適切な車間距離を維持しながら先行車に追従することでドライバーの疲労を軽減する運転支援機能です。
2021年12月には、先行車が停止した際は自車も自動で停止し、先行車が再発進するとドライバー操作で発進した後に追従走行を再開する「渋滞追従機能」が追加されました。
作動速度は先行車がいる場合は停車中から、そうでない場合は約30km/h以上で作動します。また、先行車とのあいだにほかの車が入ってきた場合には、自動で追従する対象を切り替えてくれます。
車線維持支援システム(LKAS)
高速道路の走行時に車線を検知し、車線中央付近を走行するようにステアリング操作の支援を行うのが、車線維持支援システム(LKAS)です。
車線を逸脱しそうになった場合には、警告を発してステアリング操作を行い、車線逸脱を抑制します。
標識認識機能
道路標識を認識してメーター内に表示し、道路標識の見逃しを防ぐ機能です。認識可能な表示は最高速度、一時停止、はみ出し通行禁止、車両侵入禁止の4種類です。
先行車発進お知らせ機能
停車時に先行車の発進を検知し、ドライバーが発進しなかった場合に知らせる機能です。渋滞や信号待ちの際のうっかり出遅れを防ぎます。
オートハイビーム
夜間走行(ヘッドライト点灯)時、対向車や先行車を検知し、必要に応じてハイビームとロービームを自動で切り替えます。
また、周囲の暗さを検知した場合には、自動でハイビームに切り替えてくれるので、夜間の視認性がアップします。
N BOXのHonda SENSING以外の安全装備
N BOXには、「Honda SENSING」以外にもさまざまな安全をサポートする機能が搭載されています。
パーキングセンサーシステム
2020年12月のマイナーチェンジで追加された機能で、車両の後ろに設置された4つのセンサーで自車の後方にある障害物を検知し、音や表示で障害物との接近をドライバーに知らせてくれる機能です。
ヒルスタートアシスト機能
ヒルスタートアシスト機能は、坂道発進の際、ブレーキからアクセルへ踏みかえるときに車が後退するのを約1秒間抑制する機能です。坂道で停車したときに、後続車がいても安心して発進できるでしょう。
運転席・助手席i-SRSエアバッグシステム
運転席・助手席i-SRSエアバッグシステムは、ホンダ独自の内圧保持タイプのエアバッグです。一番危険とされる助手席には幅の広いエアバックをセットし、高い効果を発揮します。
さらに「G」「L」を除くグレードには前席・後席ともに、側面衝突の衝撃に対応した前席用サイドエアバッグシステム、サイドカーテンエアバッグシステムも標準装備されています。なお、「L」にはオプションで追加することも可能です。
安全装備が充実したN BOX
ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」を搭載するN BOXは、充実した安全装備を誇るモデルといえます。N BOXが幅広い層に支持されている理由のひとつとして、この安全性の高さも挙げられるのではないでしょうか。
毎日使用する車の安全性は、重要な車選びのポイントといえます。細かい部分までよく確認し、納得のできる安全性を備えた車を選んでください。
よくある質問
Q1:N BOXには先進安全技術は全車標準装備されているの?
A:はい、N BOXには全グレードにホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」が標準装備されています。なお、2020年12月のマイナーチェンジのタイミングで、従来一部グレードで選択が可能であった「Honda SENSING」非装着車の設定はなくなりました。
Q2:N BOXに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:車両に加えて昼夜の歩行者や人が乗って移動する自転車の検知も可能な「衝突軽減ブレーキ」やペダル操作ミス時の急発進を抑制する「誤発進抑制機能(前方・後方)」、車線から逸脱する危険があるとステアリングを制御して回避操作をサポートする「路外逸脱抑制機能」、車線中央付近の走行を維持するようステアリング操作を支援する「車線維持支援システム」などが搭載されています。
Q3:N BOXはサポカーに該当するの?
A:N BOXは、「サポカー」の中でも最高評価の「サポカーSワイド」に該当します。
※この記事は2022年7月時点の情報で制作しています