衝突事故の危険を減らしたり、被害を軽減したりしてくれる衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術はもはや車にはなくてはならない存在です。車の先進安全技術には車線内走行をサポートするものや、ペダルの踏み間違いによる飛び出し防止に貢献するものなどさまざまな機能がありますが、先進安全技術の充実度は車種によって大きく異なっているのが現状です。
そのため、車の安全性能は必ずしっかりと確認しておきましょう。ここでは、ダイハツの軽スーパーハイトワゴン「タント」の安全性能についてご紹介します。
この記事のPOINT
- タントは充実した内容の予防安全機能「スマートアシスト」を採用している
- 運転負荷を軽減してくれる機能や駐車支援システムは一部グレードを除きオプションで追加が可能
- タントは全車「サポカーSワイド」に該当
タントの安全性能の特徴
ダイハツには「スマートアシスト」という名称の予防安全機能パッケージがあります。「スマートアシスト」はステレオカメラが車両の周囲の状況を検知し、状況に応じてブレーキペダルなどの各ユニットを制御することでドライバーの安全運転をサポートしてくれる先進安全技術の総称です。
2019年7月に登場した現行型のタントには、最新鋭の先進安全技術を多数採用した「スマートアシスト」が全車標準装備されています。
タントには「サポカーSワイド」の認定に必要な機能がすべてそろっているのはもちろん、プラスアルファの安全技術も搭載されており、家族みんなが安心して使用できる先進安全技術を搭載しているといえるでしょう。
タントの「スマートアシスト」に搭載される機能
タントの「スマートアシスト」には、どのような先進安全技術が含まれているのかを見ていきましょう。
衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・対歩行者)
システムが前方の車両や歩行者を検知して、自車と衝突の危険があると判断すると警報を発してドライバーに注意喚起を行います。さらに衝突のおそれが高まると、弱いブレーキ(事前ブレーキ)を作動させて衝突の回避を図ります。
事前ブレーキが作動している状態でドライバーがブレーキペダルを踏むと、ブレーキ踏力をアシストして制動力をアップ。それでも衝突が避けられないとシステムが判断すると、強い緊急ブレーキをかけて衝突の回避・被害軽減をサポートする機能です。
検知対象は昼夜の車両(二輪車、自転車を含む)と歩行者です。
ブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)
進行方向に壁などの障害物を検知している状態で、アクセルを強く踏み込むとシステムが踏み間違いを判定し、音と表示で警告を発すると同時にエンジン出力を抑制します。障害物に衝突する恐れがある場合はさらにブレーキ制御を行い、急加速や急発進を防ぎます。
エンジン出力抑制だけでなく、ブレーキ制御機能がついているのでより安心です。
車線逸脱警報機能/車線逸脱抑制制御機能
約60km/h以上で走行時にシステムが車線を検知し、車両が車線からはみ出しそうになると音と表示でドライバーに注意喚起します。同時にステアリング操作をアシストし、ドライバーの回避操作をサポートして車線逸脱を防ぐようサポートする機能です。
路側逸脱警報機能
走行中にステレオカメラが道路の端を検知し、車両が路側にはみ出す危険がある場合には音や表示で警告します。
車速約60km/h以上で作動します。
ふらつき警報
車速約60km/h以上で長時間走行中、車両がふらついているとシステムが判断すると音と表示でドライバーに注意喚起する機能です。ふらつきを回避するためのステアリング操作のサポートはありません。
オートハイビーム(標準タイプ)/アダプティブドライビングビーム(カスタムタイプ)
標準タイプに搭載される「オートハイビーム」は、対向車のヘッドランプなどを検知し、自動でハイビームとロービームを切り替える機能です。切り替え忘れを防ぎ、手動切り替えの手間をなくすメリットがあります。先行車や対向車がいない場合には基本的にハイビーム走行を行うので、夜間歩行者の早期発見にも貢献します。
カスタムタイプには、対向車や先行車を検知すると、相手方に影響を及ぼす位置のLEDヘッドランプを部分的に遮光し、眩惑を防止しながらもハイビームのまま走行することで、夜間視認性の向上に寄与する「アダプティブドライビングビーム」が標準装備されています。
サイドビューランプ
ステアリングを切った方向、もしくはウィンカーを出した方向を自動で明るく照らし出すことで右左折時などの歩行者の早期発見に貢献します。また、シフトを「R」に入れた場合には左右のランプを点灯させます。
先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどでブレーキペダルを踏んで停止している際、先行車が約3m以上進んでも自車が発進しない場合に、音と表示でドライバーに先行車の発進を知らせ、出遅れを防ぎます。前方約10m以内の先行車の認識が可能です。
コーナーセンサー
フロントとリアに2個ずつ装備されたコーナーセンサーが前後の障害物を検知し、障害物との距離に応じて警告音を変化させてドライバーに障害物との接近を知らせます。
縦列駐車や車庫入れの際に活躍する機能です。
標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)(「L」を除くグレードに標準装備、「L」にメーカーオプション)
システムが道路標識を検知し、メーターに表示することで、標識見落とし防止をサポートする機能です。タントでは進入禁止と最高速度、一時停止の3種類の標識の認識が可能です。
安全運転をサポートしてくれるさまざまな機能
タントの「スマートアシスト」には、ドライバーの運転負荷を軽減してくれる機能や、駐車時のサポートをしてくれる機能も採用されています。これらの機能は「L」を除きオプションで追加が可能です。
全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)(スマートクルーズパック)
あらかじめ設定した車速で定速走行を行ったり、先行車との適切な車間距離を確保しながら設定車速内で追従走行を行ったりすることでドライバーの運転負荷を軽減し、安全運転に貢献する機能です。
タントのアダプティブクルーズコントロールは全車速追従機能付きなので渋滞時にも対応しており、先行車が停止した際には自車も停止し、再発進時にはスイッチ操作かアクセル操作で追従走行を再開します。
LKC(レーンキープコントロール)(スマートクルーズパック)
全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールが作動している際、車線中央を安定して走行するようシステムがステアリング操作をサポートする機能です。車速約60km/h以上で作動します。
スマートパノラマパーキングアシスト(スマートパノラマパーキングパック)
駐車枠をシステムが検知して、音声とモニターで駐車操作をガイドするとともにステアリング操作をアシストして安全な駐車をサポートするシステムです。縦列駐車にも対応しています。
ドライバーはガイドに従うことで簡単に駐車でき、さらに安全確認とペダル操作に集中できるというメリットがあります。
パノラマモニター(パノラマモニター対応カメラ)
車両の前後左右に設置されたモニターカメラが周囲の映像を表示して、運転席から死角になりやすい部分の安全確認をサポートする機能です。車を真上から見下ろしたような映像の表示も可能です。
車庫入れや縦列駐車、幅寄せ、狭い路地から広い道に出る際などさまざまなシーンで活躍します。
充実した先進安全技術を搭載し、高い安全性能を持つタント
タントはダイハツの最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用し、充実した先進安全技術を搭載しています。さらにオプションを追加できるので、高いレベルの安全性能や運転支援機能を求める方でも満足できる1台といえるでしょう。
よくある質問
Q1:タントは先進安全技術を標準装備しているの?
A:はい、タントはダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」が全グレードに標準装備です。
Q2:タントに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:歩行者と車両(自転車、二輪車含む)を検知して衝突の危険があるとブレーキ制御を行う「衝突回避支援ブレーキ機能」や車線逸脱抑制をサポートする「車線逸脱抑制制御機能」、ペダル踏み間違い時の飛び出しを防ぐ「ブレーキ制御付き誤発進抑制機能」、障害物の接近を知らせる「コーナーセンサー」などの機能があります。
Q3:タントはどのサポカーに該当するの?
A:タントは、最も上位のサポカーの分類で、歩行者と車両の検知が可能な衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進抑制装置、車線逸脱警報、先進ライトの搭載が必要な「サポカーSワイド」に認定されています。
※この記事は2023年11月時点の情報で制作しています