プリウスはハイブリッド専用車のためパワートレインが1種類しかないにもかかわらず、数多くのグレードが用意されています。それはプラグインハイブリッドのプリウスPHVでも同様です。
車を選ぶ際に選択肢が豊富なのは嬉しいことですが、ここまでグレードが多いと、どのグレードを選べばいいかわからなくなってしまうこともあるでしょう。
グレード選びは日々使用する車の使い勝手を左右するものなので、できるだけ慎重に行いたいものです。
ここではプリウス、プリウスPHVのそれぞれのグレード別装備を比較してみましょう。
プリウスの価格をチェック
まず、プリウスのグレード別の価格です。
*価格はすべて2018年11月現在
グレード | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|
E | 2WD | 2,429,018円 |
S | 2WD | 2,479,091円 |
4WD | 2,673,491円 | |
S“ツーリングセレクション” | 2WD | 2,628,327円 |
4WD | 2,822,727円 | |
A | 2WD | 2,777,563円 |
4WD | 2,971,963円 | |
A“ツーリングセレクション” | 2WD | 2,926,800円 |
4WD | 3,121,200円 | |
Aプレミアム | 2WD | 3,107,455円 |
4WD | 3,301,855円 | |
Aプレミアム“ツーリングセレクション” | 2WD | 3,199,745円 |
4WD | 3,394,145円 | |
特別仕様車 S“Safety Plus” | 2WD | 2,607,120円 |
4WD | 2,801,520円 | |
特別仕様車 S“Safety Plus・Two Tone” | 2WD | 2,733,480円 |
4WD | 2,927,880円 |
こちらがプリウスPHVのグレード別価格です。
グレード | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|
S | 2WD | 3,261,600円 |
S“ナビパッケージ” | 2WD | 3,666,600円 |
A | 2WD | 3,807,000円 |
A“レザーパッケージ” | 2WD | 4,066,200円 |
Aプレミアム | 2WD | 4,222,800円 |
特別仕様車 S“Safety Plus” | 2WD | 3,325,320円 |
特別仕様車 S“ナビパッケージ・Safety Plus” | 2WD | 3,730,320円 |
特別仕様車 A“Utility Plus” | 2WD | 3,829,680円 |
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プリウスのグレード別装備を見てみよう
まずは、ハイブリッド車のプリウスの装備を見ていきましょう。
E
プリウスには廉価グレードしてEがありますが、このグレードは、ほかのモデルの廉価グレードとは一線を画しています。
その理由は、Eグレードが燃費に徹底的にこだわったグレードだから。燃費性能を良くするために、車体重量を軽くする必要があるため、最低限の装備に抑えているという理由があります。
プリウスはこのEグレードのみJC08モードで40.8㎞/Lという驚くべきカタログ燃費になっています。リアスタビライザーや一部の防音装備などが省かれているため、静粛性や乗り心地に関してはほかのグレードに劣ってしまうという側面があります。
ちなみに、メーカーオプションを加えて車両重量が1,320kgを超えると、39.0km/Lになってしまいます。リッター40km超え!というキャッチフレーズのために相当ムリをしている、いやギリギリの攻防を繰り広げている印象です(とカルモマガジン編集長が言っていました)。
また燃料タンクも小型化され、ほかのグレードが43Lであるのに対しEでは38Lとなっています。この点もせこい、いや気になる方がいるかもしれませんね。
バッテリーには軽量、かつ高性能なリチウムイオン電池を使用しています。ハイブリッド車として存在感を放つプリウスの燃費性能をアピールするためのグレードゆえでしょう。トヨタは本当にお金の使い方のメリハリが効いています。
その他のおもな装備として、シート素材はファブリック、ウレタンステアリングホイールやフロントドアUVカットガラス、4スピーカー、運転席4ウェイ&助手席4ウェイ(前後スライド・リクライニング)などがあります。
正直に書けば、このEはカタログ燃費を誇示するためのグレードですので購入候補からは真っ先に外すのが正解でしょう。特にリアスタビライザーの省略はいくら燃費のためとはいえ少々メーカーの良心を疑います、とカルモマガジン編集長は言っていました。
S
標準グレートと呼べるのがこのSです。Eではバッテリーにリチウムイオン電池が使用されていましたが、このSグレードにはニッケル電池が使用されています。
ニッケル電池はリチウムイオン電池に比べて大型ですがコストは抑えられるので、コスト面を重視しての採用だと思われます。Eでは何よりも燃費が優先されたため廉価グレードではありますが軽量なリチウムイオン電池を搭載したのでしょう。
Sではシート素材が上級ファブリックになり、フロントコンソールトレイや運転席6ウェイ&助手席4ウェイ(前後スライド・リクライニング)が装備されます。
またフロントガラスもUVカット&撥水機能付きになり、シートバックポケットやカップホルダー2個付きのリヤセンターアームレスト、フロントコンソールトレイや大型コンソールボックスなどの収納や快適装備が充実します。
A
上級グレードとなるAグレード以上にはトヨタの先進安全機能「トヨタセーフティセンス」とカラーヘッドアップディスプレイが標準装備となります。まずここがSやEと大きな違いですね。
死角をモニターして危険な位置の車両の有無を知らせる「ブラインドスポットモニター」や駐車位置の表示とステアリング操作でと駐車をアシストす「シンプルインテリジェントパーキングアシスト」、障害物の接近を検知して必要に応じて警告、ブレーキ制御をする「インテリジェントクリアランスソナー」など、トヨタセーフティセンス以外の安全装備も格段に充実します。
フロントドアはスーパーUVカット機能&撥水加工&遮音性ガラスになり、車内の静粛性も向上しました。
シートはSと同じく上級ファブリックシートです。フロントの足元照明がプラスされているので夜間の乗り降りの際も安心ですね。
バッテリーはこのグレード以上ではリチウムイオン電池となっています。
Aプレミアム
プリウスの最上級グレードがこのAプレミアムです。快適装備やインテリアの質感にこだわったグレードです。
シート素材は本革となり、運転席は8ウェイパワーシート(前後スライド、リクライニング、シート上下、チルトアジャスター)。助手席は4ウェイシート(前後スライド、リクライニング)となっています。
また運転席は電動ランバーサポート、運転席、助手席両方に快適温熱シート(ヒートシーター)がついています。
ステアリングホイールは本革仕様に。上級グレードの定番ですね。本革シートと相まって車内の質感をアップしています。
エアコンにはナノイー機能が付いているので、女性に喜ばれそうです。またアクセサリーコンセント(AC100V・1500W、非常給電付き)が標準装備されています。
ツーリングセレクション(S、A、Aプレミアムに設定)
Eを除くグレードに設定されています。専用のリアダンパーや17インチアルミホイールなどを装備し足回りを強化したグレードです。
シート素材はS、Aが合成皮革、Aプレミアムでは本革になります。ツーリングセレクションでは全グレードに運転席と助手席の快適温熱シートが装備されています。
特別仕様車S“Safety Plus”、S“Safety Plus・Two Tone”
人気グレードのSに先進安全装備の「トヨタセーフティセンス」に加えてインテリジェントクリアランスソナー、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、ナビレディセット(バックカメラ、ステアリングスイッチ)、雨滴感応式オートワイパー、自動防眩インナーミラー、LEDフロントフォグランプを装備した特別仕様車です。
S“Safety Plus・Two Tone”はさらにエクステリア、インテリアにブラック加飾が施されたもので、よりスタイリッシュな雰囲気となっています。
プリウスPHVのグレード別装備は?
プリウスPHVもプリウスに準じたグレード体系になっており、S、A、Aプレミアムとなっています。Eグレードはラインナップされていません。
プリウスPHVでは全グレードに「トヨタセーフティセンス」が標準搭載されています。まずこれがプリウスとは大きな違いですね。
また全グレードのステアリングホイールが本革巻きになり、ステアリングヒーター、防眩インナーミラーも装備されています。
S
PHVの中では一番下位グレードとはいえ、装備は充実しています。基本的な装備はプリウスSとさほど変わりありません。充電は急速充電に対応しておらず、標準装備では普通充電のみとなります。急速充電はオプションで設定が可能です。
S”ナビパッケージ”
Sの装備にインフォテイメント機能のついたT-Connect SD ナビゲーションシステムが装備されます。これはプリウスではA以上のグレードにオプションで用意されているシステム。
先進性を感じさせるPHVにふさわしい先進機能がついているのは嬉しいですね。急速充電にも対応しています。
また、S、S”ナビパッケージ”にのみソーラー充電システムがオプションで用意されています。
A
各種装備はプリウスAの装備に準じます。A以上のグレードは急速充電に対応。
T-Connect SD ナビゲーションシステムのオーディオがオプションでJBLプレミアムサウンドシステムも選べるようになります。
A”レザーパッケージ”
Aの装備にプラスして本革シート、運転席は8ウェイパワーシート(前後スライド、リクライニング、シート上下、チルトアジャスター)。助手席は4ウェイシート(前後スライド、リクライニング)が装備されます。
Aプレミアム
A”レザーパッケージ”に追加して雨滴感応式ワイパー、カラーヘッドアップディスプレイ、アクセサリーソケットが装備されています。
PHVではカラーヘッドアップディスプレイ装備されるのはこのグレードだけです。他のグレードにはオプション設定もありません。
特別仕様車S”Safety Plus”、S”ナビパッケージ・Safety Plus”
S、もしくはS”ナビパッケージ”にインテリジェントクリアランスソナー、シンプルインテリジェントパーキングアシストを装備した特別仕様車です。
S”Safety Plus”にはさらに急速充電、ナビレディセットを装備。S”ナビパッケージ・Safety Plus”はアクセサリーコンセントにETCユニットが追加されています。
特別仕様車A”Utility Plus”
AグレードにS”ナビパッケージ・Safety Plus”の装備を追加した特別仕様車です。
おすすめは安全性能が充実して価格のバランスも良いS“Safety Plus”、もしくはA
では、どのグレードがプリウスではおすすめでしょうか。
今の時代であればできれば先進安全機能は搭載しておきたいもの。そうなるとプリウスのE、Sはまず外れますね。
Aグレード以上になるとトヨタセーフティセンスの他にもブラインドスポットモニターなどの装備が付き格段に安全性がアップします。
そう考えればAグレードもいいのですが、シート素材や内装の質感などにそれほどこだわりがないのであれば一番コストパフォーマンスの良いS“Safety Plus”をおすすめします。
Aよりもお手軽な価格で同程度の安全装備が手に入り、装備面でも普段使いに十分な装備が揃っています。
プリウスPHVの中で選ぶのであればS”ナビパッケージ”でしょう。インフォテイメントシステムも搭載し、急速充電にも対応しています。
ただ、プリウスとプリウスPHVの価格差はまだとても大きいのが事実。そしてPHVは後席が2人乗り。プリウスは燃費性能がいいので、そこまでの値段を出してPHVにしなくてもいいかな……というところです。
これからPHVがもっと普及してきて値段も変わってくると、違ってくるかもしれませんね。
※記事の内容は2018年11月時点の情報で執筆しています。