今では燃費性能や走行性能、デザイン性などのほかに、先進安全技術の充実度が車選びの際のひとつのポイントになる時代です。特に運転支援機能は車種によって充実度が大きく異なるので、しっかりとチェックしておくことをおすすめします。
ここではスズキのミニバン、「ランディ」の安全性能について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- 「スズキ セーフティ サポート」ではなく、「Safety Sense」を採用
- 「プリクラッシュセーフティ」は直進時に加え交差点での衝突回避・衝突被害軽減もサポート
- 全車に同じ内容の先進安全技術を搭載
ランディの安全性能の特徴
2022年7月に登場した現行型のランディは、スズキが自社で開発・生産を担うモデルではなく、トヨタの人気ミニバン「ノア」のOEM供給を受けてスズキが販売する車です。
そのため、スズキ車には通常スズキの予防安全技術パッケージである「スズキ セーフティ サポート」が搭載されますが、ランディではトヨタの「Toyota Safety Sense」に相当する「Safety Sense」を採用しているという特徴があります。
なお、現行型のノアの登場時に話題を呼んだ高度運転支援機能「トヨタ チームメイト」に含まれる駐車支援機能「アドバンスト パーク」や、一定の条件下でステアリングから手を離すことができる「アドバンスト ドライブ」に相当する機能はランディには設定がありません。
ランディに搭載される「Safety Sense」に含まれる先進安全技術
ここからは、ランディに搭載されるおもな先進安全技術について見ていきましょう。
プリクラッシュセーフティ
衝突被害軽減ブレーキである「プリクラッシュセーフティ」は、車両に加え昼夜の歩行者と自転車運転者、昼間の自動二輪車の検知が可能です。
また、直進時だけではなく交差点でも衝突の回避・衝突被害軽減をサポートしてくれるのも特筆すべきポイントです。交差点の右折時に対向方向から直進してくる車両や右左折時に対向方向から横断してくる歩行者・自転車運転者の検知機能や交差点での出会い頭の車両と自動二輪車の検知機能があります。
また、自車線内に回避スペースがある場合はドライバーの回避操舵をきっかけにシステムが操舵支援する機能や、停車・または徐行状態のときに自車の直前に歩行者などを検知している状態でアクセルを踏み込むとシステム出力の抑制、または弱いブレーキ制御を行う「低速時加速抑制機能」もあります。
プロアクティブドライビングアシスト
走行中に発生する歩行者の飛び出しなどのリスクをシステムが先読みし、さまざまなシーンで減速支援や操舵支援を行うことで危険に接近しすぎないようにサポートしてくれる機能です。
レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)
システムが先行車を検知して、適切な車間距離を維持するように加減速を制御し追従走行を支援します。また、追い越し車線へ車線変更する場合、先行車追い越しのための予備加速、もしくは変更先の先行車が遅い場合は予備減速を行います。
さらに、渋滞時などの発進と停止を繰り返すシーンで、先々行車や割り込み車などに対しても認識性能を発揮することに加え、システムが前方のカーブに合わせて減速する「カーブ速度抑制機能」もあります。
ドライバー異常時対応システム
レーントレーシングアシストの作動中に無操作状態が一定時間継続すると、音や表示で警告するとともに緩やかに減速します。その上でハザードやストップランプで周囲に異常を知らせつつ自車線内に停車することで、ドライバーの急病時などの事故の回避・被害軽減をサポートします。
レーントレーシングアシスト/レーンディパーチャーアラート
車線から逸脱する危険が発生すると、音と表示に加えてステアリングの振動で警告します。さらに「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」の作動時は車線内走行を維持するようにステアリング操作を支援します。
パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)
出庫時や後退時に周囲を監視し、壁などの静止物があれば車両との接近をブザーで知らせます。その上で対象物との距離がさらに縮まるとブレーキを作動させ、駐車場などでのアクセルとブレーキの踏み間違いや、アクセルの踏みすぎなどの操作ミスで起こる急発進や急加速を抑制する機能です。
このほか、標識の見逃し防止をサポートする「ロードサインアシスト」や、信号待ちなどでの出遅れ防止に貢献する「発進遅れ告知機能」などの先進安全技術を搭載しています。
なお、ランディではオプションで追加できる先進安全技術はありません。
ランディはグレードによる安全性能の差がない
先進安全技術は、同じ車種内でもグレードによって充実度が異なる場合が少なくありません。その点ランディは全車に同じ先進安全技術を搭載し、グレードによる安全性能の差がないため安心してグレードを選ぶことができます。
また、衝突被害軽減ブレ―キは交差点での検知にも対応しているなど、レベルの高い機能も多数搭載しているので、ファミリーカーとして安心して利用できる安全性を確保しているモデルといえるのではないでしょうか。
よくある質問
Q1:ランディにはスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を搭載している?
A:いいえ、ランディはトヨタ「ノア」のOEM供給を受けてスズキが販売するミニバンです。そのため、「スズキ セーフティ サポート」ではなく、トヨタの「Toyota Safety Sense」に相当する「Safety Sense」を全車に搭載しています。
Q2:ランディにはどのような先進安全技術があるの?
A:車両のほかに昼夜の歩行者と自転車運転者、昼間の自動二輪車が検知できる「プリクラッシュセーフティ」、高速道路で加減速をシステムがサポートしてくれる「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付き)」、レーントレーシングアシストの作動中に一定時間無操作状態が続くと周囲に異常を知らせつつ自動で停車する「ドライバー異常時対応システム」などの多彩な機能が搭載されています。
Q3:ランディはグレードによる安全性能の差はある?
A:いいえ、ランディは全車に同じ先進安全技術を搭載しており、グレードによる安全性能の差はありません。
※記事の内容は2023年2月時点の情報で制作しています