燃費は車の維持に欠かせない燃料費に直接影響します。近年では車に関する各種税金も燃費性能によっては軽減される時代になっていることもあり、車選びの際にはライバル車との比較なども含めてしっかりと燃費を確認しておくといいでしょう。
ここではトヨタ「シエンタ」の燃費についてご紹介します。
よくある質問
Q1:シエンタのカタログ燃費はどのくらい?
A:シエンタのWLTCモードカタログ燃費は、ハイブリッド車(2WD)は22.8km/L、ガソリン車2WDは17.0km/L、4WDは14.0km/Lです。
Q2:シエンタの実燃費は?
A:ハイブリッド車が17.7~19.8km/L、ガソリン2WD車が10.8~13.2km/L、4WD車が12.8km/Lとなっています。
Q3:シエンタの走りや乗り心地は?
A:コンパクトなボディですが広い室内空間を確保しているのが特徴です。最小回転半径は5.2mなので狭いところでも車庫入れや縦列駐車を軽快に行えます。さらにハイブリッド車には2種類の走行モードが選択できるモードスイッチが装備されています。
シエンタの特徴
日本の道路事情に適した取り回しやすいサイズ感とトレッキングシューズから着想を得たという個性的なエクステリアで人気を博している、トヨタの3列シート車の中では最もコンパクトなミニバンであるシエンタ。現行モデルは2015年に登場した2代目です。
2018年に行われたマイナーチェンジでは従来の3列シート車にプラスして2列シート車の「FUNBASE」が新たにラインナップに加わりバリエーションが豊富になりました。さらに元々定評のあったハイブリッド車の燃費性能に磨きをかけ、高いレベルでの低燃費を実現しています。
シエンタのカタログ燃費
シエンタには1.5Lのガソリン車とハイブリッド車の2種類のパワートレインがあり、4WDはガソリン車のみに設定があります。
シエンタのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。グレードによる燃費の差はありません。
ハイブリッド車(2WDのみ)
燃費 | |
---|---|
3列シート車 | 22.8km/L |
FUNBASE(2列シート車) | 22.8km/L |
ガソリン車
駆動方式 | 燃費 | |
---|---|---|
3列シート車 | 2WD | 17.0km/L |
4WD | 14.0km/L | |
2列シート車 | 2WD | 17.0km/L |
シエンタの実燃費
現在、シエンタに乗っているオーナーの実燃費データを収集しているサイト「e燃費」によると、シエンタの実燃費は以下のとおりです。
駆動方式 | 燃費 | |
---|---|---|
ハイブリッド車 | 2WD | 17.7~19.8km/L |
ガソリン車 | 2WD | 10.8~13.2km/L |
4WD | 12.8km/L |
WLTCモード燃費は、信号や渋滞などの影響を受ける市街地モード、信号や渋滞などの影響を受けにくい郊外モード、高速道路での走行を想定した高速道路モードの3つのモードでの計測値を平均的使用時間配分で構成したもので、日本だけでなく国際的に使用されている燃費の計測方法です。カタログスペックとしてはJC08モード燃費よりも低くなる傾向があります。
WLTCモード燃費は実際の車の使用環境により近い方法で計測されていますが、実燃費とまったく差がないというわけではなく、運転の仕方や走行環境にもよりますが1割~1.5割程度の差が出ることが多いようです。その点を踏まえるとガソリン4WD車は非常に優秀ですが、そのほかのパワートレインでは若干平均よりも差が開いているといえるでしょう。
シエンタとライバル車のカタログ燃費を比較
燃費性能をチェックするには、ライバルとなる車種と比較してみるのもひとつの方法です。ここではシエンタのライバル車といえば真っ先に挙げられる存在であるホンダ「フリード」、そしてスズキ「ソリオ」とカタログ燃費を比較してみましょう。
ホンダ「フリード」
「いつでも」「どこでも」「だれでも」思いどおりに使用でき、毎日の日常生活に寄り添うミニバンとして開発されたフリードの現行モデルは2016年9月に登場した2代目です。コンパクトミニバンとしては初(※2016年9月、Honda調べ)となるハイブリッド4WD車をラインナップしたことでも話題になりました。
フリードには低燃費と軽快な走りを実現するハイブリッド車、さらに力強いホンダ車ならではの走りと燃費性能を高いレベルで両立させた1.5L直噴ガソリンエンジンの2種類のパワートレインがあります。
フリードのWLTCモードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
HYBRID G Honda SENSING | 2WD | 20.8km/L |
4WD | 19.8km/L | |
HYBRID CROSSTAR Honda SENSING | 2WD | 20.8km/L |
4WD | 19.8km/L | |
Honda SENSING | 2WD | 17.0km/L |
G Honda SENSING | 2WD | 17.0km/L |
4WD | 15.6km/L | |
CROSSTAR Honda SENSING | 2WD | 17.0km/L |
4WD | 15.6km/L |
ハイブリッド車、ガソリン4WD車ではシエンタにメリットがありますが、ガソリン2WD車は同等の燃費性能となっています。
スズキ「ソリオ」
2015年8月に登場したソリオの現行モデルは広さや使いやすさを従来よりも向上させたパッケージング、「箱を箱として見せた」スタイリングに加えて新設計プラットフォームの採用による軽量化やマイルドハイブリッドシステムがラインナップに加わったことによる環境性能・燃費性能の向上が専門家に高く評価され、2015年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
2016年11月にはさらに発電可能な駆動用モーターを使用し、EV走行も可能なハイブリッド車も追加されました。
ソリオのJC08モードカタログ燃費は以下のとおりです。
グレード | 駆動方式 | 燃費 |
---|---|---|
HYBRID SZ | 2WD | 32.0km/L |
HYBRID SX | 2WD | 32.0km/L |
HYBRID MZ | 2WD | 27.8km/L |
4WD | 23.8km/L | |
HYBRID MX | 2WD | 27.8km/L |
4WD | 23.8km/L | |
G | 2WD | 24.8km/L |
4WD | 22.0km/L |
ソリオはシエンタとは燃費の計測方法が異なっており、シエンタが採用しているWLTCモード燃費はJC08モード燃費と比較すると1.5~ 3割程度はカタログスペックが悪くなるとされています。加えてソリオはシエンタやフリードよりも一回りボディサイズが小さく、車両重量も軽いので単純比較はできないのですが、燃費の数値のみで見てみるとソリオのハイブリッド車は非常に優秀な数値であり、シエンタを上回っているのがわかります。
シエンタの走行性能
車には扱いやすさや走行性能も求められます。シエンタにはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
コンパクトなボディサイズで取り回しやすい
広い室内空間を確保しながらもコンパクトなボディのシエンタは、ショッピングやお子様の送迎など、街乗りにおけるさまざまなシーンに適したボディサイズで取り回しやすいのが魅力です。最小回転半径は5.2mを実現し、狭い路地や車庫入れ、縦列駐車も軽快に行えます。
状況に合わせたドライブモードを選択可能
シエンタのハイブリッド車にはアクセル操作による駆動力とエアコンなどの消費電力を抑えて燃費優先の走りを行うエコドライブモードと、モーターのみを使用して走るEVドライブモードの2種類の走行モードが選択できるモードスイッチが装備されています。
通常はエコドライブモードで低燃費を実現し、早朝や深夜の住宅街での走行でエンジン音を抑えたいときにはEVモードを選択するなど、状況に応じた走行モードを選択することが可能です。
優れた燃費性能と取り回しやすさが持ち味のシエンタ
ハイブリッドシステムに定評のあるトヨタらしく、シエンタでも特にハイブリッド車の燃費性能には光るものがあります。
車の維持費の中でも大きな存在である燃料費を左右する燃費は、満足のいくカーライフを送るためには無視できないポイントです。車選びの際にはカタログ燃費だけではなく実燃費やライバル車との比較など、さまざまな面から燃費をチェックすることをおすすめします。
※記事の内容は2020年10月時点の情報で執筆しています。