安全に車に乗るために義務付けられている車検制度。しかし、車検にかかる費用は安くはないだけに、ローンなどを利用して分割で支払いたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで、車検費用をローンで支払う方法と、ローン審査の基準や注意点、車検でローンが利用できる車検業者や金利による返済額の違いなどをご紹介します。
この記事のPOINT
- 車検費用はローンを利用できるが、法定費用は現金払いの場合が多い
- 金利や審査の特徴を考慮して、自身に合ったローンを選ぶのが大切
- ローンを組んでまで車検を受けるより、初期費用なしで新車に乗り換える方法も
車検にかかる費用は?
車検費用の支払い方法を検討するためにも、車検と費用についてあらためて確認しましょう。まずは車検の制度についてです。
それよりも「車検にローン払いが使えるか」を先に知りたい方はこちら
車検とは、保安基準を基に定期的に車の安全性を検査する制度です。公道を走るすべての車には、新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに車検を行うことが義務付けられています。車検は期間満了日の1ヵ月前から、ディーラーやカー用品店、車検専門店などで受けられます。
次に、費用について見てみましょう。車検の費用は法定費用と車検基本料に分かれており、それぞれ以下のような費用がかかります。
〈法定費用〉
法定費用には、自動車重量税や自賠責保険料、印紙代が該当します。金額は法律で決められているので、車検を受ける方法に関係なく一律です。
・自動車重量税
軽自動車 6,600円
普通車 16,400円~。車の重量に応じて段階的に増額
・自賠責保険料
軽自動車 21,140円
普通車 21,550円
(ともに24ヵ月)
・印紙代
軽自動車 1,100~1,400円
普通車 1,200~1,800円
(車検を受ける方法で異なる)
〈車検基本料〉
車検基本料は、点検や整備にかかる費用で、車検業者によって金額が異なります。相場は次のようになります。
- ディーラー 35,000~100,000円
- 民間の整備工場 20,000~65,000円
- 車検専門店やカー用品店、ガソリンスタンドなど 10,000~45,000円
*2021年10月、定額カルモくん調べ
このほか、交換した部品などがあれば部品代の実費がかかります。
車検費用はローンや分割で払えるの?車検ローンの種類と特徴
車検費用は車検業者によって支払い方法が異なりますが、ローンや分割払いに対応している業者であれば、それらの方法で支払うことができます。車検で使えるローンには次のようなものがあります。
ディーラーや車検専門店が提携する信販会社のローン
ディーラーや車検専門店、カー用品店などで車検を受ける場合には、提携する信販会社のローンを利用できます。車検と一緒にローンの申込みができるので、スムーズに手続きできます。
〈分割払いが可能な車検業者6選〉
車検のコバック
国から「指定工場」の認定を受けている車検専門店の「コバック」では、信販会社との特別契約によって低金利でのローンを提供しています。クレジットカードでの支払いにも対応していますが、法定費用は現金での支払いとなります。
オートバックス
カー用品店大手の「オートバックス」では車検にも力を入れています。車検費用のうちの整備料金(作業工賃)や部品代はローンを利用できますが、自賠責保険料は現金のみの支払いとなります。また、店舗によっては自動車重量税や法定手数料なども現金払いです。
イエローハット
「イエローハット」は、カー用品店としてはオートバックスに並ぶ大手です。車検費用はクレジットカードでの支払いが可能ですが、事前に車検見積もりを依頼する必要があります。なお、法定費用は現金前払いとしています。
コスモ石油
「コスモ石油」が提供する「コスモ車検」は、その日のうちに終わる「ワンデー車検」が受けられ、全国のコスモサービスステーションで気軽に利用できるため便利です。法定費用以外の車検整備費用はクレジットカード払いに対応しています。
出光リテール車検
「出光リテール車検」は、カーディラーと同じ点検・整備内容を実施し、予算オーバーはしないといった対応で、多くの方に支持されています。車検基本料と整備料金に対してはクレジットカード払いに対応していますが、法定費用は現金払いです。
Dr.Drive
「Dr.Drive」はENEOSが全国の特約店のサービスステーションで展開する車のケアサービスです。提供する「DD車検」では自社整備工場による高度な点検・整備が実施されます。法定費用を除き、車検費用にはクレジットカード払いが可能です。
※詳しくは、直接店舗にご確認ください
銀行などのカーローン
車を購入する際に利用することが多い金融機関のカーローンも、車検費用に利用できることがあります。審査基準はきびしめですが、比較的低い金利でローンを組めるので、借入総額を抑えたい方におすすめです。
クレジットカードの分割払い
車検専門店やカー用品店ではクレジットカードの分割払いが利用できることもあります。分割回数などはカード会社の規定によって異なります。クレジットカードのポイントを貯めたい方にも有効な方法といえるでしょう。利用店舗が分割払いに対応していない場合は、キャッシングで現金を借りて支払う方法もありますが、金利が高めなので注意が必要です。
消費者金融のカードローン
クレジットカードを持っていない場合やローン審査に通らないというときは、消費者金融のカードローンを利用するという方法もあります。審査が早くすぐにお金が受け取れるというメリットがあります。ただし、ほかに借入れがある場合など、条件によっては借入可能な金額には上限があり、金利も銀行のローンより高めとなるため、利用する際は慎重に検討しましょう。
金利別車検ローンのシミュレーション
ローンを組むと車検費用を分割で払えるようになりますが、金利や借入期間に応じて利息が発生します。銀行などのカーローンは審査がきびしい半面金利が安く、1~3%が相場とされています。一方、車検専門店やカー用品店では、3~10%と高めの金利が設定されています。
月々の返済額や返済総額は金利でどのくらい変わるのか、相場の最高金利3%と10%で、10万円を1年ローンと2年ローンで借り入れたケースでシミュレーションしてみましょう。
月の返済額 | 返済総額 | 利息総額 | ||
---|---|---|---|---|
金利3% | 借入期間1年 | 8,469円 | 101,628円 | 1,628円 |
借入期間2年 | 4,298円 | 103,152円 | 3,152円 | |
金利10% | 借入期間1年 | 8,792円 | 105,504円 | 5,504円 |
借入期間2年 | 4,614円 | 110,736円 | 10,736円 |
金利や借入期間によって、利息総額に大きな差が生じることがわかります。金利が低いローンを選んで借入期間を短くするのが理想ですが、金利の低いローンは審査がきびしく手続きに時間がかかる傾向があります。
一方、審査の通りやすさと迅速さを優先すると高金利になります。また、月々の返済額を抑えようとすると返済期間が長くなり、次の車検時期を迎えても返済が終わらない状況になってしまうため、ローンを検討する際は自身の状況に合わせて無理のない内容で組むことが大切です。
次回の車検費用を心配しない車の乗り方について、詳しくはこちら
車検ローンでは全額を払えない!?ローン利用時の注意点
車検費用をローンで支払う場合、注意しておくべき点がいくつかあります。車検費用は高額なだけに、後から「こんなはずじゃなかった!」とならないよう、事前にしっかり確認しておきましょう。
法定費用は分割できないことがある
車検費用のうち、法定費用はほとんどの車検業者で現金払いのみとなっています。法定費用は業者の収益には関係なく、業者が仲介して自治体に支払う費用です。そのため、法定費用を分割にしてしまうと業者が立て替えて支払うことになり、もし依頼者から支払いがなかった場合は、業者が損失を被ることになってしまいます。
そのような理由から、法定費用がローンの対象にならない場合は、キャッシングなどを利用していったん現金を用意して、支払日に間に合わせるといった方法もありますが、キャッシングは金利が高いので注意しましょう。
審査に通らないとローンが組めない
ローンには返済能力を評価する審査があり、審査に通らないとローンが組めません。支払日間近に慌てることがないように、早めに仮審査を受けたり、審査に通りやすくなる準備をしたり、ローン以外の支払方法を検討するなどの備えをしておきましょう。
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ローン審査に通らないのはどんなとき?
車検費用の支払いにローンを利用する際の審査では、年収や信用情報などの審査条件を基に、返済能力の有無をチェックします。勤続年数や年収に大きな問題がないのにローン審査に通らないときは、おもに次のような原因が考えられます。
収入に対して年間の返済総額が多い
ローンやキャッシングなどの借入れでは、収入に対して無理なく返済できる年間の返済額の割合である返済比率が、30~40%を超えないように上限を設けています。
1回の車検費用で返済比率を超えることはほぼありませんが、すでに借入れがある場合はそれらも含めた額で審査されるため、車検に利用するローン以外に借入れがあると審査に通りにくくなる場合があります。申込みの前に現在の年間返済額を確認しておきましょう。
ブラックリストに載っている
ローンやキャッシング、携帯電話やクレジットカードなどの支払い記録は、CICやJICCなどの個人信用情報機関に記録され、数年間保持されます。ローン審査ではそれらの機関に照会するため、延滞などの記録がある場合には審査通過が難しくなります。
自身の信用情報が心配な場合は、信用情報機関に開示を求めることも可能です。しかし、車検期限が迫っている状態では、費用も時間もかかるため、難しいといえるでしょう。
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ローンを組む以外にできること
車検のためにローンを組む以外に、車検費用そのものを抑えるといった、ローンに頼らない対処法もいくつかあるので、ご紹介します。
車検費用を下げる工夫をする
車検費用を安くするためにできることがあります。
1つは、複数の車検業者から見積もりを取り、内容や価格を比較する方法です。相場を知ることもでき、法定費用以外の金額では交渉の余地も生まれるでしょう。
2つ目は、自身で運輸支局に車を持ち込んで車検を受ける「ユーザー車検」という方法です。ある程度車に詳しければ、こちらも費用を抑える方法としては効果的です。車検前の車の整備や車検の予約、当日の事務手続きなどを自身で行うため、費用は基本的に法定費用のみで、約30,000円から車検を受けることができます(ユーザー車検について詳しくはこちら)。
しかし、いずれの方法も、手間や時間がかかる上、下げられる金額にも限界があるため、ローンを組んだ場合との兼ね合いを考えて判断することが大切です。
費用のかかる車検をやめて乗り換えたほうがお得?
車検代を用意できない場合に、ローンやクレジットカード払いは便利です。しかし、車検を受けずに新しい車に乗り換えてしまうという方法もあります。
もちろん、新しい車を購入するとなると、そのためにローンを組んだり初期費用を用意したりと、必要な費用は車検代の比ではないと思われるのは当然です。しかし、近年、車の利用法は多岐にわたり、購入するのではなく、初期費用のかからない方法で車を持つ方も多くなってきています。
中でもカーリースは最もマイカーに近い状態で車に乗ることができます。
カーリースは、自分で選んだ車に毎月定額の料金を支払いながら乗るサービスです。車検費用もカバーするプランを選べば、この先の車検費用を心配する必要もなくなります。初期費用がかからず、車検代も定額の利用料金に含められる上、月額10,000円台から新車に乗れるカーリースもあります。
次の項では、おすすめするカーリースの特徴を見ていきましょう。
車検費用を含めても月額10,000円台から新車に乗れる
ローンを組んでまで車検を受けるより、カーリースで新しい車に乗り換えることを選ぶなら、「おトクにマイカー 定額カルモくん」がおすすめです。月額料金には、自動車税(種別割)や自動車重量税などの税金、自賠責保険料、登録諸費用が含まれているため、初期費用がかかりません。つまり、月額料金の支払いのみで乗り換えることができるのです。
●メンテナンスプランで車検代に悩むこともなくなる
定額カルモくんが用意するメンテナンスプランでは、車検費用のほかにも消耗品の交換費用や法定12ヵ月点検の費用などもカバーされます。また、メンテナンスプランの料金をカーリースの月額料金に組み込んで定額にすることができるため、車検の度にまとまったお金を用意する必要がなくなり、家計への負担も軽減できるでしょう。
なお、定額カルモくんの料金は業界最安水準なので、メンテナンスプランに加入しても月額10,000円台から新車に乗れます。
●最終的には車が自分のものになる
一般的にカーリースでは、車を返却するのが前提となっているため、車の状態には神経を使いがちです。しかし、定額カルモくんの場合、7年以上の契約ならば、契約満了時にそのまま車をもらうことが可能です。いずれは自分の車となるため、気楽に使える上、好みに合わせてカスタマイズすることもできます。
定額カルモくんでは、国産メーカーの全車種・全グレードを取り扱っています。乗りたい新車が月々いくらで利用できるか、下のバナーボタンから簡単にシミュレーション可能です。まずは気軽にチェックしてみましょう。「条件を変更」から、メーカーや月額料金を設定して検索できます。
自分に合った車検業者や支払方法を選ぼう
車検はカーライフを安全に送る上で大切な点検制度です。事前にしっかり調べて、自身に合った業者や支払方法を選びましょう。なお、車検時期はあらかじめ決まっているので、スムーズに支払えるよう、余裕を持ってローンの審査を受けておくことなども大切です。
また、車検を見送って、カーリースのような初期費用のかからない方法で車を乗り換えてしまうのもひとつの方法です。「定額カルモくん」では、ローン審査より簡単で気軽に申し込める「お試し審査」が利用できます。
審査を通して利用可能な車種やプランの相談なども可能です。審査を受けても契約になるわけではないので、お試し審査を申し込んで車検費用のローンを組んだ場合と比較してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
Q1:車検費用はローンで払える?
A1:ディーラーや車検専門店、カー用品店などでは提携の信販会社のローンが利用できることがあります。銀行のカーローンも利用できます。また、金利が高くなるのでおすすめはしませんが、消費者金融のカードローン、クレジットカードのキャッシングなどで借り入れる方法もあります。
Q2:車検費用をローンで払ったときの返済総額は?
A2:10万円で1年ローンを組んだ場合、返済総額は金利3%で101,628円、金利10%では105,504円になります。同じ金利でも借入期間によって利息が変わるので、事前にシミュレーションをして、無理と無駄のない借入れを検討しましょう。
Q3:車検費用をローンで払うときの注意点は?
A3:ローンが利用できても法定費用は現金払いのみ対応という場合もあるので、注意しましょう。また、審査に通らないとローンを組むことができないので、早めに仮審査を受ける、ローン以外の支払方法を検討するなどの備えも大切です。ローンを組まずにカーリースに乗り換える道も検討してはいかがでしょうか。
※記事の内容は2021年10月時点の情報で制作しています。