車を選ぶ際はエクステリアのデザインや走行性能・燃費性能といった部分に目が行きがちです。しかしドライバーや乗員が最もふれることになるのは内装であり、居住性の良さやポケッテリアの使い勝手などによってその車が快適に使用できるかどうかが決まると言っても過言ではありません。そのため車選びの際には内装も細かく確認することが大切です。
ここでは、トヨタのミニバン「ノア」の内装について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- 閉塞感や圧迫感のない開放的な室内空間を確保
- 内装色の選択肢はグレードによって異なる
- 「フリーストップバックドア」など、荷室の使い勝手を高める機能を採用
ノアの室内空間の特徴
現行型のノアではプラットフォームを一新し、ボディ骨格を最適化することによって左右のCピラー間距離を従来型比で75mm拡大したことに加え、室内高は1,405mmを確保し、乗員が快適にドライブを楽しめる広く開放的な室内空間を創出しています。
また、両手がふさがっていても足をセンサーにかざすだけでパワースライドドアが自動開閉する「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」や、スライドドアが開くと同時に地上200mm(2WD)の位置にステップを出す「ユニバーサルステップ(助手席側)」、センターピラーの左右に小さな子供でもつかみやすいように工夫された「ロングアシストグリップ」を採用するなど、乗降性を向上させているのも現行型のトピックのひとつといえるでしょう。
ノアの内装
ここからは、ノアのグレードごとの内装について見ていきましょう。
シンプルな「X」
エントリーグレードの「X」は、加飾類をほとんど使用しないすっきりとしたシンプルな内装です。内装色はダークグレー1色で、カラーバリエーションはありません。シート表皮にはファブリックが使用されています。
シルバーの輝きが華やかさを演出する「G」
ワンランク上の「G」になると、本革巻きステアリングホイールやシフトノブにシルバー加飾があしらわれるほか、インパネセンタークラスター、フロントレジスターなどにもシルバーを使用し、華やかさを演出しているのが特徴です。
また、助手席前のインパネオーナメントが合成皮革巻き、フロントドアアームレストがソフトレザーになるなど、乗員の手がふれやすい部分に手触りの良い素材を使用しています。
なお、「G」の内装色の標準設定はブラックですが、フロマージュの選択も可能です。シート表皮は上級ファブリックになります。
洗練されたカラーリングが魅力の「Z」
上級グレードの「Z」では、インパネアッパーオーナメント、インパネオーナメントともに合成皮革巻きになり、インパネオーナメントにはさらにステッチがあしらわれます。
また、フロントドアとスライドドアのドアトリムオーナメントがソフトレザー仕立てになり、シート素材にも合成皮革があしらわれ上質感あふれる室内空間になっています。
内装色はブラックとダークブラウンの2色から選択が可能です。
ブラックで統一された「S-G」「S-Z」
専用のフロントバンパーやエアロパーツを装着し、存在感や迫力のあるエクステリアデザインが持ち味のエアログレード「S-G」「S-Z」は「G」「Z」がベースになっていますが、内装色のバリエーションは用意されず、ブラックで固定されます。
なお、ノーマルグレードの天井色がライトグレーであるのに対し、「S-G」「S-Z」の天井色はブラックなので、室内空間はブラックで統一されエアログレードらしいクールな室内空間となっています。
シート素材は、それぞれのベースグレードに準じます。
ノアのポケッテリア
ノアには、使い勝手にこだわったこまごまとしたポケッテリアが用意されています。
センターコンソールボックス
標準仕様のセンターコンソールボックスは、グレードやパワートレインによって形状や機能性が異なります。なお、エントリーグレードである「X」ではセンターコンソールボックスは標準装備されていません。
インパネ一体型(「S-Z」「Z」のハイブリッド車に標準装備、「S-G」「G」「X」のハイブリッド車にメーカーオプション)
出典:トヨタ「ノア」特長
インパネ一体型のセンターコンソールボックスは、前席のメイン収納として使用できる十分な容量を備えています。アクセサリーコンセントは非常時給電システムの設定があり、電源はAC100Vで電気製品が使用できるので、災害などでの備えにもなります。
なお、「S-Z」「Z」を除くグレードでは、センターコンソールボックス後端にスマートフォンなどの充電ができるType-CのUSB端子が備わります。
独立型(「S-Z」「Z」「X」を除くグレードに標準装備)
「S-G」「G」のハイブリッド車は独立した一般的なセンターコンソールボックスで、アッパートレイとリアボックス、Type-Cの充電用USB端子が備わります。
「S-G」「G」のガソリン車に標準仕様のセンターコンソールボックスは、フロント・リアボックス付きで、アッパートレイはありません。パッケージオプションの「快適利便パッケージ(Mid)」を追加すると、充電用USB端子が2個追加されます。
折りたたみ式大型サイドテーブル(「S-Z」「Z」に標準装備)
ノアの7人乗りの2列目キャプテンシートには、どのグレードにもカップホルダー2個付きの折りたたみ式のサイドテーブルが採用されていますが、上級グレードの「S-Z」「Z」ではカップホルダー4個とポケット、エコバッグフック2個、Type-Cの充電用USB端子2個が備わる大型のものになります。
なお、パッケージオプションの「快適利便パッケージ(High)」を追加すると、キャプテンシートにシートヒーターやオットマン(2WDのみ)が追加されるので、快適性や利便性はかなり向上します。トヨタのワンランク上のミニバン「アルファード」のようなおもてなし装備があるのはうれしいポイントではないでしょうか。
なお8人乗りの2列目ベンチシートには、カップホルダー2個とエコバックフックがついたセンターボックスが備わります。
ノアにはこのほかにも、Type-C充電用端子(「X」を除く)とType-A通信・充電用USB端子(「X」を除く)がついたシフト横小物入れ、運転席・助手席のカップホルダー、助手席アッパーボックスなどの多様なポケッテリアが用意されています。
ノアの荷室
出典:トヨタ「ノア」ギャラリー
ノアのバックドア開口部の地上高は500mmと低く設定されていることに加え、104Lものスーパーラゲージボックスを備え、大きな荷物や背の高い荷物も積み込みやすいのが魅力です。
さらに、車両の側面両側にスイッチを配置し、車の横に立って操作することができる「パワーバックドア」を採用。任意の位置で停止させる機能や挟み込み防止機能も搭載されています。なお、「パワーバックドア」は「S-Z」「Z」にオプション設定です。
また、世界初(2022年1月時点、トヨタ自動車調べ)の「フリーストップバックドア」を全車に採用しているのも特筆すべきポイントでしょう。これは手動でバックドアを任意の位置で保持できる機能を搭載したバックドアです。
使い勝手を高める機能が多数搭載されたノア
現行型のノアはミニバンに期待したい居住空間の広さはもちろん、快適性や利便性を高めるさまざまな機能が採用されています。家族みんなが笑顔で利用できる使い勝手の良さを備えた1台といえるでしょう。
よくある質問
Q1:ノアの室内空間の特徴は?
A:現行型のノアはプラットフォームを一新し、左右のCピラー間距離を従来型比で75mm拡大していることに加え、室内高1,405mmを確保し、圧迫感や閉塞感のない開放的な居住空間を実現しています。
Q2:ノアの内装色は選べるの?
A:内装色の選択肢はグレードによって変わります。「X」はダークグレー、エアログレードの「S-G」「S-Z」はブラックで固定ですが、「G」はブラックとフロマージュ、「Z」はブラックとダークブラウンの2色から選択できます。
Q3:ノアの荷室の使い勝手は?
A:ノアの荷室は荷室開口部の地上高を500mmと低く設計している上、104Lもの大容量のスーパーラゲージボックスを備えているので、背の高い荷物や大きな荷物も積み込みやすいのが特徴です。また、車両の側面にスイッチを配置した「パワーバックドア」や手動で好きな位置にバックドアを保持できる「フリーストップバックドア」などの利便性を高める機能も採用しています。
※この記事は2022年8月時点の情報で制作しています