近年の新型車には、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備が搭載されるようになってきています。先進安全装備は同じ機能であってもメーカーによって名称が異なる上、搭載される機能の充実度が車種によって大きく異なるため、車選びの際にはその車がどのような安全性能を持っているのかを確認することが大切です。
ここでは、ダイハツ「トール」の安全性能について紹介します。
この記事のPOINT
- 全車にダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」を標準装備
- 2020年9月のマイナーチェンジで多くの新機能を追加
- 全車「サポカーSワイド」の認定を受けている
トールの安全性能の特徴
トールには周囲の状況を確認し、必要に応じて自動でブレーキ制御などを行って安全運転をサポートするダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」を全車に標準装備しています。
2020年9月のマイナーチェンジでは、2020年6月に登場した軽クロスオーバー「タフト」に採用された新型のステレオカメラを搭載することによって検知機能を向上させたことに加え、多数の新機能を採用し、日常生活に寄り添う車としてより「安全・安心」を強化しているのが特徴といえるでしょう。
トールは政府が普及を推進している「セーフティ・サポートカー(通称サポカー)」の中でも最も上位の「サポカーSワイド」に認定されています。
トールに搭載される「スマートアシスト」の内容
ここからは、トールに搭載されている「スマートアシスト」に含まれる機能を詳しく紹介します。
衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能
前方の車両や歩行者などを検知し、危険があると判断すると警告したり自動ブレーキを作動させたりして衝突回避を図る機能です。
衝突警報機能
ステレオカメラが車両や歩行者を検知し、衝突のおそれがあると判断した場合にはブザー音とディスプレイ表示で警告する機能です。車両の場合は前方約60m以内、歩行者の場合は前方約30m以内で検知します。
事前ブレーキ
さらに衝突の危険が高まると、自動で弱いブレーキを作動させます。
被害軽減ブレーキアシスト
事前ブレーキが作動した状態でドライバーがブレーキを踏むと、システムがブレーキ踏力をサポートして制動力を高めます。
緊急ブレーキ
それでも衝突回避が不可能とシステムが判断した場合には、強いブレーキを作動させて衝突の回避・衝突被害軽減をサポートします。
車両に加え、二輪車と昼夜の歩行者の検知が可能です。
衝突回避を支援する各種警報機能
トールには、車線を認識して衝突回避を支援する機能が複数搭載されています。
車線逸脱警報機能
約60km/hで走行時にステレオカメラが車線を検知し、車両が車線からはみ出す危険があるとシステムが判断した場合にはブザー音とディスプレイ表示で警告を発し、ドライバーに回避操作を促す機能です。
ふらつき警報
ロングドライブの際、システムが車両のふらつきを検知するとブザー音とディスプレイ表示でドライバーにふらつきを知らせ、休憩を促します。
路側逸脱警報機能
走行中に車両が路側へはみ出す危険があるとシステムが判断した場合、ブザー音とディスプレイ表示で警報を発し、ドライバーに注意喚起します。約60km/h以上で走行中に作動します。
ブレーキ制御付き誤発進抑制機能(前方・後方)
駐車時など約10m/h以下で徐行中に、進行方向の障害物を検知している状態でアクセルペダルが強く踏み込まれるなどシステムが踏み間違いを判定した場合、ブザー音とディスプレイ表示、メーター内表示で警告を発するとともにエンジン出力を抑制、衝突の危険がある場合にはブレーキ制御を行い急発進・急加速を防止する機能です。
前方は約4m以内、後方では約2~3m先までの壁などの障害物の検知が可能です。
先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどでブレーキペダルを踏んで停車している際、前方約10m以内の先行車が約3m以上進んでも自車が発進しない場合に、ブザー音やディスプレイ表示でドライバーに先行車の発進を知らせ、出遅れを防ぐ機能です。
AHB(オートハイビーム)/ADB(アダプティブドライビングビーム)
「サポカーSワイド」の認定に必要な先進ライトは、ノーマルモデルとカスタムモデルで機能が異なります。
AHB(オートハイビーム・ノーマルモデルに標準装備)
システムが対向車のヘッドランプなどを検知し、自動でハイビームとロービームを切り替える機能です。手動切り替えの手間や切り替え忘れをなくし、安全運転をサポートします。
また、対向車や先行車がいない場合には常にハイビームを使用するので夜間視認性が向上し、障害物や歩行者などの早期発見に貢献します。
ADB(アダプティブドライビングビーム・カスタムモデルに標準装備)
常時ハイビームを使用して走行し、先行車や対向車を検知した場合はLEDランプを部分的に遮光して眩惑を防止します。
コーナーセンサー(フロント2個/リア2個)
車両の前後に設置されたコーナーセンサーが車両の周囲の障害物を検知し、車両と障害物の距離に応じて警告音を変化させてドライバーに障害物の接近を知らせ、駐車時などの取り回しをサポートする機能です。
標識認識機能(「X」を除くグレードに標準装備、「X」にメーカーオプション)
2020年9月のマイナーチェンジで新しく追加された機能のひとつで、道路標識を認識してディスプレイに表示することで、ドライバーの標識見落としを防止し安全運転に寄与します。進入禁止、最高速度、一時停止の3種類の標識の認識が可能です。
カスタムモデルにはロングドライブをサポートしてくれる運転支援機能を搭載
カスタムモデルには、高速走行時や渋滞などの運転をサポートしてくれる機能が標準装備されます。
全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)
システムが先行車を認識し、設定した車速内で安全な車間距離を保ちながら追従走行します。先行車が減速・停止した場合には自車も減速・停止しブレーキをかけ続けます。先行車が発進するとドライバー操作で再発進した後は追従走行を再開してくれる優れものです。
高速道路や自動車専用道路でのドライバーの負担を大幅に軽減してくれるでしょう。
「サポカーSワイド」に認定されているトールでカーライフを楽しもう!
衝突回避支援システム「スマートアシスト」を搭載するトールは、全車が「サポカーSワイド」に認定されており、家族みんなが安心して使用できる車といえるでしょう。
楽しいカーライフは安全の上に成り立つもの。車選びの重要ポイントとなる安全性能はしっかりと確認することをおすすめします。
よくある質問
Q1:トールには先進安全技術は装備されているの?
A:はい、トールにはエントリーグレードの「X」を含む全車にダイハツの予防安全機能「スマートアシスト」が標準装備されています。
Q2:トールに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?
A:車両のほか昼夜の歩行者や昼間の二輪車の検知を可能とした「衝突警報機能/衝突回避支援ブレーキ機能」や、後方にも対応した「ブレーキ制御付き誤発進抑制機能」、車線からのはみ出しやふらつき、路側へのはみ出しの危険を察知して注意喚起する各種警報機能、道路標識を認識してディスプレイに表示することで標識見落としを防止して安全運転をサポートする「標識認識機能」などが採用されています。
Q3:カスタムモデルにのみ標準装備される運転支援機能って?
A:「全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)」は、設定した車速内で安全な車間距離を維持しながら先行車に追従走行することでドライバーの負担を減らす機能です。全車速追従機能付きなので渋滞時などの停止まで追従するため、高速走行時のみならず渋滞時のストレスも軽減してくれます。
Q4:トールはどの「サポカー」に該当するの?
A:トールは全車が「サポカーSワイド」の認定を受けています。
※記事の内容は2021年3月時点の情報で執筆しています。