2022年7月23日(土)、24日(日)の2日間、東京ビッグサイトで「東京キャンピングカーショー2022」が開催。コロナ対策万全の中、多くの来場者を迎え、賑わいを見せている。
キャンピングカーショーは2月の「ジャパンキャンピングカーショー」(2022年は2月10日(木)から4日間、千葉県の幕張メッセにて開催)を皮切りに年間を通して全国十数ヵ所で行われていく(2022年は16ヵ所で開催)。
今回取材した「東京キャンピングカーショー2022」は地区レベルのキャンピングカーショーとなるが、その歴史は20年を超え、13,000平米に出展企業数は70以上と規模は決して小さくはなく、約20,000人の来場者を見込んでいるという。
注目の的、軽キャンピングカー
トラックキャンパーやキャブコンバージョン、キャンピングトレーラー、バスコンバージョン、軽キャンパーなど様々なタイプの展示がされていたが、中でも一見キャンピングカーとは気付かない、外装は普通の車のママのものや、特に軽自動車のキャンピングカーが目を引いており、ブースでは人集りができ、多くの来場者が中を覗き込んだり、説明を聞いたりしていた。
ルーフトップが美しいキャンピングカー
こちらは「WHITE HOUSE」のブース。展示車全てルーフトップが跳ね上げられ、キャンプ仕様の特別感を演出。
特にこちらの「N BOX」は内装も普段使いを優先した作りになっていて、仕事も遊びも両立できる軽キャンピングカーとなっている。
家具職人がつくる軽キャンピングカー
「Warmth」が提案するのは木のぬくもり。
内装はシンプルだが、素材が良く、肌触りや香りなど居心地の良さを追求している。
車中泊のマットにこだわった1台
こちらは「TOWAモータース」の軽キャンピングカー。
マットのクッション性がよく、車中泊とは思えない寝心地が味わえそう。
他にも様々な軽キャンピングカーが展示
こちらは屋根にソーラーパネルを装備しているタイプ。
これであればバッテリーいらずで過ごせる。
こちらは最大4人が寝られる2段ベッドタイプ。上の段は運転席・助手席のところまでベッドが突き出ており、上下で頭の位置をずらすことで、それぞれの空間を確保。
ちなみに、外観はこちら。まさか、この中で4人が足を伸ばして寝ているとは思えない。
訴求文言に「防災」「災害」の文字。広がるキャンピングカーのあり方
多くのブースにてキャンピングカーのセールスポイントとして目に入ってきたのは「防災」や「災害に強い」といった、災害時の利用シーンを意識した訴求であった。
前出の屋根にソーラーパネルを装備しているものもそうだが、蓄電としての活用や、避難を必要とされる事態において、移動できる過ごしやすい空間としての利用を提案している。
実際、一般社団法人日本RV協会が行った全国14,395人に対するアンケートでもコロナ禍や災害時でキャンピングカーを活用しているといった回答が目立った(2021年11月22日~2022年3月6日、「くるま旅クラブ」会員のキャンピングカーユーザーを対象とした調査)。
キャンピングカーの盛り上がりと今後
東京キャンピングカーショー2022を主催する一般社団法人日本RV協会のイベント事業部長、神代哲平さんに話を聞いた。
――キャンピングカーの流行をどのように感じているか
コロナ禍になり、公共交通機関での旅行が減少し、車、特にキャンピングカーの需要を感じている。
また、キャンプブームもひとつの要因。さらに、防災という意識で購入される方も増えている。
――キャンプ好きはテントを利用すると思うが、キャンプ好きにもニーズはあるものか
テントの設営がいらないことからテントを使用しないキャンプや、また、キャンプに行ってもテントで寝る人とキャンピングカーで寝る人が分かれて利用するというケースもある。
――普段使いを意識したものが目についたが、傾向はどんなものがあるか
キャンピングカーをファーストカーとして利用する人も多い。そういった作りによってキャンピングカーが購入しやすいものになったとも考えられる。
また、軽自動車は運転がしやすいということで女性にも響いている様子。
設備としては、オール電化のものも増えている。
――今後について
今は需要に対して供給がまったく追いついていない状況。
自動車や部品の納品が遅れ、お客様への納車まで2年待ちということも起きている。
まずはその状況が改善されれば、さらに利用者が増え、ますますキャンピングカー業界は盛り上がっていくと思われる。
今後もキャンピングカー市場から目が離せない。
(取材・写真/伊藤真二)