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「トヨタカローラ」走り、スタイル、質感、すべてが良くなった(岡崎五朗レポート)

「トヨタカローラ」走り、スタイル、質感、すべてが良くなった(岡崎五朗レポート)
「トヨタカローラ」走り、スタイル、質感、すべてが良くなった(岡崎五朗レポート)

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ハッチバックモデルのカローラスポーツに続き、セダンのカローラとステーションワゴンのカローラツーリングが登場した。コスト至上主義だった先代に比べて、新型カローラはスタイル、質感、そして走りのすべてのレベルが格段に向上していた。岡崎五朗さんの試乗レポートをお届けしよう。

 

今度のカローラは別物

今度のカローラは別物

今度のカローラはいままでのカローラとは別物と言っていいぐらいに違う。まずはそこを強調しておきたいと思う。

1966年に初代が登場したカローラは、日本のモータリゼーションとともに歩んできた。カラーテレビ、クーラー、自家用車が新三種の神器と呼ばれた時代、カローラは間違いなく全国津々浦々の家庭に幸せを届ける存在だった。しかしバブル崩壊以降は、クルマに無頓着な人やレンタカー、あるいは1円でも安く買いたい法人向け営業車へとおもなターゲットをシフト。特に「コスト低減第一」という考え方が徹底的に強化された先代は、笑顔になるどころか、乗っていると空しい気分にさせられるようなクルマになってしまった。先代に乗ったとき、ああ、これでカローラは最後かもしれないなと思ったものだ。

若々しいデザイン、質感の高いインテリア

若々しいデザイン、質感の高いインテリア

そんな状況のなか登場した新型カローラは大きく生まれ変わっていた。エンジンやプラットフォームといった主要メカニズムを刷新するとともに、若々しいデザインや質感の高いインテリアを採用してきたのだ。もっとも、この動きは昨年登場したハッチバックモデルのカローラスポーツにも表れていた。しかしカローラの本命はなんといってもセダンとワゴン。セダンとワゴンがよくなってこそ、カローラの復活は本物と呼べる。

セダンはサイズも価格も日本向けにアレンジ

セダンはサイズも価格も日本向けにアレンジ

そこで気になっていたのがボディサイズと価格だ。カローラスポーツは海外マーケットを重視しているため全幅は1790㎜に達し、価格も216.9万円〜とカローラとしては高めに設定している。しかしトヨタは賢明にもセダン&ワゴンでは全幅を1745㎜に、価格(セダン)を193.6万円〜としてきた。

カローラ室内
カローラ後部座席
カローラ荷室
それでも3ナンバーサイズにはなったが、最小回転半径や乗降性に配慮した設計とすることで5ナンバーサイズとほぼ同じ使い勝手を実現している。大ベストセラーカーとなった先々代プリウスがカローラセダンとほぼ同サイズの3ナンバー車だった点も開発陣の背中を押したようだ。ちなみに、それでも絶対に5ナンバーじゃないとダメという人のためにカローラアクシオを継続販売しているが、法人需要ならともかく、マイカーとしてはおすすめしない。

カローラという名前のイメージを覆す出来の良さ

カローラという名前のイメージを覆す出来の良さ

さて、新型カローラだが、具体的にどこがどうよくなったのかというと「すべて」という言葉が相応しい。内外装から安普請な感触はきれいに排除されたし、実際に乗ってみればカローラが数段格上のクルマになったことを実感できるだろう。静粛性、乗り心地、直進安定性、コーナリング時の安心感など、とにかく運転していて気持ちがいい。
カローラ外観

ハイブリッドの燃費と動力性能は魅力だが、予算がなければ1.8Lでも十分に新型の魅力を味わえる。また、1.2Lターボを選んでスポーティーな走りを楽しむのも悪くないアイディアだ。価格は先代より上がったが、中身の進化分を考えればコスパは大幅に上昇したというのが僕の考えだ。とにかく、カローラという名前だけで退屈なクルマだろうなとリジェクトしてしまうのは避けたい。騙されたと思って、一度試乗してみてほしい。

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※記事の内容は2019年12月時点の情報で制作しています。

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