車は車種ごとに大きく個性が異なります。内装にもその個性は反映されているので、インテリアの質感や収納の使い勝手などが自分の好みやニーズに合っているのかどうかをしっかりと確認して車を選ぶようにしましょう。
ここではスズキ「アルト」の内装について紹介します。
アルトの室内空間の特徴
現行型のアルトは新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用しています。この新開発のプラットフォームは従来よりも軽量・高剛性であるため走行性能や燃費の向上に貢献していますが、それだけではなくエンジンルームを最小化することにも成功し、軽セダンでトップ(※2019年9月、スズキ調べ)の室内長2,040mmを実現しました。
コンパクトなボディにもかかわらず、4人が狭さを感じずにゆったりと座れる室内空間を確保しています。
またコックピットではガラスエリアを広くとることで良好な視界を確保するとともに、ルーフライニングやピラートリムの張り出しを抑え、開放的な室内空間を演出しています。
アルトの内装の特徴
アルトには「F」「L」「S」「X」の4つのグレードがラインナップされていますが、内装に関してはグレードごとにあまり大きな差は持たせていません。
アルトの内装の特徴は機能性とデザイン性を両立させていることでしょう。アルトは軽自動車のスタンダードモデルとして100万円以下で購入できるグレードを複数用意するなど、軽自動車ならではのお手頃な価格が魅力な車ですが、インテリアは価格を感じさせない上質な仕上がりです。
ブラックを基調としたインテリアは洗練と落ち着きを感じさせます。インパネのデザインは横基調にして広さを演出するとともに、ニュアンスカラーのグレージュのカラーパネルを使用してシンプルな中にもシックさを感じさせる装いとなっています。
シートにはネイビーのファブリック素材にホワイトのパイピングがあしらわれ、スタイリッシュさを室内にもたらします。
グレードによって異なる部分は、最上級グレードの「X」ではエアコンのサイドルーバーとセンタールーバーにサテンメッキ加飾、インサイドドアハンドルにシルバー加飾があしらわれる点と、可倒式アシストグリップが「F」「L」では助手席のみなのに対し「S」「X」では助手席に加えてリヤ両側にも装備される点のみです。
アルトの座席周りの収納
座席周りの収納の充実度や使い勝手はドライブの快適さを左右します。アルトにはどのような収納が用意されているのか、見てみましょう。
インパネセンタートレー
インパネの中央部、エアコンパネルの上部には小さいスペースですがトレーが装備されています。スマートフォンや薄型のカードケース、ミントタブレットなど厚みのないものの収納に最適です。
グローブボックス
車検証などの書類入れとして使用されるグローブボックスはもちろん標準装備です。アルトにはセンターコンソールボックスなどの大きな収納がないので、座席周りの収納の中ではこのグローブボックスが最も大きな収納となります。
グローブボックスは平均的な大きさで、書類を入れてもまだ少し余裕があるので、薄型のボックスティッシュなどはここに収納するといいかもしれません。
センターロアポケット
センターロアポケットはタオルやポーチ、財布などの収納として使用できるサイズです。高さがあまりないので、500mlのペットボトルは収納できません。
コンソールドリンクホルダー(フロント2、リヤ2)
コンソールドリンクホルダーはフロントシート用に2個、リヤシート用に2個用意されています。リヤシート用のドリンクホルダーは丸形で紙パックには対応していませんが、フロントシート用のドリンクホルダーには500mlの紙パックドリンクも収納可能です。
買い物フック(インパネ、助手席シートバック)
インパネと助手席シートバックには紙袋やバッグを掛けられるフックが用意されています。特に窮屈になりがちなリヤシートでは座席を広く使用するためにもこうした細かい配慮があるのは評価できるポイントといえるでしょう。助手席シートバックのフックは4kgまでの重量に耐えられます。
フロントドアポケット
フロントドアには雑誌や地図の収納が可能なドアポケットが装備されています。ドリンクホルダーや小物が入れられるスペースはありません。
またこのほかに、「S」と「X」には運転席・助手席にチケットホルダーつきのバニティーミラーが装備されます。
アルトの座席周りの収納は以上です。
アルトの荷室の収納・座席アレンジ
アルトはバックドアの開口部幅を広く確保し、大きな荷物や長さのある荷物の積み降ろしも楽にできるように工夫されています。日常の買い物には十分な荷室の広さを確保しているのはもちろんのこと、仕切りのあるラゲッジアンダーボックスを装備しているため、こまごましたものもすっきりと収納できます。
アルトのリヤシートはどのグレードでも一体可倒式なのでシートアレンジの幅はありませんが、リヤシートを倒せば大型の荷物も収納可能です。
アルトの内装はシンプルで機能的なデザインが持ち味
アルトのインテリアデザインは日常生活に寄り添う車として必要な機能性と万人に受け入れられるシンプルで質の良さを感じさせるものとなっています。座席周りの収納も近年の軽自動車としてはどちらかというとシンプルな部類に入るかと思いますが、そのシンプルさを活かしてさまざまなアレンジができるように、アルトには豊富なアクセサリーが用意されています。
インテリアに華やかさをプラスしたければシートカバーやガーニッシュ類を追加するのもいいですし、フロアイルミネーションを追加してみるのも印象がガラッと変わり面白いでしょう。
収納を充実させたいのであればシートネットやクッションボックスを追加すると収納力がアップ。また荷室にはラゲッジネットやトノカバーなどを使用すれば、使い勝手も向上します。
軽自動車のベーシックモデルとしてのシンプルさを活かしてそのまま使用するのはもちろん、自分流にさまざまなアレンジができるのもアルトの魅力のひとつといえるでしょう。
※記事の内容は2019年12月時点の情報で執筆しています。