今では普通車はもちろん、軽自動車にもさまざまな先進安全技術が搭載される時代になりました。新型車が登場する度により進化した新しい技術が加わるなど、今や先進安全技術の充実度は車選びの重要チェックポイントのひとつといえます。
日本が世界に誇る本格スポーツカーである日産「GT-R」には、どのような安全性能が備わっているのでしょうか。ここでは、GT-Rの安全性能について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- GT-Rは衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術は採用していない
- 先進安全技術は後付けも不可
- オプションで追加できる安全装備としてサイドエアバッグ・カーテンエアバッグがある
GT-Rの安全性能の特徴
国土交通省や経済産業省が高齢運転者の交通事故防止対策の一環として、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術を搭載した車「セーフティ・サポートカー(通称サポカー)」の普及を啓発していることもあり、ここ数年で先進安全技術を搭載した車は一般的になりました。
また、2019年2月に、欧州や日本などの40の国や地域が衝突被害軽減ブレーキの新車搭載の義務化に合意、日本においては2021年11月以降フルモデルチェンジする国産新型車には衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務化されました。なお、継続して販売される国産車に関しては2025年12月以降に搭載が義務付けられます。
日産は夜間の歩行者や人が乗車した自転車の検知も可能な衝突被害軽減ブレーキである「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」やドライバーから視認できない2台前を走行する車をモニタリングし、減速の必要があると判断すれば注意喚起する「インテリジェントFCW」などの最新鋭の予防安全装備を多数のモデルに採用しています。
また、高速道路などの自動車専用道路でアクセル・ブレーキ・ステアリング操作をシステムが支援することでドライバーの負担を大幅に軽減する「プロパイロット」などの運転支援機能も開発していますが、2021年10月下旬、衝突被害軽減ブレーキの搭載義務化の直前に販売が開始されたGT-Rの2022年モデルにはそういった先進安全技術は採用されていません。
また、メーカーや車種によっては衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置が後付けできる場合もありますが、GT-Rにはそういった後付け機構もないため、今時の一般的なファミリーカーのような先進安全技術はないことを認識しておく必要があるといえるでしょう。
GT-Rの安全装備
ここでは、GT-Rにはどのような安全装備があるのかを見ていきましょう。
スーパーワイドビームヘッドランプ
出典:日産「GT-R」安全性能
GT-Rのヘッドランプは、メインLEDロービーム、遠方用LEDロービーム、ワイドイリジウムLEDロービーム、大光量のLEDハイビームの4つのLEDランプで構成することにより、コーナリングランプ、フォグランプの領域までカバーする広い照射範囲を確保し、夜間視認性を向上しています。
また、ステアリング操作に連動して進行方向を明るく照らし出すことで、夜間の歩行者や障害物などの早期発見に貢献するAFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)も採用しています。
LEDハイパーデイライト
出典:日産「GT-R」安全性能
欧州の多くの国で義務化されているデイライト(デイタイム・ランニング・ランプ)は、昼間でも常時ライトを点灯させておくことによって被視認性を高め、自車の存在を周囲に認識してもらうことで交通事故低減を図るアイテムです。
GT-Rでは、全車にフロントバンパーサイドグリルと一体化したLEDハイパーデイライトを標準装備。なお、LEDハイパーデイライトを消灯したい方向けに、ディーラーオプションでキャンセルスイッチの設定もあります。
高輝度LEDリアコンビネーションランプ
出典:日産「GT-R」安全性能
リアコンビネーションランプには、夜間や悪天候時でも認識されやすい高輝度タイプのLEDランプを採用しています。
ABS/EBD/VDC-R/フロント&バックソナー
タイヤのロックを抑制するABS(アンチロックブレーキシステム)や乗員人数に応じて制動力を最適配分する電子制御制動力配分システムであるEBD、急ブレーキを踏んだときなどの横滑り時にブレーキとエンジン出力の制御によって車両安定性を向上させるVDC-R(ビークルダイナミクスコントロール)により、危険な状態に陥りそうなシーンでドライバーをサポートします。
さらに、車両と周囲の障害物の距離を計測し、ドライバーに音や表示で知らせることで障害物との接触回避をサポートするソナーをフロント、リアに搭載しています。
エアバッグ/ポップアップエンジンフード
GT-Rでは、全車に標準装備される運転席・助手席のエアバッグに加え、オプションでサイドエアバッグ(運転席・助手席)とカーテンエアバッグの追加が可能です。
また、万が一の衝突時にエンジンフードを瞬時に持ち上げ、歩行者の頭部への衝撃をやわらげる「ポップアップエンジンフード」を採用しています。
GT-Rには先進安全技術は搭載されていない
ピュアスポーツカーであるGT-Rには、どのグレードにも衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術は採用されていません。
安全性能は車種によって大きな差があるため、車選びの際にはしっかりと確認することをおすすめします。
よくある質問
Q1:GT-Rには先進安全技術は搭載されているの?
A:いいえ、GT-Rは衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い急発進抑制装置などの先進安全技術は搭載していません。
Q2:GT-Rが採用している安全装備にはどのようなものがあるの?
A:4つのLEDランプで構成し、フォグランプやコーナリングランプの領域までカバーするよう照射範囲を拡大した「スーパーワイドビームヘッドランプ」や、昼間に点灯することで被視認性を高め、自車の存在を周囲に知らせる「LEDハイパーデイライト」、車両と障害物の距離を音や表示でドライバーに知らせ、接触回避を支援する「フロント&バックソナー」などが搭載されています。
Q3:GT-Rにはオプションで追加できる安全装備はある?
A:はい、あります。全車にサイドエアバッグ(運転席・助手席)、カーテンエアバッグの追加が可能です。
Q4:GT-Rはどの「サポカー」に該当するの?
A:GT-Rは衝突被害軽減ブレーキを採用していないため、全車「サポカー」ではありません。
※この記事は2022年4月時点の情報で制作しています