スバル初のFRスポーツカーとして2012年3月に販売が開始されたBRZ。何よりも走行性能に特化したスポーツモデルの場合、内装はあまり重視しないという方も多いようですが、内装は居心地の良さにもかかわるためサーキット走行だけではなく日常的に使用することを考えているのであればチェックしておくことをおすすめします。
ここでは、スバル「BRZ」の内装について紹介します。
【この記事のポイント】
✔BRZはピップポイントが400mmと低く設定されている
✔「R Customize Package」/「RA Racing」は加飾などが省かれたごくシンプルなインテリア
✔上級グレードには本革やアルカンターラなどの高級素材を使用
BRZの室内空間の特徴
BRZは、スバル自慢の水平対向エンジンの長所を活かし、超低重心パッケージングを採用しています。ドライバーのヒップポイントを400mmと低く設定することで、車両全体の低重心化に貢献。さらにスーパースポーツカー並みの目線の低さを実現させたほか、着座位置を低くすることでコーナリング時の揺れを少なくし、快適かつ正確なドライビングを可能としました。
また、シートはBRZならではの低い着座位置に合わせて専用開発されたシートを採用し、しっかりと身体をホールドし車との一体感を味わえるように工夫されているのも特徴といえるでしょう。
BRZのグレードごとの内装
ここからは、BRZのグレードごとの内装を見ていきましょう。
最もシンプルな「R Customize Package」/「RA Racing」
カスタマイズすることが前提のグレード「R Customize Package」
最も価格の安い「R Customize Package」は装備をできるだけ簡略化して、カスタマイズすることを前提にしたグレードです。そのためインテリアも非常にシンプルでストイックな雰囲気を感じるものとなっています。加飾やステッチなどもほとんど使用されていないので、そのまま何も手を加えない状態では若干もの足りなさや寂しさを感じてしまうかもしれません。
車好きでカスタマイズすることが前提の方にとっては余分なものがなく、自分好みに作り上げられるのでこのシンプルさがメリットになるでしょう。
競技用車両の「RA Racing」
「RA Racing」はサーキット走行が可能な競技用車両です。そのため「R Customize Package」と同じく余分なものは一切ないインテリアとなっています。
唯一「R Customize Package」と異なるのは専用のフロアマットが装備される点でしょう。そのほかはサイドバー付きのロールケージやFIA公認4点式シートベルトなど、スポーツ走行に必要なものが搭載されています。
内装の質感がアップする「R」
本革巻きのステアリングホイールを採用
「R」では、ステアリングホイールやシフトレバーもしくはシフトノブ、ハンドブレーキレバーに本革が使用され、内装の無機質さがやわらぎます。手に吸い付くような質感で操作性が向上するのもメリットといえるでしょう。
レッドステッチや加飾も追加
また随所にレッドステッチやシルバー加飾もあしらわれ、スポーツモデルらしいアクティブさも演出しています。ペダル類にはスポーティーさを感じさせるアルミパッド付きスポーツペダルが採用されました。
よりインテリアの質にこだわった「S」
シートがより上質なものに
ほかのグレードがトリコットのシートでステッチがなかったのに対し、この「S」ではファブリック×トリコットのコンビシートとなり、さらにレッドステッチが追加されることによって上質さを増しています。
インパネやメーターバイザーにレザー調素材を使用
インパネやメーターバイザーはレザー調素材巻きになるなど、日常的に使用しても違和感を覚えることのない質感の高さを実現。スポーツカーといってもそれなりのインテリアが欲しい、という方にはこの「S」グレード以上が選択肢になるでしょう。運転席・助手席のニーパッドも標準装備になります。
アルカンターラのシートが装備される「GT」
ロゴ入りのアルカンターラを使用したシートを採用
「GT」では、アルカンターラと本革を使用した高級感のあるシートが標準装備になります。アルカンターラは海外のスーパースポーツカーにも採用されている高級人工素材で、その質感の高さには定評があります。加えて、シートにBRZロゴがあしらわれました。そのほかの装備内容はほぼ「S」に準じます。
ボルドーを取り入れた最上級グレード「STI Sport」
ボルドー×ブラックのインテリア
この「STI Sport」でのみボルドー×ブラックのインテリアが採用され、ほかのグレードとは一線を画したシックで躍動感漂うインテリアとなっています。
シートはアルカンターラ×本革のコンビシート。ボルドーとブラックの2色遣いで、STIのロゴ入りです。
随所にグランリュクスを採用
ドアトリムやメーターバイザーには、ラグジュアリーな質感が魅力の人工素材グランリュクスを使用。質の良さにこだわった、大人を魅了する素材使いが見事です。
BRZの座席周りの収納
BRZは走行性能に重きを置いた本格スポーツカーなので、近年の軽自動車やファミリーカーに見られるような利便性を高めてくれる装備やこまごまとした収納はほとんどありません。
座席周りの収納も最低限のものしかなく、全車に装備されているのは車検証や自賠責保険証などの書類入れとして使用することの多い助手席前のグローブボックス、インパネポケット、ドアボトルホルダー程度です。
これに加えて、「R Customize Package」と「RA Racing」以外のグレードにはセンターコンソールに脱着式のカップホルダーが2個装備されます。
BRZの荷室&座席アレンジ
BRZは荷物が積み込みやすく、しっかりした容量を確保した荷室を備えています。荷室下にはサブトランクもあるので、小物や工具類などもすっきりと収納できるでしょう。
一体可倒式のリアシートを搭載
後席には、一体可倒式のリアシートを採用。トランクスルー機能によって、スポーツ走行用のタイヤ4本と工具類が納められるスペースを確保しており、ゴルフバッグなら2個積載可能です。サーキット走行を考えている方はもちろん、日常的にBRZを使用したい方も、毎日の買い物や短期間の旅行であれば十分対応できるので安心でしょう。
内装の違いはカーライフの満足度を左右するポイント
BRZではグレードによってインテリアが大きく異なります。サーキット走行を前提としているのか、それとも日常的に愛用したいのか、自分好みに思いっきりカスタマイズしたいのかで選ぶグレードは変わってくるでしょう。
またBRZはスポーツカーであるがゆえに、全グレードに共通していえるのが収納は少ないということです。一般的な乗用車とは異なる部分が多いので、内装をしっかりと確認して納得のいくBRZを選ぶようにしてください。
よくある質問
Q1:BRZの室内空間の特徴は?
A:本格FRスポーツカーであるBRZは、スバル独自の水平対向エンジンの長所を活かし、超低重心パッケージングを採用しています。ドライバーのヒップポイントを400mmと低く設定することで車両全体の低重心化に貢献しているほか、コーナリング時の体の揺れを少なくし、正確なドライビングを可能にしています。
Q2:BRZのグレードごとの内装の違いは?
A:「R Customize Package」と「RA Racing」はそれぞれカスタマイズすることを前提としているグレードと、競技用のグレードなので、加飾類は使用せず簡素なインテリアとなっています。そのほかのグレードでは本革やステッチなどがあしらわれます。「GT」「STI Sport」の上級グレードでは、アルカンターラなどの高級素材が贅沢に使用されているという違いがあります。
Q3:BRZの収納力は?
A:BRZは走行性能に特化したモデルゆえに、近年の新型車にあるようなこまごまとした座席周りの収納は用意されていません。グローブボックスやインパネポケット、ドアボトルホルダー程度です。また、荷室は後席に一体可倒式シートを採用しているため、トランクスルー機能によってスポーツ用タイヤ4本と工具が積み込めるスペースを確保しています。
※記事の内容は2020年12月時点の情報で執筆しています。