予防安全技術や運転支援技術は、今の車には欠かせないものといえます。しかし、搭載される先進安全技術のレベルや充実度などは車種によって大きく異なるのはもちろん、場合によっては同じ車種でもグレードによって安全性能が異なることもあります。そのため車選びの際には安全性能をよく確認し、納得のできる安全性を有した1台を選ぶことが大切といえます。
ここでは、スズキ「ワゴンRスマイル」の安全性能について詳しくご紹介します。
この記事のPOINT
- ワゴンRスマイルは全車にスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を標準装備
- 全車が「サポカーSワイド」の認定に必要な先進安全技術を搭載している
- 「セーフティプラスパッケージ」が追加できるのは「HYBRID S」と「HYBRID X」のみ、特別仕様車では選択できない
ワゴンRスマイルの安全性能の特徴
2021年9月に登場したワゴンRスマイルは、全車にスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」を標準装備し、国土交通省や経済産業省が普及を推進する「サポカーSワイド」に適合する安全性能を有しています。
また、万が一の衝突時に効率よく衝撃を吸収・分散するボディ構造の「TECT(テクト)」や6つのエアバッグの標準装備など、衝突安全性にも高い配慮が見られるのもワゴンRスマイルの特徴といえるでしょう。
ワゴンRスマイルに搭載される先進安全技術
ここからは、ワゴンRスマイルの「スズキ セーフティ サポート」に含まれる先進安全技術にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
デュアルカメラブレーキサポート
ステレオカメラで前方の車両や歩行者を検知し、危険度に応じて警告やブレーキ制御を行うことで、衝突事故の回避や衝突被害の軽減をサポートする機能です。
自車速度約5~約100km/hで作動し、夜間の歩行者検知機能もあります。
誤発進抑制機能・後方誤発進抑制機能
進行方向に壁などの障害物を検知している状態で必要以上に強くアクセルペダルを踏み込んだ場合、システムがエンジン出力を自動で制御し、急発進・急加速による衝突を回避するように支援します。
エンジン出力制御は最長約5秒間で、約10km/h以下での徐行時に作動します。障害物の検知範囲は前方約4m以内、後方約3m以内です。
後退時ブレーキサポート
「リヤパーキングセンサー」が後方の障害物を検知し、車両と障害物の距離に応じてブザー音を変化させてドライバーに注意喚起します。
障害物と衝突するおそれがあるとシステムが判定した場合は、ブレーキ制御を行って衝突回避、衝突被害軽減に貢献する機能です。
車線逸脱警報機能
約60km/h以上で走行中にシステムが左右の区画線を検知し、進路を予測します。予測値を外れ車線からはみ出す危険があると判断した場合は、音や表示でドライバーに危険を知らせます。
ふらつき警報機能
システムが正常な車両の走行パターンを計測し、その上で蛇行するなど実際の車両の挙動が計測値と異なる場合は「ふらついている」と判断、ドライバーに注意喚起します。
なお、「車両逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」ともに、ステアリングの操作のアシスト機能はありません。
ハイビームアシスト
夜間に約30km/h以上で走行中、対向車や先行車のランプや街灯などを検知し、状況に応じてハイビームとロービームをシステムが自動で切り替える機能で、ドライバーの手間を減らし安全運転に貢献するほか、切り替え忘れも防止します。
先行車発進お知らせ機能
信号待ちなどでブレーキペダルを踏んで停車している際、先行車が約4m以上進んでも自車が発進しない際に警告を発してドライバーに注意喚起する機能です。
ワゴンRスマイルの全車に標準装備される先進安全技術は以上です。このほかにオプションで「全方位モニター」が追加できます。これは車両の前後左右に設置されたカメラから得られる映像を対応ナビゲーションに映し出して、周囲の安全確認をサポートする機能です。
入庫時や縦列駐車時などで活躍するほか、ワゴンRスマイルでは狭い道を低速で走行しているときは自動で「左側サイド+フロント映像」を表示し、対向車などとの接触回避をサポートする「すれ違い支援機能」も搭載されています。
オプションで追加できる先進安全技術
ワゴンRスマイルは、オプションの追加によってさらに安全性を高めることも可能です。ここでは、ワゴンRスマイルにオプションで追加できる先進安全技術についてご紹介します。
セーフティプラスパッケージ
マイルドハイブリッドシステムを搭載する「HYBRID S」「HYBRID X」には、パッケージオプション「セーフティプラスパッケージ」の追加が可能です。なお、「HYBRID S」をベースとする特別仕様車「HYBRID S リミテッド」には設定がありません。
セーフティプラスパッケージには、以下の機能が含まれます。
アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付き)
高速道路などの自動車専用道路でシステムが先行車との距離を測定し、車間距離を保つよう加減速を制御します。ワゴンRスマイルは全車速に対応しているので、渋滞時など先行車が停止した際には自車も自動で停止し、約2秒間停止を保持します。
単調になりがちな高速走行時やストップ&ゴーを繰り返す渋滞時のドライバーの運転負荷を軽減し、安全運転に貢献する運転支援機能です。
標識認識機能
道路標識を認識し、標識の種類に応じたタイミングでマルチインフォメーションディスプレイやヘッドアップディスプレイに表示することで標識の見逃しを防止し、安全運転をサポートします。
ワゴンRスマイルでは最高速度、はみ出し通行禁止、補助標識の「終わり」に加え、一時停止と車両進入禁止の5種類の標識が認識可能です。
ヘッドアップディスプレイ(カラー)
運転席前のダッシュボード上に、運転に欠かせない情報を表示してドライバーの視線移動、焦点調節の頻度を減らすことで安全運転に貢献する機能です。
車速やシフト位置をはじめ、タコメーターや瞬間燃費、エアコンの状態やガソリン残量警告など、さまざまな情報をカラーで表示します。
全方位モニター用カメラ
車両の前後左右に設置された4つのカメラから得た情報を基に、さまざまなアングルの映像を対応ナビゲーション画面に映し出してドライバーが目視しにくいエリアの安全確認をアシストする機能です。車を真上から見下ろしたような俯瞰画像の表示も可能です。
また、狭い路地などを低速で走行している際には自動で左側サイド+フロント映像を映し出して狭い道でのすれ違い時の接触防止に貢献する「すれ違い支援機能」や、ワゴンRスマイルの周囲360°を立体的に表示する「3Dビュー」も搭載しています。
3Dビューは車両を斜め上から見下ろしたような「室外視点」と、運転席から車体を透過して周囲を見るような「室内視点」を切り替えて表示します。
さらに、車両の左右から接近する人や物を音や表示でドライバーに知らせる「左右確認サポート機能」も搭載。車庫入れ時や縦列駐車時をはじめ、狭い路地でのすれ違い時や狭い道から広い道へ出る際など、さまざまなシーンで役立ってくれるでしょう。
なお、全方位モニター用カメラはパッケージオプションの「全方位モニター付きメモリーナビゲーション」、もしくは「全方位モニター用カメラパッケージ」の追加で装着可能です。「全方位モニター付きメモリーナビゲーション」は全車に設定がありますが、「全方位モニター用カメラパッケージ」は「G」では選択できません。
オプションの追加も積極的に検討したい
ワゴンRスマイルは全車に「サポカーSワイド」の認定に必要な先進安全技術が搭載されています。別に用意されているパッケージオプションを追加すればさらに安全性能を高めることもできますが、グレードによっては追加できないものもあるため、グレードを決める際にはオプションを追加するかどうかも含めて検討することをおすすめします。
【動画解説】ワゴンRスマイルについてさらに詳しく知りたい方はYou Tubeでチェック
よくある質問
Q1:ワゴンRスマイルは全車に先進安全技術が搭載されているの?
A:はい、ワゴンRスマイルは全車にスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されています。
Q2:ワゴンRスマイルに搭載される「スズキ セーフティ サポート」にはどのような先進安全技術が含まれているの?
A:夜間の歩行者検知も可能な衝突被害軽減ブレーキの「デュアルカメラブレーキサポート」、ペダルやシフト操作ミス時の衝突回避を支援する「誤発進抑制機能」「後方誤発進抑制機能」、自動でハイビームとロービームを切り替える「ハイビームアシスト」や、車線からのはみだしやふらつき走行を検知して警告する機能などが搭載されています。
Q3:ワゴンRスマイルはどの「サポカー」に該当するの?
A:ワゴンRスマイルはエントリーグレードの「G」を含む全車が「サポカーSワイド」に該当します。
※この記事は2023年10月時点の情報で制作しています